名詞の種類 |
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Lesson 049 |
目次
名詞
名詞はまず大きく 可算名詞 ( 数えられる名詞 ) と 不可算名詞 ( 数えられない名詞 ) に分かれ、さらに 普通名詞・集合名詞・固有名詞・物質名詞・抽象名詞 の 5 つに分類されます。英語は日本語と違い、名詞が単数なのか複数なのか、特定なものか不特定なものかを 必ず 示す必要があります。
名詞 | 可算名詞 | 普通名詞 | 一定の形や区切りがあるもの | book, dog |
---|---|---|---|---|
集合名詞 | 同種類のものの集合体 | team, family | ||
不可算名詞 | 固有名詞 | 特定の人、事物や地名など | Hiroshi, Tokyo | |
物質名詞 | 一定の形や区切りの無いもの | air, water | ||
抽象名詞 | 抽象的概念の名称 | peace, music |
普通名詞
book ( 本 )、 hour ( 時間 )、 mile ( マイル ) など一定の形があるものや、単位を表すもの、または「 1 ~ 」「 2 ~ 」と個数や回数を数えられるものを 普通名詞 と言います。数えることができるので 単数形 と 複数形 があり単数形には必ず次のような語を付ける必要があります。
冠詞 ( a , an , the )
代名詞・名詞の所有格 ( my , your , his , Bill's など )
this , that , what など )
複数形は単独でも用いられますが、数詞 や不定の数を表す語 [ many、a lot of など ] を付ける事が多い。
2 - 1. a ( an ) + 単数形
a. 会話や文で初めて出てきた場合
The tourist was armed with a guide book.
( その観光客はガイドブックを手にしていた。 )
b. 人や物についての性質や特徴を表す場合 ( 口語体・文章体 )
A book is made of paper.
( 本は紙で出来ています。 )
c. 速さや価格、頻度などを表す場合
The town is an hour from here.
( ここからその町まで 1 時間かかる。 )
2 - 2. the + 単数形
a. 会話や文章の中ですでに出てきた場合
The book was adapted for a TV series.
( その本はシリーズ化された。 )
b. 人や物についての性質や特徴を表す場合 ( 主に文章体 )
The bear is a very dangerous animal.
( 熊は非常に危険な動物です。 )
「 the + 単数形 」 は上記以外にも、名詞が象徴する抽象的な概念を示すことができます。
The pen is mightier than the sword.
( ペンは剣よりも強し。 )
[ ペン → 文筆力や思想を象徴、 剣 → 軍事力や暴力を象徴 ]
There is still something of the child in all of us.
( 誰にでもまだどこか子供っぽいところがあるものです。 )
「 子供 → 子供のような性格 」
2 - 3. ( 無冠詞 / 不定の数を表す語 ) + 複数形
その種類の全体を表します。
In my school days I couldn't afford books.
( 学生時代は本を買う余裕がなかった。 )
2 - 4. the + 複数形
ある特定された条件下で、その種類の全体を現します。
She disposed the books on the desk.
( 彼女は机の上に本を並べた。 )
集合名詞
集合名詞とは同じ種類の人々や物の集合体を表す名詞のことで、集合体全体を 1 つのまとまりとして扱う場合と集合体のメンバーを個々に扱う場合があります。
3 - 1. 単数・複数の両方で扱う集合名詞
audience ( 聴衆 )
chorus ( 合唱団 )
class ( クラス )
committee ( 委員会 )
crew ( 乗組員 )
crowd ( 群衆 )
family ( 家族 )
nation ( 国民 )
public ( 大衆 )
staff ( 職員 )
team ( チーム )
a. 単数で使われる場合
The audience was deeply affected.
( 聴衆は深く感動した。 )
Her family is very large.
( 彼女の家族は大人数だ。 )
Our staff is eager to help you.
( われわれのスタッフがあなたを是非助けたいと思っています。 )
b. 複数で使われる場合
The audience were mostly young people.
( 聴衆は大部分若者だった。 )
My family are all very well.
( 家族一同元気です。 )
The staff here are well-trained.
( ここのスタッフはよく教育されている。 )
3 - 2. 常に複数で扱う集合名詞
police ( 警察 )
people ( 人々 )
cattle ( 牛 )
vermin ( 害虫 )
名詞の形は単数形になっているが、常に複数扱いになるため a ( an ) を付けることはない。
The police are on his track.
( 警察では彼を追跡している。 )
「 一人の警察官 」を表すときは policeman , policewoman を用います。
A lot of people went to the ballpark.
( たくさんの人々が野球場へ詰めかけた。 )
Cattle were grazing in the field.
( 牛が野原で草をはんでいた。 )
3 - 3. 常に単数で扱う集合名詞
furniture ( 家具 )
clothing ( 衣類 )
baggage ( 手荷物 )
machinery ( 機械類 )
merchandise ( 商品 )
produce ( 農作物 )
物質名詞に近い集合名詞で、量を表すには much , a lot of 、 個別化するときには a piece of などを付けます。
The furniture was dusty.
( その家具はほこりをかぶっていた。 )
Clothing is not taxed in our state.
( 我々の州では衣類は課税されない。 )
Our factory needs a lot of machinery.
( 我々の工場にはたくさんの機械が必要だ。 )
固有名詞
Japan ( 日本 ) や Willium Parrish ( ウィリアム・パリッシュ ) のように国名・人名・事物につけられた固有の名称を 固有名詞 と言います。他の名詞と異なり文中でも常に大文字から始まります。
4 - 1. 通常の固有名詞
a. 人名・敬称・称号
Will Smith ( ウィル・スミス ) |
Sir Philip Anthony Hopkins ( サー・フィリップ・アンソニー・ホプキンス ) |
Charles Prince of Wales ( ウェールズ大公チャールズ王太子 ) |
b. 国・都市・地名
China ( 中国 )
Paris ( パリ )
Mt.Everest ( エベレスト )
Lake Biwa ( 琵琶湖 )
c. 公共建築物名
Julliard School of Music ( ジュリアード音楽院 ) |
Rainbow Bridge ( レインボーブリッジ ) |
Harvard University ( ハーバード大学 ) |
d. 月・曜日・祭日名
April ( 4月 )
Monday ( 月曜日 )
Independence Day ( 独立記念日 )
e. 天体名
Uranus ( 天王星 )
Saturn ( 土星 )
Neptune ( 海王星 )
Mars ( 火星 )
「地球」「月」「太陽」については普通名詞扱いになるため 「 the earth ( 地球 ) 」「 the moon ( 月 ) 」「
the sun ( 太陽 ) 」となります。ただし「 the earth ( 地球 ) 」を他の天体と比較する場合は 「 Earth 」と固有名詞で表現します。
4 - 2. 定冠詞 the を付ける固有名詞
a. 海洋・河川・運河
the Pacific Ocean ( 太平洋 ) |
the Colorado ( コロラド川 ) |
the Suez Canal ( スエズ運河 ) |
b. 船舶・艦隊
the Titanic ( タイタニック号 ) |
the Home Fleet ( 本国艦隊 ) |
c. 海峡・半島
the English Channel ( イギリス海峡 ) |
the Labrador ( ラブラドル半島 ) |
d. 山脈・群島・砂漠
the Himalayas ( ヒマラヤ山脈 ) |
the Galapagos ( ガラパゴス諸島 ) |
the Syrian Desert ( シリア砂漠 ) |
e. 公共建築物
the British Museum ( 大英博物館 ) |
the White House ( ホワイトハウス ) |
f. 新聞・雑誌
the New York Times ( ニューヨークタイムズ紙 ) |
the Readers' Digest ( リーダーズダイジェスト ) |
4 - 3. 不定冠詞 a , an を付ける固有名詞
固有名詞は本来、数えられない性質のものですが、次のように普通名詞として扱われる場合は 「 a ( an ) 」 を付けたり複数形にできます。
1. ~ 家の人々
He is a Kennedy.
( 彼はケネディ家の人です。 )
2. ~ という人
There is a Mr.Smith to see you.
( スミスさんという人がお見えです。 )
3. ~ のような人
He will be an absolute Einstein some day.
( 彼はいつの日かアインシュタインのような人になれるだろう。 )
4. ~ の製品・作品
The painting turned out to be a genuine Picasso.
( その絵はピカソの作品だと判明した。 )
物質名詞
5 - 1. 物質名詞の用法
物質名詞とは water , air のように一定の形や区切りの無い物質を表す名詞のことをいいます。数えられない名詞のため基本的に a ( an ) は付かず複数形にもなりませんが、文脈によって特定された物質名詞には the を付けます。
a. 無冠詞 + 物質名詞
We cannot live without water.
( 私達は水なしでは生きていけない。 )
b. the + 物質名詞
The water in this pond is polluted.
( この池の水は汚染されている。 )
water は in this pond ( この池 ) によって特定されているため the を付けます。
5 - 2. 物質名詞の種類
a. 気体・液体
air ( 空気 )
gas ( ガス )
smoke ( 煙 )
water ( 水 )
oil ( 油 )
liquid ( 液体 )
b. 鉱物類
gold ( 黄金 )
iron ore ( 鉄鉱石 )
coal ( 石炭 )
earth ( 土 )
c. 食料品
rice ( 米 )
bread ( パン )
salt ( 塩 )
tea ( お茶 )
d. 材料
wood ( 木材 )
brick ( レンガ )
paper ( 紙 )
cloth ( 布 )
e. その他
money ( お金 )
5 - 3. 物質名詞の分量の表し方
a. 不定の分量を表す場合
any , a little , a lot of , some , no などを用いて不定の量を表します。
Some money is necessary.
( いくらかのお金は必要だ。 )
We had much wine yesterday.
( 昨日はずいぶんワインを飲んだ。 )
b. 一定の分量を表す場合
物質名詞の一定の分量を表すには、「 a ( an ) + 単位を示す語 + 物質名詞 」という形で表します。 2 つ以上の場合、「 a ( an ) 」 は数量を表す語に、「 単位を表す語 」は複数形になります。
He bought a bottle of whisky as a souvenir.
( 彼はウイスキーを 1 本お土産に買いました。 )
He bought two bottles of whisky as a souvenir.
( 彼はウイスキーを 2 本お土産に買いました。 )
< 単位の換算一覧表 >
1 inch | 1 foot | 1 yard | 1 mile | 1 acre |
---|---|---|---|---|
2.54 cm | 30.48 cm | 91.4 cm | 1.609 km | 4,047 ㎡ |
1 ounce | 1 pound | 1 pint | 1 gallon | |
28.35 g | 454 g | 0.473 ? | 3.79 ? |
抽象名詞
love ( 愛 ), driving ( 運転 ) のように具体的な形を持たない 性質・動作・状態・一般概念 を表す名詞を 抽象名詞 と言います。 形の無いものであるため数えられない名詞になります。よって a ( an ) は付かず複数形にもなりません。
6 - 1. 抽象名詞の種類
抽象名詞には普通名詞・動詞・形容詞など他の品詞と同じ形のものや語尾を変化させたものが多い。
a. 性質・状態
love ( 愛 )
life ( 生命 )
truth ( 真実 )
beauty ( 美しさ )
honesty ( 正直 )
bravery ( 勇気 )
kindness ( 親切 )
freedom ( 自由 )
childhood ( 幼年時代 )
friendship ( 友情 )
- th , - ty , - ness , - dom , - hood , - ship などの語尾を持つ語が多い。
b. 動作
advice ( 助言 )
success ( 成功 )
stay ( 滞在 )
choice ( 選択 )
driving ( 運転 )
sale ( 販売 )
movement ( 運動 )
flight ( 飛行 )
creation ( 創造 )
agreement ( 同意 )
- ing , - ion , - ment , などの語尾を持つ語が多い。
c. 学問
science ( 科学 )
physics ( 物理学 )
mathematics ( 数学 )
sociology ( 社会学 )
world history ( 世界史 )
philosophy ( 哲学 )
physical education ( 体育 )
- ics , - logy などの語尾を持つ語が多い。
d. スポーツ
tennis ( テニス )
baseball ( 野球 )
golf ( ゴルフ )
soccer ( サッカー )
e. 病名
lung cancer ( 肺がん )
leukemia ( 白血病 )
6 - 2. 抽象名詞の用法
a. 無冠詞 + 抽象名詞
抽象名詞そのものを指していう場合は無冠詞になります。
Knowledge is power.
( 知識は力なり )
Happiness consists in contentment.
( 幸せは満足感による )
b. the + 抽象名詞
修飾語句によって特定される場合は the を付けます。
The weak envy the power of the strong.
( 弱者は強者の力をうらやむ )
The doctor emphasized the importance of regular exercise.
( 医者は規則正しい運動の重要性を強調した。 )
6 - 3. 抽象名詞の程度や量を表す場合
抽象名詞は「1つ2つ・・・」と数を数えることはできないが、any , a little , much , no , some などを用いて程度や量を表すことができます。
He has not had much experience.
( 彼はあまり経験がありません。 )
He has no talent for acquiring foreign languages.
( 彼は外国語習得の才能がまったくない。 )
6 - 4. 抽象名詞の種類や具体的な行為・事象を表す場合
抽象名詞の種類や具体的な行為・事象を表す場合は普通名詞扱いになるため a ( an ) を付けたり複数形にすることができます。
She is a great success as an artist.
( 彼女は芸術家としての大成功者です。 )
She has done me many kindnesses.
( 彼女は私にいろいろと親切にしてくれた。 )