原形不定詞 |
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Lesson 041 |
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原形不定詞
to のつかない不定詞を 原形不定詞 と言い、動詞の原形だけで不定詞として用います。主に 「 S + V + O + C ( = 原形不定詞 ) 」 の文型でよく用いられ、使用される述語動詞の種類によって二通りに分類できます。
述語動詞が知覚動詞の場合
知覚動詞とは see ( 見る )、hear ( 聞く )、feel ( 感じる ) などの 知覚 ( 感覚 ) を表す動詞のことで 「 S は O が C ( 原形不定詞 ) するのを V ( 知覚動詞 ) する 」 という意味を表します。
I saw him walk across the road last night.
( 私は昨日の夜、彼が道を横切るのを見た。 )
I can feel my heart beat very fast.
( 心臓が激しく打っているのを感じます。 )
I heard him sing.
( 私は彼が歌うのが聞こえた。 )
述語動詞を受動態にする場合は原形不定詞ではなく to 不定詞になります。
He was heard to sing by me.
( 彼は歌うのを私に聞かれた。 )
述語動詞が使役動詞の場合
使役動詞は let、make、have など、「 S は ( O に ) C ( 原形不定詞 ) させる 」 という意味を表します。 強制の度合いは let → have → make の順に強くなります。
She always lets him win the argument.
( 彼女はいつも議論で彼を勝たせてあげている。 )
I will have my son carry your bags.
( 息子にあなたのバッグを運ばせましょう。 )
He made her go to work.
( 彼は彼女を仕事に行かせた。 )
make を受動態にする場合は原形不定詞ではなく to 不定詞になります。
let の受動態はまれで、let の代わりに「許す」という意味の allow や permit が用いられます。
She was made to go to work by him.
( 彼女は彼に仕事に行かされた。 )
Her children were allowed to go out to play.
( 彼女の子供たちは外に遊びに行くことを許された。 )
同じ使役でよく用いられる動詞の get や help は to 不定詞が用いられます。ただし help は省略されることが多い。
I can't get this door to unlock.
( 私はこのドアの鍵をはずすことができない。 )
I helped him ( to ) wash the dishes.
( 私は彼が皿を洗うのを手伝った。 )
原形不定詞を含む慣用表現
4 - 1. had better ( not ) + 原形不定詞
「 ~ した ( しない ) 方がよい、 ~ すべきだ 」という意味で、話し手の意志を強く表すため、相手に対して強制や命令といった押しつけがましい印象を与えることがあります。疑問文は 「 Have you better ~ ?/ Had you not ( Hadn't you ) better ~ ? 」という形で表します。
You had better do whatever he says.
( 何でも彼の言うとおりにしたほうがいいですよ。 )
Hadn't you better go back soon?
( 早く戻ったほうがいいんじゃない )
押しつけがましい印象を和らげるためには「 I think you had better ~ / It would be better for you to ~ 」
を用います。
4 - 2. would ( had ) rather + 原形不定詞 ~ ( than + 原形不定詞 ) ・・・
「 ( ・・・ するより ) むしろ ~ したい 」 という意味を表します。否定文は 「 would rather not ~ 」、疑問文は 「 Would ( Wouldn't ) you rather ~ ? 」 という形になります。
I would ( had ) rather be hungry than eat raw fish.
( 生魚を食べるくらいなら、腹をへらしたままのほうがよい。 )
Wouldn't you rather tell him the truth?
( あなたは、どちらかといえば彼に真実を話したくないのですか。 )
than + 不定詞 は省略されることがあります。
4 - 3. cannot but + 原形不定詞
「 ~ せざるを得ない 」 という意味を表します。口語体では 「 cannot help + -ing 」という形でも同じ意味を表すことができます。
He cannot but cry.
( 彼は泣かざるをえなかった。 )
I cannot help admiring her courage.
( 私は彼女の勇気を立派だと思わずにはいられません。 )
4 - 4. do nothing but + 原形不定詞
「 ~ してばかりいる 」という意味を表します。but の代わりに except を用いても同じ意味になります。
I did nothing but keep staring at it.
( 私ができたのは、ただそれを見つめていることだけでした。 )