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形容詞の用法

Lesson 073

目次

形容詞の用法

   形容詞の用法には、名詞を直接的に修飾する 限定用法 と、動詞や目的語の補語となり間接的に名詞を説明する 叙述用法 があります。

限定用法

   形容詞が限定用法で名詞を直接修飾する場合、原則として名詞の前に形容詞が置かれるが、ある要件に該当する場合は後ろに置かれることもあります。

2 - 1.  形容詞の語順

   英語の形容詞は日本語と違って、語順がある程度決められております。大きく分けて並べると 「 this などの支持的なもの 」 → 「 many などの数量的なもの 」 → 「 honest などの性質・状態的なもの 」 となります。以下の表はその順番をさらに細分化したものです。

1 限定詞

a

the

my

etc...

2 数詞

one

first

two

etc...

3 主観的判断

beautiful

attractive

good

etc...

4 大小

big

small

large

etc...

5 新旧年齢

new

old

young

etc...

6 形状

round

square

thin

etc...

7 性質

calm

diligent

honest

etc...

8 色彩

red

blue

gray

etc...

9 所属材料

French

gold

iron

etc...

2 - 2.  名詞の前に形容詞を置く場合

He saw a pretty girl.

( 彼はかわいい少女を見た。 )

He played an important part.

( 彼は重要な役割を演じた。 )

  2 つ以上の形容詞を用いる場合は、「 and 」 や 「 , 」 カンマを付けずにそのまま後ろに置きます。

A tall young man is standing over there.

( 1 人の背の高い若者があそこに立っている。 )

ただし、次のように色彩を表す形容詞が 2 つ以上ある場合は 「 and 」 を用います。

alternate red and blue lines.

( 赤い線と青い線を交互にする。 )

2 - 3.  名詞の後ろに形容詞を置く場合

次のような場合、形容詞は名詞の後ろに置かれます。

a.  他の品詞と結合して 2 語以上で名詞を修飾する場合

We heard a sound strange to the ears.

( 私たちは耳慣れない妙な音を聞いた。 )

He climbed over a wall about five feet high.

( 彼は約 5 フィートの高さの塀を乗り越えた。 )

b.  「 -thing 」「 -one 」「 -body 」 で終わる不定代名詞を修飾する場合

I thought that he would talk about something more interesting.

( 私は、彼がもっと面白いことについて話すと思っていた。 )

I have nothing particular to say.

( 特に言うべきことは何もありません。 )

c.  「 -able 」「 -ible 」で終わる形容詞が 「 all 」や「 every 」 などの最上級の形容詞を伴う場合

He uses every means possible.

( 彼は可能な限り、あらゆる手段を使う。 )

This is the best plan imaginable.

( これは考えられる最良の計画だ。 )

d.  「 here 」や「 now 」 などの時や場所を表す副詞が形容詞として用いられる場合

My friend here wants to talk to you.

( ここにいる私の友人があなたとお話ししたいそうです。 )

Japan now is in severe depression.

( 今の日本はひどい不況下にある。 )

叙述用法

   形容詞が 第 2 文型 ( S + V + C ) や 第 5 文型 ( S + V + O + C ) の 補語 (C) として用いられることを 叙述用法 といいます。

3 - 1.  形容詞が主格補語となる場合 ( S + V + C )

He was honest in business.

( 彼は仕事に誠実だった。 )

You look nice with your hair short.

( あなたは短い髪がよく似合います。 )

3 - 2.  形容詞が目的格補語となる場合 ( S + V + O + C )

She believes him honest.

( 彼女は彼を正直だと信じている。 )

I found the bed quite comfortable.

( そのベットは非常に快適だと思いました。 )

限定用法のみの形容詞

   たいていの形容詞は限定用法と叙述用法の両方で用いられますが、限定用法でしか用いられない形容詞もあります。

4 - 1.  強調の意味を表す形容詞

mere ( 単なる )

only ( 唯一の )

outright ( 率直な )

utter ( 完全な )

sheer ( まったくの )

total ( 全体の )

very ( まさしくその ) など

She is a mere child.

( 彼女はまだほんの子供だ。 )

He is the only friend that I have.

( 彼は私のただ一人の友人だ。 )

4 - 2.  元は比較・最上級だった形容詞

elder ( 年上の )

former ( 前の )

inner ( 内側の )

upper ( 上のほうの )

utmost ( 最大限の ) など

I prefer the former picture to the latter.

( 後者の絵より前者の絵のほうがいい。 )

He belongs to the upper class.

( 彼は上流階級に属する。 )

4 - 3.  その他

fallen ( 落ちた )

drunken ( 酔っぱらった )

favorite ( 大のお気に入りの )

indoor ( 屋内の )

average ( 平均の ) など

It's my favorite song.

( それが私の気に入りの歌だ。 )

The sidewalk was covered with fallen leaves.

( 歩道は落ち葉で覆われていた。 )

叙述用法のみの形容詞

接頭辞 「 a- 」 の付く形容詞は叙述用法でのみ用いられます。

afloat ( 浮かんで )

afraid ( 恐れて )

alert ( 油断のない )

alike ( 似た )

alive ( 生きている )

alone ( 一人で )

amiss ( 不都合で )

asleep ( 眠って )

awake ( 目が覚めて )

aware ( 気づいて )

ashamed ( 恥じて ) など

The boat is not yet afloat.

( ボートはまだ浮かんでいない。 )

He was afraid of being scolded.

( 彼はしかられるのが怖かった。 )

限定用法と叙述用法で意味が異なる形容詞

certain

[ 限定用法 ] → ( ある ~ )

[ 叙述用法 ] → ( 確信して )

due

[ 限定用法 ] → ( 正当の )

[ 叙述用法 ] → ( 到着する予定で )

late

[ 限定用法 ] → ( 最近の )

[ 叙述用法 ] → ( 遅れた )

present

[ 限定用法 ] → ( 現在の )

[ 叙述用法 ] → ( 出席して )

right

[ 限定用法 ] → ( 右の )

[ 叙述用法 ] → ( 正しい )

sorry

[ 限定用法 ] → ( 情けない )

[ 叙述用法 ] → ( すまないと思って )

I was told by a certain person.

( 私はそれをある人から聞きました。 ) - [ 限定用法 ]

She was certain that he would pass the exam.

( 彼女は彼が試験に合格するに違いないと思った。 ) - [ 叙述用法 ]

The business was in a sorry state.

( 事業は悲惨な状態にあった。 ) - [ 限定用法 ]

I'm so sorry.

( 本当にすみません。 ) - [ 叙述用法 ]

他の品詞への転化

7 - 1.  名詞へ転化する場合

a.  「 the + 形容詞 」

   「 ~ な人 」 あるいは 「 ~ なこと ( 物 ) 」 の意味を表します。「 人 」 を表す場合は複数扱いであることが多い。「 事物 」 の場合は単数扱いとなります。

the young ( 若者たち )

the sick ( 病人たち )

the rich ( 富裕層 )

the poor ( 貧しい人たち )

the dying ( 死にかけている人たち )

the living ( 生きている人たち )

the beautiful ( 美 )

the true ( 真 )

the good ( 善 )

the impossible ( 不可能なこと )

the unreal ( 非現実性 ) など

b.  「 前置詞 + 形容詞 」が慣用句となる場合

be on the defensive ( 守勢に立つ )

at last ( ついに )

at large ( 一般の )

for certain ( 確かに )

in short ( 手短に言えば )

for good ( 永久に )

in particular ( 特に ) など

7 - 2.  副詞へ転化する場合

本来形容詞である語が強調語として形容詞を修飾する副詞として用いられることがあります。

There were a great many people in the park.

( その公園には非常に多くの人たちがいた。 )

It is bitter cold today.

( 今日はひどく寒い。 )

They were dead serious, his Mom and Dad, about moving.

( 彼の両親は引越しに関して大まじめだった。 )

You had been dead drunk.

( あなたは泥酔していた。 )

分詞形容詞

   感情や心理状態を表す他動詞の現在分詞と過去分詞から派生してできた形容詞のことを 分詞形容詞 といいます。現在分詞から派生したものは 「 ~ させるような 」 という能動的な意味を表し、過去分詞から派生した形容詞は 「 ~ させられた 」 というように受動的な意味を表します。

原形現在分詞過去分詞

amaze

( ひどくびっくりさせる )

amazing

( 驚くべき )

amazed

( びっくりした )

amuse

( 面白がらせる )

amusing

( 人を面白くさせる )

amused

( 面白がっている )

bore

( 退屈させる )

boring

( 退屈な )

bored

( 退屈して )

confuse

( 混乱させる )

confusing

( 混乱させるような )

confused

( 混乱した )

disappoint

( 失望させる )

disappointing

( がっかりさせる )

disappointed

( 失望した )

interest

( 関心を持たせる )

interesting

( おもしろい )

interested

( 興味を持った )

surprise

( 驚かす )

surprising

( 驚くべき )

surprised

( 驚いた )

The game was very exciting.

( その試合はとても興奮させるようなものだった。 ) - [ 能動的 ]

I was excited when I watched the game.

( その試合を見ていて私は興奮した。 ) - [ 受動的 ]

人を主語にできない形容詞

叙述用法の形容詞には人を主語にすることができないものがあります。

difficult ( 難しい )

dangerous ( 危険な )

necessary ( 必要な )

easy ( 容易な )

hard ( 難しい )

pleasant ( 楽しい )

possible ( 可能な )

important ( 重要な )

useful ( 有益な )

useless ( 無駄な ) など

The river is dangerous to cross.

( その川を渡るのは危険だ。 )

It's absolutely necessary for you to meet her.

( 君が彼女に会うということは絶対に必要だ。 )

人が主語になる形容詞

人の感情・意思・能力を表す形容詞は必ず人を主語にした文に用います。

angry ( 怒った )

ashamed ( 恥じて )

delighted ( 喜んで )

disappointed ( 失望して )

glad ( 喜んで )

happy ( 幸せな )

proud ( 誇りにして )

sorry ( 残念に思って )

suprised ( 驚いて )

pleased ( 喜んで )

eager ( 熱望して )

willing ( 喜んで )

able ( できる )

unable ( できない ) など

He looks angry.

( 彼は怖い顔をしている。 )

He's happy with his new job.

( 彼は新しい仕事に満足している。 )

Will you be able to visit me tomorrow?

( あなたは明日私を訪ねることができるでしょうか。 )

目的語をとる形容詞

   動詞や前置詞と同じように目的語をとる形容詞として「 like 」 「 unlike 」 「 near 」 「 opposite 」 「 worth 」 などがあります。

He is very like his father.

( 彼は父親にたいへん似ている。 )

It's not worth a penny.

( それは 1 文の価値もない。 )