by の用法
前置詞 by は「そばに」「〜によって」というコアイメージから、
「時の期限」「場所」「経路や手段」「受動態の動作主」など、たくさんの意味に広がります。
このレッスンでは、その広がりを13の代表的な使い方に分けて、やさしい日本語と例文で整理していきます。✨
※ いきなり全部を完璧に覚えなくて大丈夫。まずは「時・場所・手段」の3つに慣れることを目標にしましょう。
by のコアイメージと学習のコツ
by のイメージは、おおざっぱにいうと次の2つです。
- ① 物理的・心理的な「そばに・横に」 👉
by the door(ドアのそばで) - ② 何かにくっついているイメージからの「〜によって・〜までには」 👉
by five(5時までに)
この「そばに」「くっついて」の感覚さえ頭に入れておけば、
あとは「時間」「場所」「手段」などどこにくっついているかを考えるだけで、
意味を推測しやすくなります。
「全部覚えよう」と思うと脳がストレスを感じてしまいますが、 「今日は 2つの用法だけわかればOK!」と 小さなゴールを決めると、達成感が積み上がって学習が続きやすくなります 😊
▮ 目次
-
1. 時の期限を表す by
「〜までには」:
by noon / by fiveなど締め切り・期限を表す by -
2. 場所を表す by
「〜のそばで」:
by the door / by the seaなど位置関係を表す by -
3. 経路や手段を表す by
「〜を通って/〜によって」:
by bus / by air / by way ofなど -
4. 動作主を表す by(受動態)
be + 過去分詞 + by ~で「〜によって …される」を表す基本パターン -
5. 尺度や基準を表す by
「〜によれば・〜で見ると」:
by my watch / by appearancesなど判断の物差し -
6. 程度や差異を表す by
「どれくらい差があるか」:
by degrees / step by step / by 3 minutesなど -
7. 乗除や寸法を表す by
「〜で(かけて/割って/〜×〜の)」:計算式や部屋の大きさの表現
-
8. 動作を受ける体や衣服の部分を表す by
by the hand / by the collarなど「どこを」つかむか・持つかを表す -
9. 関係を表す by
「〜に関して言えば」:
by birth / by trade / by bloodなど身分・職業・血縁 -
10. 名前や標示を表す by
「〜という名で/〜という意味で」:
go by the name of ...など -
11. 誓言や祈願を表す by
swear by Godなど、神や重大なものに「かけて」誓う表現 -
12. 「〜から生まれた」を表す by
家族関係を表す
a child by his first wifeなどの表現 -
13. 「〜に対して」を表す by
do well by ~など、人への態度・扱いを表す by -
🧾 総まとめ:by の用法の要点チェック
重要表現の一覧とミニクイズで、by のコアイメージをしっかり定着させましょう。
1. 時の期限を表す by
前置詞 by が「時間」と一緒に使われるときは、基本的に
「〜までには(その時点より前に終わる)」という
締め切り(デッドライン)のイメージになります。
「5時までに」「明日までに」「正午までには」など、日常会話でも仕事でも
とてもよく使われる重要パターンです。
🔰 導入:締め切りをあらわす by をざっくり掴もう
「〜までには」という日本語が出てきたら、まず
by を思い出してほしいです。
ここで大事なのは、
その時間より前なら OK
という「ゆとりのある締め切り」のイメージです。
例えば、日本語で
「7時までに宿題を終わらせる」
と言うとき、
7時ジャストに終わらなきゃダメ
というよりも、
7時より前に終わっていれば合格
という感覚ですよね。
この「合格ラインの境界」を英語では
by seven と表現します。
I will finish my homework by seven.
(7時までに宿題を終えます。)
🔍 by seven は
「7時より前ならいつ終わってもOK」
という「締め切り」のイメージです。
「7時きっかり」という点だけを狙うのではなく、 7時というゴールに向かって、その前に終わらせておく 感じ、と考えるとイメージしやすくなります。
日本語で「〜までには」と思ったら、まず頭の中で
by + 時 に変換してみましょう。脳は「いつも同じ行動パターン」を好むので、 この小さなクセをつけるだけで、 自然と by が口から出る回数が増えていきます 😊
🧠 by のコアイメージ&タイムライン
時間といっしょの by を理解するカギは、
「ゴールの点」にくっつくイメージです。
「今から未来に向かう線」を思い浮かべて、
ある時点(点)にペタッとシールを貼るようなイメージをしてみましょう。
① by:ゴールの「点」にくっつく
by は、時間の「ゴールの点」にくっついて、
「その点より前ならOK」という締め切りを作ります。
イメージ(テキストタイムライン):
Now ────── ✅(終わる)─────★ 7:00
↑
「by seven」
✅ の位置は ★7:00 より前ならどこでも大丈夫。
この「★より前にゴールしていればOK」という感覚が
by のコアイメージです。
② until:続いている「線」とのちがい
よく一緒に混ざってしまうのが until です。
until は、
「その時点までずっと続く線」のイメージになります。
イメージ:
Now ────────▮▮▮▮▮▮▮▮▮★ 7:00
↑
「ずっと続いている」
by = ゴールの「点」、 until = 続く「線」 とセットで覚えると、テストでも会話でも迷いにくくなります。
脳は「似ているものの違い」を一緒に覚えると、長く記憶に残りやすいと言われています。
ここで
by = 点、until = 線 とイメージでセットにしておくと、
あとから思い出すときにスッと区別しやすくなりますよ 👍
⏰ 時の by を「型(パターン)」で整理しよう
「時の期限」を表す by は、どんな言葉とセットになるかを知っておくと、一気に使いやすくなります。
ここでは、よく出てくるパターンをミニ表で整理しておきましょう 😊
| 🧩 区分 | 型(パターン) | よくある英語例 | 意味のイメージ | 主な場面 |
|---|---|---|---|---|
| 🕒 時刻 |
by + 時刻
|
例:by five(5時までに)例: by 7 p.m.(夜7時までに)
|
締め切り 「その時間より前ならOK」 |
宿題・仕事の提出時間、 集合時間、門限など |
| 📅 日・日付 |
by + 曜日 / 日付
|
例:by Monday(月曜日までに)例: by tomorrow(明日までに)
|
期日 「その日までに終わればOK」 |
レポートの締め切り、 予約・申し込みの期日など |
| 🌅 時を表す名詞 |
by + 時を表す名詞
|
例:by noon(正午までに)例: by evening(夕方までに)
|
おおまかな期限 「その頃までには」 |
「午前中のうちに」「今日中に」など、 時間をざっくり区切るとき |
| ⏳ ~する時までに |
by the time + S + V
|
例:by the time I arrive(私が着くまでに) |
出来事が起こる前 「その瞬間より前に完了」 |
「〜が起こる前にやっておく」 というニュアンスを出したいとき |
| 📌 指示語とセット |
by then / by that time
|
例:by then(その時までに)例: by that time(その時までには)
|
文脈で決まる期限 |
直前の文や会話で すでに出てきた時間を指すとき |
人の脳は、具体例がセットになった「型」を見ると覚えやすくなります。
まずは上の表のうち、 「時刻」「日・日付」「時を表す名詞」の3つだけを意識して、
自分の予定を英語で言ってみるところから始めてみましょう。
小さな成功体験が増えるほど、「英語って言えることが増えてきた!」という実感がモチベーションになります ✨
時の期限を表す by の例文
I will send you the updated contract by five.
(5時までに更新した契約書をお送りします。)
語注: updated contract = 更新された契約書。send A B = AにBを送る。
型: S will V O by 時刻(〜までにOをVするつもりだ)。
使い分け: 「5時まで」は by five。「5時までずっと」は until five を使うことが多い。
We need your feedback by tomorrow.
(あなたからのフィードバックが、明日までに必要です。)
語注: feedback = 意見・感想・評価(ビジネスでよく使う表現)。
型: We need 名詞 by 時 で「〜までに〜が必要です」。
レジスター: ビジネスメール・社内連絡でよく使う、丁寧だがかしこまりすぎない表現。
I cannot finish this report by five.
(このレポートを5時までに終えることはできません。)
語注: report = 報告書。cannot = できない。
型: S cannot V O by 時刻 で「〜までに〜することはできない」。
よくある誤り: 「5時までは終わらない」を *until five としてしまうと、「5時までずっと終わらない」という少し不自然な響きになることがある。
We will not be able to answer all questions by tomorrow.
(私たちは明日までにすべての質問に答えることはできないでしょう。)
語注: be able to = 〜することができる。all questions = すべての質問。
型: S will not be able to V O by 時 で「〜までにVすることはできないだろう」。
レジスター: できない理由を説明するときの、ビジネスでよく使う丁寧な否定表現。
If he has not replied by noon, please call him.
(もし彼が正午までに返信してこなければ、彼に電話してください。)
語注: reply = 返信する。by noon = 正午までに。
型: If S has not Vpp by 時, 命令文 で「〜までに…していなければ、〜しなさい」。
コロケーション: reply to an email のように、reply には通常 to が続く点にも注意。
Will you be home by the time the meeting finishes?
(会議が終わるまでには家に帰っていますか。)
語注: be home = 家にいる。meeting finishes = 会議が終わる。
型: Will S be ... by the time S V? で「〜が起こるまでに…しているか」。
使い分け: when は単に「〜する時」、by the time は「その時までに終わっているか」に焦点がある。
Can we finish this task by noon?
(この作業を正午までに終えられますか。)
語注: task = 作業・仕事。finish = 終える。
型: Can we V O by 時? で「〜までに〜できますか」。会議でよく使う聞き方。
よくある誤り: *Can we finish until noon? とすると、「正午までずっと終え続ける」という不自然な意味になってしまう。
Will you have finished the report by five?
(5時までにそのレポートを終えていると思いますか。)
語注: will have finished = その時までには終えているだろう(未来完了)。
型: Will S have Vpp O by 時? で「〜までに〜し終えているかどうか」をたずねる形。
レジスター: 少しかための表現だが、納期の確認などビジネスシーンでよく使われる。
The error will be fixed by tomorrow.
(そのエラーは明日までには修正される予定です。)
語注: error = エラー・誤り。fix = 直す・修正する。
型: S will be Vpp by 時(受動態)で「〜は〜までにVされる」。
コロケーション: ITの文脈では、bug / issue / error + be fixed がよく使われる組み合わせ。
The report will have been printed by the time the client arrives.
(顧客が到着するまでには、その報告書は印刷し終わっているでしょう。)
語注: client = 顧客。print = 印刷する。
型: S will have been Vpp by the time S V で「〜がVするまでには、SはVされ終わっている」。
レジスター: 少し高度な表現だが、プロジェクトの段取りを説明するときに自然に使われる言い方。
By noon, we will be driving to the airport.
(正午までには、私たちは空港へ向かって車を走らせているでしょう。)
語注: drive to = 〜へ車で向かう。airport = 空港。
型: By 時, S will be V-ing で「〜までには、SはVしている途中だろう」。
ポイント: 未来進行形は、その時点でちょうど行っている動作をイメージさせる表現。
Please be at the office by five.
(5時までにオフィスにいてください。)
語注: be at the office = オフィスにいる。
型: Please be at 場所 by 時 で、丁寧な依頼の命令文。
レジスター: 上司・同僚への依頼など、ビジネスシーンで広く使える表現。
Please text me by tonight.
(今夜までにメッセージを送ってね。)
語注: text = スマホなどでメッセージを送る。by tonight = 今夜までに。
型: Please V me by 時 で「〜までに私にVしてね」という、やわらかいお願い。
ポイント: 恋人や大切な人に「ちゃんと連絡してね」という気持ちを、時間の約束とセットで伝えられる表現。
All documents must be ready by Monday.
(すべての書類を月曜日までに準備しておかなければなりません。)
語注: document = 書類。must be ready = 準備されていなければならない。
型: All 名詞 must be 形容詞 by 日 で「〜までに全部〜しておかなければならない」。
よくある誤り: *by until Monday や *to Monday とは言わない。期限は by で表す。
⏰ by と until のちがいを一瞬で整理しよう
前置詞 by と until は、日本語だとどちらも「〜まで」と訳されるので、とても混同しやすいペアです。
しかし、英語では
by = ゴールの点 / until = 続いている線
というイメージのちがいがあります。
1) by = ゴールの「点」までに終わる
by + 時 は「その時点より前に終わる」という締め切りのイメージです。
Now ────── ✅(完了)─────★ five
↑
by five
上の図では、★five が「5時の点」です。by five は、
5時より前ならどこで終わってもOK
という感覚です。
例文: by を使った文
I have to finish this slide by five.
(このスライドを5時までに仕上げないといけません。)
・語注: finish = 終わらせる。slide = プレゼンのスライド。
・5時より前に終わっていればよいので、「4時でも4時半でもOK」というイメージです。
2) until = その時までずっと続く「線」
until + 時 は、「その時点までずっと続いて、そこで終わる」という継続のイメージです。
Now ───▮▮▮▮▮▮▮▮▮★ five
↑
until five
上の図では、▮が「行動が続いている部分」です。until five は、
5時まではずっとその状態が続く
という意味になります。
例文: until を使った文
I have to stay at the office until five.
(私は5時までオフィスにいなければなりません。)
・語注: stay = とどまる・いる。office = 会社・事務所。
・5時になるまでは、ずっとオフィスから離れないイメージです。
まとめると、 by = ゴールの点(締め切り)、 until = 続いている線(継続) と覚えておくと、テストでも会話でも迷いにくくなります。
心理学では、似ているものの「違い」をセットで覚えると記憶に残りやすいと言われます。 by と until をペアでイメージしておくと、あとで思い出すときに頭の中で自然と整理されます。
小さなチェックで理解を定着させよう
「時の期限を表す by」のイメージを、ここで一度だけサッと確認しておきましょう。
すべて頭の中で考えるだけでOKです。書く時間があればメモに書いてみると、さらに定着しやすくなります。
1. ミニ確認クイズ(頭の中で英作文)
それぞれの日本語を、by + 時 を使って英語にしてみましょう。
まずは3つのうち1つだけでもOKです。
-
「6時までに家に帰る」
ヒント:get home= 家に着く(家に帰る)。 -
「10時までにメッセージするね」
ヒント:textやmessageを動詞として使うと便利です。 -
「金曜日までにこの仕事を終えるつもりだ」
ヒント: 「〜するつもりだ」はwillやam going toで表せます。
すぐに完璧な英作文を目指さなくて大丈夫です。 「by を入れてみる」ことだけ意識してみましょう。
2. ヒント例と学習のコツ
ヒント例(1つ目の答えの一例)
I will get home by six.
(6時までに家に帰ります。)
語注: get home = 家に着く・帰り着く。by six = 6時までに(6時より前ならOK)。
型: S will get home by 時 で「〜までに家に帰る」。他の人称でも同じ形で使えます。
学習の心理学では、問題を見て 「まず自分で少し考えてみる」 ことを「能動的な想起(アクティブ・リコール)」と呼びます。
- ただ読むだけよりも、覚えているかを自分で確かめる方が記憶に残りやすい。
- 1問につき30秒でも、「思い出そうとする時間」を作ると定着率が上がる。
- 少し難しいくらいの方が、かえって脳が本気を出して覚えようとする。
「時間の by はだいたい分かってきたかも」と感じられたら、それは大きな一歩です。
次は、場所を表す by(by the door / by the sea など) に進んで、
同じ前置詞が「空間のそば」にも広がっていく感覚をつかんでいきましょう。
2. 場所を表す by
前置詞 by が「場所」といっしょに使われるときは、
「〜のそばに」「〜の横で」「〜のかたわらに」といった
“そば感” を表します。
by the door(ドアのそばで)や by the sea(海辺で)、
by me(私のそばで)など、
日常会話や物語の描写・歌詞にもよく出てくる大事な用法です。
「ピッタリくっつく」というより、 「かなり近いあたり」 をふんわり指すイメージをもてると、意味がとてもつかみやすくなります。
Lesson 094 / Section 2場所の by は「そばにいる」「横にある」のイメージ
場所の by を一言でいうと、
「何かのそば・横・かたわらにいる/ある」
というイメージです。
例えば次のような日本語を思い浮かべてみてください。
- ドアのそばに人が立っている。
- 窓ぎわの席に座る。
- 海辺に小さな家が建っている。
- 友だちのそばに座る。
これらは英語ではそれぞれ、
by the door / by the window /
by the sea / by my friend のように、
「by + 場所(人・物)」
で表現できます。
She is waiting by the door.
(彼女はドアのそばで待っています。)
語注: wait = 待つ。door = ドア。
型: S be V-ing by the 場所 で「〜はその場所のそばでVしている」。
イメージ: ドアにベタッとくっついているというより、「ドアの近くのエリア」に立っている感覚です。
人の記憶は、「ただ単語を覚える」よりも 情景が思い浮かぶフレーズの方が残りやすいと言われています。
「駅のそばのカフェ」「海辺のホテル」「あなたのそばにいる」など、 自分の好きなシーンを思い浮かべながら
by + 場所 の組み合わせを作ってみると、
場所の by がぐっと印象に残ります。
📍 場所の by のコアイメージと位置関係
場所を表す by のコアイメージは、
「物や人のすぐ近くに、そっと寄り添っている」
という感覚です。
「ぴったり接している」より少しゆとりを持った「そば・横」のイメージで考えると分かりやすくなります。
1) by the door / by the window
by the door は
「ドアのすぐそばで」
という意味です。
[ 壁 ] [door] ● 人
↑ ↑ ↑
壁 ドア そばに立つ
ドアに体をくっつけているわけではなく、 ドアの近くのエリアにいるイメージです。
He is standing by the window.
(彼は窓のそばに立っています。)
2) by the sea / by the river
by the sea は
「海辺に・海のそばに」
という意味です。
house shore sea
□ ▓▓▓▓▓ ~~~~~
← by the sea →
家が海に浮かんでいるわけではなく、 「海とセットで思い浮かぶ場所」にあるイメージです。
They have a small house by the sea.
(彼らは海辺に小さな家を持っています。)
3) by me / by your side
by me, by your side は、
「あなたのそばで」
という意味です。
● ●
you friend
friend is by you
物理的な「そば」に加えて、 心の支え・味方でいる というニュアンスもこめられることがあります。
I will always be by your side.
(いつもあなたのそばにいるよ。)
場所の by は、
「何かの近くに寄り添う」
というイメージさえ頭に入っていれば、あとは「何のそばなのか」を入れ替えていくだけです。
心理学の研究では、言葉といっしょに
「位置」や「関係」をイメージすると、記憶に残りやすいとされています。
図やシーンを思い浮かべながら、
by the door / by the sea / by your side
のようなフレーズを声に出してみると、
場所の by が自然と自分のものになっていきます。
📌 場所の by を「型(パターン)」で整理しよう
場所を表す by は、「何のそばにいる/あるのか」 を表す前置詞です。
どんな名詞と組み合わせるか(ドア・窓・海・人・駅など)を「型」で覚えておくと、すぐに自分の文に使えるようになります。
| 区分 | 型(パターン) | 英語の代表例 | 意味のイメージ | よく使う場面 |
|---|---|---|---|---|
| 🚪 家具・建物の一部 |
by + the + 物例: door / window / table
|
例:by the door(ドアのそばで)例: by the window(窓ぎわで)
|
すぐ近く
その物の周りのエリア
ドアや窓の「真横」ではなく、
その近く一帯をイメージ。 |
人の立ち位置・座る場所を説明するとき。 「ドアのそばで待っていて」「窓ぎわの席が好き」など。 |
| 🌊 自然のそば |
by + the + 自然例: sea / river / lake / park
|
例:by the sea(海辺で)例: by the river(川べりで)
|
海・川の近く
景色とセットで思い出す場所
海や川から少し離れていても、
「海のそば」「川のそば」 と感じる範囲。 |
旅行・風景描写・自己紹介。 「海のそばに住んでいます」「公園のそばのカフェ」など。 |
| 👥 人のそば |
by + 人 / 代名詞例: by me / by you / by her
|
例:sit by me(私のそばに座って)例: stand by her(彼女のそばに立つ)
|
隣・すぐそば
物理的な距離の近さ
イス1つ分くらいの距離感。
「横に」「すぐそばに」というイメージ。 |
友だち・家族との会話。 「ここ、私のそばに座りなよ」「彼のそばにいてあげて」など。 |
| ❤️ 心のそば・味方 |
by + one's side例: by your side
|
例:be by your side(あなたのそばにいる)例: stay by my side(私のそばにいて)
|
精神的な支え
物理+心理の「そば」
「物理的に近い」だけでなく、
味方でいる・支える という意味をこめやすい。 |
恋愛・友情・家族のシーン。 歌詞やドラマでもよく出てくる「そばにいるよ」の定番表現。 |
| 🗺️ 目印のそば |
by + the + 場所名例: station / school / road
|
例:by the station(駅のそばで)例: by the main road(大通りのそばで)
|
目印の近く
地図上での「このあたり」
駅や通りを目印にして、
その周辺エリア を指すイメージ。 |
道案内・店の場所説明。 「駅のそばのカフェ」「学校のそばに住んでいます」など。 |
まずは上の表のうち、 「ドア・窓」「海・川」「人のそば」 の3パターンだけを意識して、実際に自分の生活に当てはめてみましょう。
例: 「自分の部屋」「よく行く公園」「仲の良い友だち」を思い浮かべて、
by the door / by the park / by my friend
のようにフレーズを作ると、場所の by が「自分の英語」になっていきます。
場所を表す by の例文
She is reading a book by the window.
(彼女は窓ぎわで本を読んでいます。)
語注: read = 読む。window = 窓。
型: S be V-ing by the 場所 で「〜はその場所のそばでVしている」。
使い分け: 「窓そのもの」ではなく、「窓の近くの席・場所」というイメージで考えると自然です。
Our receptionist sits by the door to welcome guests.
(受付の人は、来客を迎えるためにドアのそばに座っています。)
語注: receptionist = 受付の人。guest = 客・来客。
型: S V by the 場所 to V で「〜するために、その場所のそばにいる」。
レジスター: オフィスやホテルなど、ビジネスシーンの説明でよく使う落ち着いた表現です。
I do not like sitting by the window on cold days.
(寒い日には、窓ぎわに座るのが好きではありません。)
語注: cold days = 寒い日。like = 好きだ。
型: I do not like V-ing by the 場所 で「〜のそばでVするのが好きではない」。
使い分け: do not like を don't like にすると、さらにくだけた口語表現になります。
Who is standing by the door?
(ドアのそばに立っているのは誰ですか。)
語注: stand = 立つ。who = 誰。
型: Who is V-ing by the 場所? で「〜のそばでVしているのは誰ですか」。
よくある誤り: *Who standing by the door? のように is を抜かないよう注意。
When you arrive, please wait by the reception desk on the left.
(到着したら、左手の受付カウンターのそばでお待ちください。)
語注: arrive = 到着する。reception desk = 受付カウンター。
型: When S V, please V by the 場所 で「SがVしたら、その場所のそばで〜してください」。
レジスター: 案内メールや受付の指示など、丁寧なビジネス表現としてよく使われます。
The samples are kept by the entrance for visitors.
(見本品は来訪者のために入口のそばに置いてあります。)
語注: sample = 見本。entrance = 入口。keep = 保管する・置いておく。
型: S are Vpp by the 場所(受動態)で「Sはその場所のそばにVされている」。
コロケーション: products / brochures / samples + are kept by the entrance のような組み合わせでよく使われます。
I have lived by the sea for ten years.
(私は10年間、海のそばに住んでいます。)
語注: live = 住む。for ten years = 10年間ずっと。
型: have lived by the 場所 for 期間 で「その場所のそばに〜年間住んでいる」。
ポイント: 現在完了形で「昔から今まで続いている」というニュアンスを出しています。
We have never stayed by the sea in winter.
(私たちは冬に海辺に泊まったことが一度もありません。)
語注: stay = 泊まる・滞在する。never = 一度も〜ない。
型: have never Vpp by the 場所 で「その場所のそばに〜したことが一度もない」。
使い分け: by the sea は「海辺に」、on the sea は「海の上に(船など)」という違いがあります。
The bikes are stored by the back door at night.
(自転車は夜は裏口のそばにしまってあります。)
語注: store = 保管する。back door = 裏口。at night = 夜に。
型: S are Vpp by the 場所 の受動態で、「Sはその場所のそばに保管されている」。
バリエーション: The bags are stored by the door. など、物を入れ替えて使えます。
No matter what happens, I will stay by your side.
(何があっても、私はあなたのそばにいます。)
語注: no matter what happens = 何が起こっても。stay = とどまる。
型: No matter what happens, S will stay by your side で「何があっても、Sはあなたのそばにいる」。
ポイント: 物理的な「そば」だけでなく、「味方でいる・支えになる」という気持ちを強く伝える表現です。
Is there a bank by the station?
(駅のそばに銀行はありますか。)
語注: bank = 銀行。station = 駅。
型: Is there a 名詞 by the 場所? で「その場所のそばに〜はありますか」。
使い分け: 「駅の近くに」は near the station でも言えますが、by の方が「かなり駅にくっついた場所」のイメージが強くなります。
Do you not want to sit by the window?
(窓ぎわに座りたくないのですか。)
語注: want to sit = 座りたい。do you not = 〜したくないのですか(少しかしこまった言い方)。
型: Do you not want to V by the 場所? で、相手の気持ちをたずねる否定疑問文。
バリエーション: 口語では Don't you want to sit by the window? のように短縮形をよく使います。
Come and sit by me.
(こっちに来て、私のそばに座って。)
語注: come = 来る。sit = 座る。by me = 私のそばに。
型: Come and V by 人 で「来て、人のそばでVして」。
レジスター: 友だちや家族など、親しい相手にかけるやわらかい呼びかけ表現です。
The cafe by the station is always crowded.
(駅のそばのそのカフェは、いつも混んでいます。)
語注: crowded = 混んでいる。cafe = カフェ。
型: 名詞 by the 場所 で「その場所のそばにある〜」を1語の形容詞のように前から説明できる。
ポイント: 「駅のそばにあるどのカフェか」が分かるように、The cafe by the station と前置詞句で名詞を詳しくしています。
🚪 「ドアのそば」を英語で言い分けよう:by / near / next to / beside / at
場所を表すとき、by だけでなく near / next to / beside / at も
「〜のそば」っぽい意味で使われます。ただし、
距離感やイメージが少しずつ違う ので、ざっくり整理しておくと迷わなくなります。
| 前置詞 | ざっくりイメージ | 距離感 | 代表例 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|---|
by
|
物のすぐそばに、 軽く寄り添っている感じ |
かなり近い |
by the door(ドアのそばで)by the window(窓ぎわで)
|
「その物とセットで思い浮かぶ場所」。 ぴったりくっついていなくてもOK。 |
near
|
「そのあたりに」「その近くに」 範囲が広めの近さ |
わりと近い |
near the station(駅の近くで)
|
具体的な「ぴったり位置」までは言わない。 地図上の「この辺り」のイメージ。 |
next to
|
ほぼぴったり隣に並んでいる感じ | 超近い(密着) |
next to the door(ドアのすぐ横で)
|
間にほとんど何もない「すぐ隣」。 日常会話でとてもよく使う。 |
beside
|
「横に」「そばに」 next to に近いが、やや書き言葉寄り |
超近い(横) |
beside the bed(ベッドの横で)
|
next to に比べて、 描写文・文章で少し固めに使われることが多い。 |
at
|
「その地点に」「その場所で」 ポイント(点)を示す |
点としての場所 |
at the door(ドアの所で)at the station(駅で)
|
場所の「点」を指すイメージ。 インターホンの前、改札の前など一点を意識。 |
同じ「ドア」を使ったときのニュアンスの違い
どれも日本語では「ドアのそば」と訳せますが、英語では少しずつイメージが違います。 ざっくりで良いので、「どれくらい近いか」に注目して読み比べてみてください。
He is waiting by the door.
(彼はドアのそばで待っています。)
He is standing near the door.
(彼はドアの近くに立っています。)
He is standing next to the door.
(彼はドアのすぐ横に立っています。)
He is standing beside the door.
(彼はドアの横に立っています。)
He is at the door.
(彼はドアのところにいます。)
心理学の研究では、「似ているものを並べて違いを比べる」学習法は、 記憶を整理して長く覚えるのに役立つと言われています。
- by は「そばに寄り添う」イメージ(海辺の家、ドアのそば、誰かのそば)。
- near は「この辺りにある」くらいの、ゆるい近さ。
- next to / beside は「ほぼピッタリ横」にある超近距離。
- at は「その地点にいる」という点のイメージ。
最初から全部完璧に使い分けようとしなくて大丈夫です。 まずは by = 「かなり近いそば」 という軸だけしっかり持ち、 「もっとふわっと言いたいときは near」「ピタッと隣なら next to / beside」と、 すこしずつバリエーションを足していくと、自然な英語表現がどんどん増えていきます。
✅ ミニ確認 & 次のステップ(場所の by から、経路・手段の by へ)
1分チェック:「場所の by」はここまででOK?
次のセクションへ進む前に、「場所を表す by」のイメージがつかめているかをサッと確認してみましょう。
-
Q1
「by + 場所 = その場所のすぐそば」というイメージで、
by the window/by the doorなどを思い浮かべられますか? -
Q2
near/next to/beside/atと比べて、
「by はかなり近いそば」という違いをざっくり説明できますか? -
Q3
会話や文章で、
「人・物の位置」を言うときにbyを選ぶ場面が少しイメージできますか?
3つのうち 2つ以上「まあ分かるかも」 と感じたら、このセクションのゴールは十分クリアです。
もし「まだモヤモヤするな…」と思ったら、例文カードと near / next to / beside / at の比較ボックスをもう一度ながめてみると、ぐっと定着しやすくなります。
学びをつなげるモチベーションゾーン
心理学では、「小さなできた!」を自分で認めることが、 学習を長く続けるエネルギーになると言われています。
by で言えるようになる(今ここまで到達!)
by で表現できるようにする(次のセクション)
次のセクションのメインテーマ:経路や手段を表す by
たとえば、次のような表現を扱っていきます。
by bus / by train / by air(バスで/電車で/飛行機で)by way of Paris(パリ経由で)by the freeway(高速道路を通って)
「そば」のイメージに、「道すじ」や「手段」の感覚が加わると、 旅行やビジネスの場面で使える表現が一気に増えます。
よし、場所の by は一度ここで区切りにして、次のステップへ進んでみましょう。
次のセクション「経路や手段の by」へ進む3. 経路や手段を表す by
前置詞 by は、「どの道を通って」「どんな手段で」 という
経路・方法も表せます。
by bus(バスで)、by train(電車で)、
by the freeway(高速道路を通って)、
by email(メールで)、by hand(手で)など、
旅行・仕事・日常会話でとてもよく使う重要な使い方です。
セクション1・2で学んだ「時間の by」「場所の by」に続いて、ここでは
「How 〜?(どうやって?)」
という質問に答える by をまとめてマスターしていきます。
経路・手段としての by をつかむ
「場所の by」は「〜のそばに」のイメージでしたが、
今度は 「どのルートで?」「どんな方法で?」 という
動きの流れ に注目します。
日本語では次のような表現によく対応します。
- 移動手段:バスで行く/電車で来る/飛行機で旅行する
- 経路・ルート:高速道路を通って/パリ経由で
- 連絡手段:メールで連絡する/電話で知らせる
- 方法・やり方:手で作る/機械で作る
これらは英語では、次のように by + 名詞 で表します。
We usually go to school by bus.
(私たちはふだん、バスで学校に行きます。)
語注: usually = ふだんは。go to school = 学校へ行く。
型: go to 場所 by 乗り物 で「〜へ、〜で行く」。
ポイント: by bus のように「乗り物の種類」を言うときは by を使うのが基本です。
Please contact me by email if you have any questions.
(何か質問があれば、メールでご連絡ください。)
語注: contact = 連絡する。any questions = 何か質問。
型: Please contact me by 手段 で「〜で私に連絡してください」。
レジスター: ビジネスメールでもそのまま使える、丁寧でよく見る定番表現です。
経路・手段の by は、
「出発点から目的地までをつなぐ見えない線」 に名前をつけてあげるイメージです。
by bus= バスという手段に乗って進む線by the freeway= 高速道路という道に沿って進む線by email= メールという情報の通り道を通る線by hand= 手仕事という方法を通って形になる線
学習の心理学では、「同じ意味グループの表現をまとめて覚える」と、 バラバラに覚えるよりも思い出しやすくなると言われています。 ここでは 「How 〜? に答える by」 をひとまとめにして身につけて、 旅行・仕事・日常会話でスムーズに使えるようにしていきましょう。
🛣️ 経路・手段の by のコアイメージとルート図解
経路・手段を表す by は、
「出発点から目的地までの、見えないルートや方法に名前をつけている」
イメージです。
日本語の「〜を通って」「〜経由で」「〜で(行く・連絡する)」「〜で作る」にあたります。
ここでは、 移動のルート と 連絡・作業の手段 に分けて、視覚的にイメージをつかんでみましょう。
1) 移動のルートとしての by
「どの道を通って行くか」を表す by です。
日本語の「高速道路を通って」「パリ経由で」にあたります。
He came by the freeway.
home --------- [ freeway ] --------- office
↑
by the freeway = 高速道路を通って
I went to London by way of Paris.
home → Paris → London
↑
by way of Paris = パリ経由で
He came by the freeway this morning.
(彼は今朝、高速道路を通ってやって来ました。)
語注: freeway = 高速道路。this morning = 今朝。
型: come / go / travel + by the 道 で「その道を通って来る・行く・旅行する」。
ポイント: 「どのルートを通ったか」に焦点があるときに by を使います。
2) 連絡・作業の「手段」としての by
「どんな手段・やり方で」を表す by です。
日本語の「メールで」「手で」「機械で」にあたります。
Please contact me by email.
you =======[ email ]======> me
↑
by email = メールで
This sweater is made by hand.
yarn ---[ hand work ]---> sweater
↑
by hand = 手で(手作業で)
The report was sent by email yesterday.
(その報告書は昨日、メールで送られました。)
語注: report = 報告書。send = 送る。yesterday = 昨日。
型: S be Vpp by 手段 で「S はその手段で V された」(受動態)。
ポイント: 「何で送られたのか」という手段を言うときに by を使います。
まとめると、経路・手段の by は、
「How 〜?(どうやって?)」という質問に答える前置詞 と考えると覚えやすくなります。
How did you come here?→I came here by train.How will you contact me?→I will contact you by email.How was it made?→It was made by hand.
学習の心理学では、「ひとつの質問(ここでは How)」に対して
いろいろな答え方をまとめて練習すると、記憶のネットワークが強くなると言われています。
まずは by bus / by train / by email / by hand だけでも良いので、
声に出して何度か練習してみましょう。
📌 経路・手段の by を「型(パターン)」で整理しよう
経路・手段を表す by は、
「by + 名詞」 の形で覚えると、とても使いやすくなります。
下の表では、よく使うパターンを「移動手段」「ルート」「連絡手段」「方法」の4つに分けて整理しています。
| 区分 | 型(パターン) | 代表表現 | 意味のイメージ | よく使う場面 |
|---|---|---|---|---|
| 🚍 移動手段 |
go / come / travel + by + 交通手段例: bus / train / car / taxi / bike / air
|
例:We go to school by bus.例: She came here by train.
|
「何で」移動したか
乗り物の種類を言う
バス・電車・車・飛行機など、
移動の手段そのもの
を表す。
|
通学・通勤・旅行・出張など「移動」の話。 自己紹介(通学・通勤方法)でもよく使う。 |
| 🛣️ 経路・ルート |
go / come / travel + by + 道例: road / freeway / highwaygo to 場所 by way of 地名
|
例:He came by the freeway.例: I went to London by way of Paris.
|
どのルートを通ったか
経由地・道すじ
高速道路・大通り・別の都市など、
「通り道」 に焦点がある。 |
旅行・出張の説明、道案内。 「どの道で来たか」「どこ経由か」を伝えるとき。 |
| ✉️ 連絡手段 |
contact / reach / inform + 人 + by + 手段例: email / phone / letter / messageS be sent by 手段
|
例:Please contact me by email.例: The file was sent by email.
|
情報の「通り道」
どの方法で連絡するか
メール・電話・手紙など、
情報が通るルートに名前をつけているイメージ。 |
ビジネスメール・連絡のお願い・予約確認など。 実務でとてもよく使う。 |
| 🛠️ 方法・やり方 |
be made / done / paid + by + 方法例: hand / machine / card
|
例:This sweater is made by hand.例: You can pay by card.
|
「どんなやり方で」
手作業・機械・カードなど
手作業なのか、機械なのか、カードなのか、
手段そのもの を表す。 |
商品説明・支払いの説明・作業手順の説明など。 ネットショッピングや店舗での会話でも役立つ。 |
まずはこの表の中から、
by bus / by train / by email / by hand
の4つだけをしっかり口に出して覚えてしまうのがおすすめです。
学習のコツは、「自分の生活」に当てはめて文を作ること。
たとえば「私は〜で学校に行きます」「私は〜であなたに連絡します」「これは〜で作られています」の3パターンを、
自分の通学・仕事・趣味に合わせて作ってみると、by の「経路・手段」の感覚がぐっと自分のものになります。
経路・手段としての by の例文
I go to the city center by bus on rainy days.
(雨の日は、バスで街の中心に行きます。)
語注: city center = 街の中心。rainy days = 雨の日。
型: go to 場所 by 交通手段 で「〜に、〜で行く」。
コツ: take the bus でも「バスで行く」だが、by bus は「手段」により注目した言い方。
We do not usually commute by train in this town.
(この町では、ふだん電車では通勤しません。)
語注: commute = 通勤する。usually = ふだんは。
型: commute by 交通手段 で「〜で通勤する」。
使い分け: by train は手段、「on the train は「電車の中で」という場所のイメージになる。
Did you come here by bus or by taxi?
(ここへはバスで来たのですか、それともタクシーですか。)
語注: come here = ここへ来る。taxi = タクシー。
型: Did you come here by A or by B? で「Aで来た?それともBで来た?」。
コロケーション: come here と by bus / by taxi は会話でとてもよく一緒に使われる組み合わせ。
Please send me the updated file by email tonight.
(今夜、その更新されたファイルをメールで送ってください。)
語注: updated file = 更新されたファイル。tonight = 今夜。
型: Please send me 名詞 by 手段 で「その名詞を〜で送ってください」。
レジスター: ビジネスメールでもそのまま使える丁寧な依頼表現。
Each bracelet is made by hand in our studio.
(それぞれのブレスレットは、工房で手作業で作られています。)
語注: bracelet = ブレスレット。studio = 工房・スタジオ。
型: S is made by 方法 で「S は〜で作られている」。受動態 + 手段の by。
ポイント: by hand は「手で、手作業で」という決まり表現で、商品紹介などでもよく使われる。
We are traveling to Osaka by train this weekend.
(私たちは今週末、電車で大阪へ旅行に行きます。)
語注: travel = 旅行する。this weekend = 今週末。
型: be traveling to 場所 by 交通手段 で「〜に、〜で旅行しているところだ/行く予定だ」。
レジスター: 友だちとの会話でも、旅行計画のメールでもそのまま使える自然な表現。
I have often gone home by bus after midnight.
(真夜中を過ぎてから、バスで家に帰ったことがよくあります。)
語注: often = よく。after midnight = 深夜0時以降。
型: have gone home by 交通手段 で「今まで〜で家に帰ったことがある」という経験の現在完了。
ポイント: 「よくある行動パターン」を話すときにも、by bus のような手段の表現はよく使う。
You cannot enter the park by car after 9 p.m.
(午後9時以降は、車で公園に入ることはできません。)
語注: enter = 入る。park = 公園。after 9 p.m. = 午後9時以降。
型: cannot enter 場所 by 交通手段 で「その手段ではその場所に入れない」というルールを表す。
よくある誤り: × You cannot enter to the park by car. のように enter の後に to は不要。
Can I contact you by email while you are abroad?
(あなたが海外にいる間、メールで連絡してもよいですか。)
語注: abroad = 海外で。contact = 連絡を取る。
型: Can I contact you by 手段 ... ? で「〜で連絡してよいですか」と丁寧にたずねる形。
レジスター: 仕事相手にも友人にも使える、堅すぎず丁寧な聞き方。
The samples will be delivered by courier tomorrow morning.
(そのサンプルは、明日の朝に宅配便で届けられる予定です。)
語注: sample = サンプル。deliver = 配達する。courier = 宅配便。
型: S will be delivered by 手段 で「S は〜で届けられる予定だ」という未来の受動態。
コロケーション: ビジネスで delivered by courier はよく使われる決まり文句。
He drove to the airport by the river road to avoid traffic.
(彼は渋滞を避けるために、川沿いの道を通って空港まで車で行きました。)
語注: drive = 車で行く。traffic = 交通渋滞。
型: drive to 場所 by the 道 で「その道を通って車で〜へ行く」。
ポイント: by the river road のように、具体的な道の名前や特徴を入れると、情景がはっきり伝わる。
The taxi is going by a narrow side street because the main road is closed.
(タクシーは、幹線道路が通行止めなので、細い裏道を通っています。)
語注: narrow = 狭い。side street = 裏道。closed = 閉鎖されている。
型: is going by 道 ... because ... で「〜という理由で、その道を通って進んでいる」。
構文メモ: because 以下が理由を説明する節で、「なぜそのルートなのか」を後ろで説明している。
We fell in love at college and kept in touch by email when she was studying abroad.
(私たちは大学で恋に落ちて、彼女が留学している間もメールで連絡を取り合っていました。)
語注: fall in love = 恋に落ちる。keep in touch = 連絡を取り続ける。abroad = 海外で。
型: kept in touch by 手段 で「〜という手段で連絡を取り合っていた」。
ポイント: 思い出話や恋愛のエピソードでも、by email のような「手段」を入れると、関係の距離感が伝わりやすい。
Why did you not come by train this time?
(今回はどうして電車で来なかったのですか。)
語注: this time = 今回。
型: Why did you not come by 手段 ... ? で「なぜその手段で来なかったの?」と理由をたずねる疑問文。
使い分け: 口語では Why didn't you come ... ? と短縮形もよく使う。
This cake was baked by hand in a small bakery that my friend owns.
(このケーキは、友人が経営している小さなパン屋で手作りで焼かれました。)
語注: bake = 焼く。bakery = パン屋。own = 所有している。
型: S was baked by 方法 in 場所 で「S は〜で、〜で焼かれた」。
構文メモ: that my friend owns は bakery を説明する関係節で、「友人が経営しているパン屋」という意味になる。
Please pay by card, or by bank transfer if you prefer.
(お支払いはカードでお願いします。ご希望であれば銀行振込でもかまいません。)
語注: pay = 支払う。card = カード。bank transfer = 銀行振込。prefer = より好む。
型: Please pay by 方法, or by 別の方法 ... で「〜で支払いください。あるいは〜でも大丈夫です」と支払い方法を示す。
レジスター: 請求書や案内文など、ビジネス文書でも使いやすい丁寧な表現。
🚍 「どうやって?」を表す by / in / on / with / via のミニ比較
交通手段や連絡手段を表すとき、by だけでなく
in / on / with / via もよく使われます。
ここでは、「まずはここを押さえておけばOK」というポイントだけを、コンパクトに整理しておきましょう。
| 表現 | 意味のフォーカス | 代表例 | ざっくりイメージ |
|---|---|---|---|
基準
by + 交通手段
|
手段そのもの 「何で移動したか」にフォーカス |
例:We came here by bus.例: She travels by train.
|
「バスという手段で」「電車という手段で」。 How did you come? → by bus / by train で答えるイメージ。
|
場所寄り
in / on + 乗り物
|
どこにいるか 「中か上か」にフォーカス |
例:We are in the car.例: He is on the bus.
|
in = 中のイメージ(in the car)on = 上・床のイメージ(on the bus)「どこにいるか」を言うときに使うことが多い。 |
連絡手段
by / via + email
|
情報の通り道 「どのルートで情報が届くか」 |
例:Please contact me by email.例: We will send the details via email.
|
by email = いちばん普通・フラット。via email = ややフォーマル・IT寄り。まずは by email を優先して覚えれば十分。
|
道具
with + 道具
|
手に持つツール 「何を使って(手に持って)」 |
例:He cut the paper with scissors.例: She wrote it with a pen.
|
with は「手で持つ道具」と相性がよい。交通・連絡の「手段」は by、ハサミ・ペン・ナイフなどは with が基本。
|
| ざっくりまとめ |
|
||
はじめのうちは、交通や連絡の「手段」は全部 by ~ で言う と決めてしまってかまいません。
慣れてきたら、少しずつ in / on / with / via のニュアンスを足していきましょう。
学習の心理学では、「最初から完璧を目指さない」方が長続きしやすいと言われます。
まずは by bus / by train / by email が口からスッと出る状態をゴールにして、「細かい違いは後から上書きしていく」くらいの気持ちで大丈夫です。
✅ ミニ確認 & 次のステップ(経路・手段の by から「動作主の by」へ)
1分チェック:「経路・手段の by」はここまででOK?
次のセクション「動作主を表す by」に進む前に、ここで学んだ 「How 〜? に答える by」 がイメージできているか、サッと確認してみましょう。
-
日本語を見て、とっさに
byを使った英語が思い浮かびますか?・私はいつもバスで学校に行きます。
・その書類はメールで送られました。
・彼らは飛行機でフランスへ向かっています。 -
byとin / onのざっくりした違いを説明できますか?
例:「手段」ならby、「どこにいるか」ならin / onなど。 -
あなたの生活に合わせて、
「通学・通勤の手段」「いつも使う連絡手段」を
by ~を使って 2〜3 文イメージできますか?
3つのうち 2つくらい「なんとなく言えそう」 なら、このセクションのコアは十分おさえられています。
もしまだ不安なら、上の表や例文カードをもう一度ながめて、
by bus / by train / by email / by hand だけでも声に出してみるのがおすすめです。
学びをつなげるモチベーションゾーン
ここまでで、「どの道を通って」「どんな手段で」 を表す by が見えてきました。
次のステップでは、いよいよ
「誰によってその行為が行われたか」 を表す by に進みます。
by(〜までに/〜のそばで)をおさえる
by(バスで/メールで/高速道路を通って)
by(She is loved by him. などの受動態)
次のテーマ:動作主を表す by(受動態とのセット)
たとえば、次のような表現とつながっていきます。
She is loved by everyone.(彼女はみんなに愛されている。)The movie was directed by a famous director.(その映画は有名な監督によって監督された。)The problem was solved by our team.(その問題は私たちのチームによって解決された。)
ここまで学んだ「手段の by」と同じく、
「〜によって」という大きな意味は共通。
ただし今度は「道や手段」ではなく、
「人・グループ=動作主」 に焦点を当てると考えるとスッと入ってきます。
学習の心理学では、「今ここまでできている自分」を認めることが、
次のレベルに進むエネルギーになると言われています。
「手段の by は前よりイメージできるようになった」と感じられたら、
次の「動作主の by」にもスムーズに入っていけます。
4. 動作主を表す by
ここからは、いちばん大切な by の使い方のひとつ、
「誰によってその動作が行われたか(動作主)」を表す by を学びます。
これは主に 受動態(be + 過去分詞)とセットで登場します。
例:She is loved by him.(彼によって愛されている → 彼に愛されている)
/ The problem was solved by our team.(私たちのチームによって解決された)
受動態の by を直感でつかもう
セクション3までの by は「手段・経路」(どうやって?)でしたね。
でもこのセクションの by は、
「誰がやったの?」(Who?)に答える by です。
受動態では、主語が「される側」に変わり、
by + 動作主(する側) が「誰がしたか」を教えてくれます。
能動文(する側が主語)
いつもの文。「誰がするか」を先に言う形。
- Everyone = する側(動作主)
- loves = 動作
- her = される側
受動文(される側が主語)
「何がどうなったか」を先に言う形。
する側は by で後ろに回ります。
- She = される側(主語)
- is loved = 受動態(be + Vpp)
- by everyone = する側(動作主)
コアイメージ:スポットライトを「される側」へ
受動態にすると、文のスポットライト(主語)が
「する側」→「される側」へ移動します。
by は、うしろから「実はこれをしたのは誰か」をそっと教えるラベルです。
能動文のイメージ
[する側] Everyone
↓ loves
[される側] her
「誰がするか」が前に出る。
受動文のイメージ
[される側] She
← is loved ←
[する側] by everyone
「何がどうなったか」を先に言い、
「誰がしたか」は by で後ろに足す。
by は、ニュースやビジネスでも頻出の「一生モノ表現」です。
まずは S be Vpp by 〜 を
“主語と by を入れ替えるパズル” だと思って、気楽に何度も見ていきましょう。
見るたびに、自然と読める・書けるようになりますよ。
📌 動作主を表す by の「型(パターン)」ミニ表
動作主の by は、受動態の文で
「誰によって(何によって)そうなったのか」を後ろから付け足すパーツです。
ここでは、よく出る形を「型」でまとめておきます。
まずは太字の型だけ覚えればOK!😊
| 区分 | 型(パターン) | 代表例(英→日) | ポイント |
|---|---|---|---|
| 基本 動作主=人 |
S be Vpp by + 人
「Sは(人)によってVされた」
|
例:
The cake was made by my mom.(そのケーキは母によって作られました。) |
いちばん王道。by + 人 が「する側(動作主)」。
|
| 感情 愛・評価 |
S be loved / admired / respected by + 人
「誰にそう思われているか」
|
例:
She is respected by her students.(彼女は生徒たちに尊敬されています。) |
人間関係や恋愛、人物紹介で超よく出ます。 「尊敬される/愛される」の相手を言う by。 |
| 制作 作品・商品 |
S be made / built / written / designed by + 人・会社
「誰(どの会社)が作ったか」
|
例:
This app was designed by a small team.(このアプリは小さなチームによって設計されました。) |
ニュース・ビジネス・商品紹介で頻出。 「作った人/組織」を出したいときの by。 |
| 原因 人以外もOK |
S be damaged / destroyed / affected by + 物・出来事
「何によってそうなったか(原因)」
|
例:
The town was damaged by the storm.(その町は嵐によって被害を受けました。) |
動作主=人だけじゃない! 自然・事故・出来事が「原因のby」になる。 |
| 応用 by が2回 |
S be Vpp by + 人 + by + 手段
「誰が・何で」の両方を言う
|
例:
The file was sent by Ken by email.(そのファイルはケンによってメールで送られました。) |
ふつうは手段だけでOKなことが多いけど、 「誰がやったかも言いたい」時は両方置ける。 |
| 省略 by なし |
S be Vpp(by + 動作主 省略)
「誰がしたかが重要でない/当たり前」
|
例:
English is spoken all over the world.(英語は世界中で話されています。) |
「誰が話してるか」はみんな分かるので by many people は言わないのが普通。
|
| 疑問 動作主を聞く |
Who was S Vpp by?
「誰にVされたの?」
|
例:
Who was this song written by?(この歌は誰によって書かれたの?) |
会話で自然なのはこの形。 ※ かたい文では By whom was ...? もある。
|
| まとめ |
|
||
まずは基本型を10回くらい見るだけで、脳が「この形はこう読む」と勝手に慣れてきます。
動作主を表す by の例文
This picture was drawn by my father when I was five.
(この絵は、私が5歳のとき父によって描かれました。)
語注: picture = 絵。drawn = 描かれた。
型: S was Vpp by 人(受動態)
ポイント: by my father が「描いた人=動作主」だよ。
The report was carefully checked by the manager before it was sent.
(その報告書は送られる前に、上司によって丁寧に確認されました。)
語注: report = 報告書。checked = 確認された。
型: S was Vpp by 人 before ...
レジスター: 仕事の説明でよく使う受動態+by。
The mural was painted by a famous artist in 2010.
(その壁画は2010年に有名な芸術家によって描かれました。)
語注: mural = 壁画。artist = 芸術家。
型: S was Vpp by 人
ポイント: 「誰が作った作品か」を言うときの by。
Three houses were damaged by the storm last night.
(昨夜、3軒の家が嵐によって壊されました。)
語注: house = 家。damaged = 被害を受けた。
型: S were Vpp by 物・出来事
ポイント: 人じゃなくて「原因」も by の後ろに置ける。
The new rule was not decided by the manager alone.
(その新しいルールは上司ひとりによって決められたわけではありません。)
語注: rule = ルール。decided = 決められた。alone = ひとりで。
型: S was not Vpp by 人
使い分け: 「誰の判断か」を否定するときも by を使う。
This song was not written by a famous artist; it was written by a local student.
(この曲は有名な芸術家によって書かれたのではなく、地元の学生が書きました。)
語注: song = 曲。local student = 地元の学生。
型: S was not Vpp by A; it was Vpp by B.
ポイント: by の後ろを変えると「作った人」の違いがはっきり出る。
The window was not broken by the storm; a ball hit it.
(その窓は嵐で割れたのではなく、ボールが当たって割れました。)
語注: window = 窓。broken = 壊された。
型: S was not Vpp by 原因
ポイント: 「原因ちがい」を言い直すときに便利。
Were these cookies made by my father or bought at the store?
(このクッキーは父が作ったのですか、それともお店で買ったのですか。)
語注: cookie = クッキー。store = お店。
型: Were S Vpp by 人 or ... ?
ポイント: 「誰が作ったか」をたずねる疑問文でも by が出る。
Who was this program designed by?
(このプログラムは誰によって設計されたのですか。)
語注: program = プログラム。designed = 設計された。
型: Who was S Vpp by?
レジスター: 会話で自然な「動作主を聞く」形。
Is the meeting being led by the manager right now?
(今この会議は上司によって進められているのですか。)
語注: meeting = 会議。being led = 進められている。
型: be being Vpp by 人(受動の進行形)
ポイント: 「今まさに〜されている最中」でも by を付けられる。
The project has been supported by a famous artist since April.
(そのプロジェクトは4月から有名な芸術家によって支援されてきました。)
語注: project = 企画。supported = 支援された。
型: have/has been Vpp by 人(受動の完了形)
ポイント: 「ずっと〜されてきた」と言うときも by を入れられる。
Please be interviewed by the manager at 3 p.m.
(午後3時に上司による面談を受けてください。)
語注: interview = 面談する・面接する。
型: Please be Vpp by 人(受動の命令)
レジスター: 案内や社内連絡で使える丁寧な指示。
I was charmed by you the first time we met.
(初めて会ったとき、私はあなたに心を奪われました。)
語注: charmed = うっとりさせられた・心を奪われた。
型: S was Vpp by 人
ポイント: 恋愛でも「相手が動作主」の by が自然に出てくる。
The emails are being answered by my father while I'm away.
(私が留守の間、メールは父によって返信されています。)
語注: email = メール。answered = 返信された。
型: are being Vpp by 人(受動の進行)
ポイント: 「今やってる最中の動作主」も by で言える。
The final decision will be made by the manager next week.
(最終決定は来週、上司によって下されます。)
語注: final decision = 最終決定。made = 下される。
型: will be Vpp by 人(受動の未来)
ポイント: 「誰が決める予定か」を言うのも動作主 by。
The old bridge was rebuilt by my father and his friends, so it's still standing.
(その古い橋は父と友人たちによって作り直されたので、今も立っています。)
語注: bridge = 橋。rebuilt = 作り直された。standing = 立っている。
型: S was Vpp by 人, so ...
ポイント: by の後ろに「する側」を足して理由も説明できる。
よくある誤り・曖昧ゾーン(動作主の by)
誤り 1:by を「場所の by」と混同する
The vase was broken near my brother.
「兄が壊した」とは言えない。
The vase was broken by my brother.
by + 人 が「壊した人(動作主)」を示す。
誤り 2:原因を with で言ってしまう
The window was broken with the storm.
The window was broken by the storm.
誤り 3:動作主は人だけだと思ってしまう
The town was destroyed by the flood.
flood(洪水)のような出来事も by の後ろに置ける。
曖昧ゾーン:by 人 と from 人 の違い
I got a letter from him.
The letter was written by him.
他の by 用法との接点ミニ比較
by はたくさん意味があるように見えますが、根っこは「〜によって/〜を起点に」という共通イメージです。 その役割が「誰が」「どうやって」「何が原因で」「どこで」へ分かれていきます。
| 種類 | 中心の質問 | 例 | 動作主 by との関係 |
|---|---|---|---|
| 動作主 | Who did it? |
was made by John
|
行為を「した人・物」を示す。 |
| 手段・経路 | How? |
go by bus
|
行為を「生み出す方法」を示す by。 |
| 原因 | What caused it? |
damaged by the storm
|
動作主が「出来事・自然」になった形。 |
| 場所 | Where? |
sit by the window
|
距離イメージは近いが、文の役割は別。 |
動作主 by は「Who?(誰が)」に答える by と覚えると迷いません。
ミニ確認と次へのブリッジ(尺度・基準の by へ)
ミニ確認(3つだけ)
- 動作主 by は 受動態(be + Vpp)で使う。
- by の後ろは 人だけでなく原因(物・出来事)もOK。
-
from + 人は「受け取る」、by + 人は「行う側」。
次のセクションがもっと楽になる話
次は「尺度・基準の by」です。
これは「誰が」ではなく、
「どの基準で見ると?」を表す by。
by my watch
(私の時計では)
by appearances
(外見で判断すると)
by のコアは「〜によって」。
今度は「判断のものさし」を by で出す感覚をつかみましょう。
同じ型を何回も見るほど、脳は「自動で正しく読む回路」を作ってくれます。
次のセクションで by の世界をさらに広げましょう。
5. 尺度・基準を表す by
このセクションの by は「誰がしたか(動作主)」ではなく、
「どの基準(ものさし)で見ると?」を表します。
だから by + 基準 は、文全体に
“その基準で言うと〜だよ”
という視点(見方)を足すイメージです。
例:It's nine o'clock by my watch.
(私の時計では9時だよ)
例:It's illegal by law.
(法律の基準では違法だよ)
導入:by は「判断のものさし」を渡す言葉 🧭
たとえば同じ「9時」でも、どの時計で見たかでズレることがありますよね。
英語ではそのとき、「どの時計(基準)で言ってるの?」を
by で一言つけ足せます。
by my watch(私の時計で見ると)by law(法律を基準にすると)by appearance(見た目の基準で判断すると)
つまり、by は「答え」そのものではなく、
答えに“どの見方か”のラベルを貼る役割をするんです。
小学生ふうに言うと、“どのメガネ👓で見た話?”を教えてくれる感じですね。
コアイメージ:基準ラベル → 判断 → 結論
受動態の by が「する側ラベル」だったのに対して、 ここでは 「判断の基準ラベル」になります。
基本の流れ
by + 基準(ものさし)
↓
(その基準で見ると)
↓
文の結論
by の後ろは「測り方・決め方・見方」になる名詞が来やすいです。
例で理解しよう
by my watch(私の時計)
↓
時間をはかる基準
↓
It's nine o'clock.
(9時だよ)
「時計」という基準を示すことで、 “私の時計では〜”というニュアンスが出ます。
もう2つだけミニ例:
-
By the rules, this is not allowed.(ルールの基準では、これはダメ。) -
He looks young by appearance.(見た目の基準だと彼は若く見える。)
ここを押さえると、次の「程度・差異の by」もスムーズに理解できますよ!
型(パターン)ミニ表:尺度・基準の by
尺度・基準の by は、文に
「どの基準で言ってるか(ものさし)」を貼るパーツです。
まずは下の太字の型を見て、使い方の地図を作りましょう。
| 区分 | 型(パターン) | 代表例(英 → 日) | 使いどころ / コツ |
|---|---|---|---|
| 計測 時間・数値など |
It is ... by + 測定基準
「(その基準で)〜だ」
|
例:
It's nine o'clock by my watch.(私の時計では9時です。) |
時計・カレンダー・体重計など “測る道具”が基準のときに使う。 |
| 規則 ルール・法律 |
... by + rule / law / policy
「(規則の基準で)〜だ」
|
例:
By law, you must wear a seat belt.(法律ではシートベルト着用が必要です。) |
「ルール上どうか」を言う型。 文頭に出すと“基準の宣言”になる。 |
| 手がかり 見た目・音など |
judge / know / recognize ... by + 手がかり
「〜を手がかりに判断する」
|
例:
I recognized her by her voice.(声で彼女だと分かった。) |
「何を頼りに判断したか」を説明したいとき。 by の後ろは“ヒント”になる。 |
| 本質 性格・性質 |
be ... by nature / temperament
「生まれつき/本来〜だ」
|
例:
He is quiet by nature.(彼は本来おとなしい性格だ。) |
「その人(物)の根っこ」を基準に言う型。 価値判断より“特徴の説明”に近い。 |
| 視点 立場・観点 |
... by + viewpoint / standards
「その観点で言うと」
|
例:
By my standards, this is cheap.(私の基準ではこれは安い。) |
自分や組織の“ものさし”を示すと、 主観を自然に添えられる。 |
| まとめ |
|
||
まずは
by my watch / by law / by her voice の3つを
自分のことばで言えるようにしておくと、次の理解が一気に楽になります。
「尺度・基準を表す by」
The meeting starts at 3 p.m., by my watch.
(私の時計では、会議は午後3時に始まります。)
語注: meeting = 会議。start = 始まる。
型: S V ... , by + 基準
小学生ポイント: "by my watch" は「わたしの時計で見ると」の意味。
Employees must keep client data confidential by law.
(法律により、社員は顧客データを秘密に保たなければなりません。)
語注: employee = 社員。confidential = ひみつの。
型: S must V ... by law
レジスター: フォーマル。ルール説明でよく使う。
By appearance, he doesn't look like a manager.
(見た目だけだと、彼はマネージャーに見えません。)
語注: appearance = 見た目。manager = 管理者。
型: By + 基準, S V ...
使い分け: 事実ではなく「判断の見方」を示す。
She is generous by nature.
(彼女は生まれつき親切な性格です。)
語注: generous = やさしい・気前がいい。nature = 生まれつき。
型: be + 形容詞 + by nature
小学生ポイント: "by nature" は「もともと〜」という意味。
You can't park here by law.
(法律上、ここに駐車できません。)
語注: park = 車を止める。
型: S can't V ... by law
注意: "by law" は「ルールによる禁止」を強める。
It's not midnight yet, by my watch.
(私の時計では、まだ真夜中じゃないよ。)
語注: midnight = 真夜中。yet = まだ。
型: It is not ... yet, by my watch
コロケーション: time / date と相性が良い。
Is this contract valid by law?
(この契約は法律的に有効ですか?)
語注: contract = 契約。valid = 有効な。
型: Be + S + C + by law?
レジスター: フォーマル。法的判断で使う。
Do I look tired by appearance?
(見た目、私疲れて見える?)
語注: tired = つかれた。look = 〜に見える。
型: Do/Does + S + look + adj + by appearance?
小学生ポイント: "by appearance" は「見た目だけだと」。
What time is it by your watch?
(あなたの時計では今何時?)
語注: what time = 何時。
型: Wh- + time + ... by + watch?
使い分け: "by my watch" と同じ意味で主語を変えた形。
Check the deadline by my watch before you send it.
(送る前に、私の時計の時間で締め切りを確認してね。)
語注: deadline = しめきり。check = 確認する。
型: V ..., by + 基準
小学生ポイント: "check" は「たしかめる」のこと。
Smoking is prohibited by law in this building.
(この建物では法律で喫煙が禁止されています。)
語注: prohibited = 禁止された。building = 建物。
型: S be Vpp by law
よくある誤り: "with law" にしない。
In some jobs, people are judged by appearance.
(職種によっては、人は見た目で判断されます。)
語注: judge = 判断する。job = 仕事。
型: people are Vpp by appearance
対比: "by nature" は本質、"by appearance" は外見。
The train is arriving at 10:20, by my watch.
(私の時計では、電車は10時20分に着くところです。)
語注: arrive = 到着する。train = 電車。
型: S be ~ing ..., by my watch
小学生ポイント: "is arriving" は「もうすぐ着く」感じ。
We have waited 20 minutes by my watch.
(私の時計で見ると、私たちは20分待ちました。)
語注: wait = 待つ。minute = 分。
型: have/has + Vpp + 時間 + by my watch
コツ: 経過時間の基準にも使える。
People who are optimistic by nature recover faster.
(もともと前向きな人は、回復が速いです。)
語注: optimistic = 前向きな。recover = 回復する。
型: People who are ... by nature V ...
文法メモ: who 以下は「〜な人」という説明。
I fell for you by appearance at first, but I stay because of your heart.
(最初は見た目にひかれたけど、今はあなたの心が好きでそばにいるよ。)
語注: fall for = 〜に恋をする。heart = 心。
型: S V by appearance ..., but S V ...
小学生ポイント: "fell for you" は「好きになった」。
ミニ比較コーナー:この by は「基準の by」
「by」はいろんな顔を持つ前置詞です。ここ(Section 5)では “どの基準(ものさし)で言うと?”を示すのがポイント。 他の by と何が違うか、短く整理します。
| 種類 | 意味の中心 | 形 | 例(英 → 日) | 見分けポイント |
|---|---|---|---|---|
| 基準 Section 5 | どのものさしで? |
by + 基準名詞
|
例:It's 9 a.m. by my watch.(私の時計では9時。) |
by の後ろが「判断に使う基準」。 |
| 手段 Section 3 | どうやって?何で? |
by + 乗り物/方法
|
例:We went there by bus.(バスで行った。) |
by の後ろが「移動手段や方法」。 |
| 動作主 Section 4 | 誰によって? |
be + Vpp + by + 人
|
例:The song was written by her.(その歌は彼女によって書かれた。) |
受動態で by の後ろが「人・組織」。 |
| 似た表現 according to | 情報源・引用 |
according to + 情報
|
例:According to the report, sales rose.(報告書によると売上が増えた。) |
by は「基準」、according to は「出どころ」。 |
よくある誤り・曖昧ゾーン
誤り 1:by を「手段」と読んでしまう
It's nine o'clock by my watch. を
「時計を使って9時?」と読んでしまうケース。
OK:「私の時計では9時」
by の後ろは“道具”でも、役目は「基準ラベル」。
誤り 2:前置詞を取り違える
ルール基準で by law を言いたいのに、
with law / under law としがち。
OK:by law
「法律というものさしで判断すると」の by。
曖昧ゾーン:by + 名詞の種類で意味が変わる
-
by the door(場所:ドアのそば) -
by the rules(基準:ルールの基準で) -
by train(手段:電車で)
by の後ろの名詞が “場所/手段/基準/人” のどれかで役割が決まると覚えると迷いません。
曖昧ゾーン:according to との距離感
by my standards と according to me は似て見えますが違います。
-
by my standards= 私の「基準」なら -
according to me= 私の「意見」では
ミニ確認:基準の by を1分で固めよう
次の by はどの意味?
-
It's safe by law.→ ( 基準 / 手段 / 動作主 ) -
He was helped by his friend.→ ( 基準 / 手段 / 動作主 ) -
We traveled by air.→ ( 基準 / 手段 / 動作主 )
答えを見る
- 1 = 基準(法律というものさしで安全)
- 2 = 動作主(助けたのは友だち)
- 3 = 手段(飛行機で移動)
ここまで来たあなたへ
「by + 基準」が使えると、英語での説明が一気にスマートになります。 “どう見たらそう言えるのか”まで伝えられるからです。
次の Section 6 は 「程度・差異の by」。
これは今の「基準(ものさし)」があるから言える表現です。
“ものさし → どれだけ差がある?”
という流れで、自然につながっていきますよ。
6. 程度や差異を表す by
by は「どれだけの差があるか」「どれくらい進んだか」など、
“差の大きさ・変化量” にラベルを貼る前置詞としても使われます。
時間・数字・割合・量などの“具体的な数字/程度”が後ろに来るのが最大の特徴です。
導入:「by=“どれだけ” のラベルを貼る」
日常でも「3分差で負けた」「10cm足りなかった」「少しずつ上達している」のように、 私たちは日々“差の大きさ”を感じながら生活しています。
英語の by は、この“差の大きさ”を数字や程度で表すとき、
その差にペタッと貼り付けるラベルのように働きます。
つまり、後ろに置くのは「期限」でも「手段」でもなく、 “いくら差があるかを表す言葉(3 minutes / 10% / a little など)”。 この一点さえつかめば、どの文でも一瞬で識別できます。
コアイメージ図解:差の「幅」を by で示す
※図はテキストベースで、イメージを頭の中に描きやすくすることを目的としています。
【目標ライン(理想・予定・基準)】─────────────● 目標時刻 / 予想値
↑
│ 差(= by が示す“どれだけ”)
│
【実際の結果ライン】───────────────● 実際の到着 / 実績値
- 差を示す by = 「目標(基準)と結果のズレ」をそのまま数字で貼り付ける。
- by + 数字 / 程度語 =「どれだけ足りない/超えた/遅れた/ズレた」。
-
step by step / little by littleは「1ステップ“ずつ”」の反復を表す仲間。
Section 5(基準の by)は「どのものさしで?」だったのに対し、 Section 6 の by は「そのものさしで測った“差の幅”」を表します。
型(パターン)ミニ表:程度・差異を表す by
程度・差異を表す by は、“差の大きさ(どれだけ)”を数字・量・程度語で示すときに使う特別な by です。
「基準(Section 5)」ではなく、“差そのもの”にフォーカスするのが最大の特徴です。
| 区分 | 型(パターン) | 代表例(英 → 日) | 使いどころ / コツ |
|---|---|---|---|
| 差 (遅れ・不足・勝敗) |
V ... by + 数字/量
「〜差で」「〜だけ不足して」
|
例:
I missed the train by 3 minutes.(3分差で電車に乗り遅れた。) |
「予定のライン」と「結果のライン」に差があるときに使う。 特に時間・距離・数量と相性が良い。 |
| 変化 (増減・変動) |
increase / decrease / rise / drop ... by + 数値
「〜だけ増える/減る」
|
例:
Prices rose by 10%.(価格が10%上昇した。) |
ビジネス・統計系で頻出。 % / amount / degree など数字とセットで覚えると便利。 |
| 進行 (段階・反復) |
A by A の反復パターン
「〜ずつ」「段階的に」
|
例:
We improved step by step.(一歩ずつ上達した。) |
反復で進むイメージの固定表現。 step by step / little by little / bit by bit が代表。 |
| 限界 (わずかに超える/足りない) |
be ... by + わずかな量
「ほんの〜だけ違う」
|
例:
The answer is wrong by a little.(答えはほんの少し違っている。) |
a little / a bit / a hair など微差の表現と使うと自然。 |
| ずれ (位置・時間のずれ) |
be ... by + 時間/距離
「〜の分だけ早い/遅い/離れている」
|
例:
The meeting ran late by 20 minutes.(会議は20分遅れた。) |
「結果と基準に差がある」という Section 6 のコアイメージそのもの。 実際の“ずれ”をそのまま数字で表す。 |
| まとめ |
|
||
by 3 minutes / by 10% / little by little の3つを確実に使えるようにしておくと、どんな場面にも応用できます。
「程度・差異を表す by」例文カード
The meeting started late by 3 minutes.
(会議は3分遅れて始まりました。)
語注: late = 遅れて(子ども向け: じかんにまにあわない)。
型: S V Adv by + 数字(差の量を by で言う)。
コツ: by の後ろが「分・%・量」なら “差の by”。
Sales increased by 10% in July.
(7月に売上が10%増えました。)
語注: sales = 売上(子ども向け: おみせがうった りょう)。
型: increase by + %(増えた量を言う定番)。
レジスター: ビジネス・ニュースでよく出る。
Take it step by step, and don't rush.
(一歩ずつやって、あわてないで。)
語注: rush = あわてる(子ども向け: いそぎすぎる)。
型: 命令文 V ... , and V ...。
使い分け: “ゆっくり着実に”の励ましで超定番。
I'm getting better little by little.
(少しずつ良くなっています。)
語注: get better = よくなる(子ども向け: だんだん げんきに)。
型: 進行形 be getting + 比較級。
コロケ: little by little / bit by bit は同じ仲間。
We didn't meet the deadline by 3 minutes.
(私たちは締め切りに3分だけ間に合いませんでした。)
語注: deadline = 締め切り(子ども向け: さいごの じかん)。
型: didn't meet A by + 数字(Aにどれだけ届かなかったか)。
注意: “by + 時刻”なら期限の by(Section 1)。
Did your costs drop by 10% last year?
(去年、コストは10%下がりましたか?)
語注: cost = ひよう(子ども向け: おかねが かかる りょう)。
型: 疑問文 Did S V by + %?
コツ: drop/rise/increase は by と相性◎。
Can we solve this step by step?
(これを一歩ずつ解いていける?)
語注: solve = とく(子ども向け: もんだいを かいけつする)。
型: 助動詞疑問文 Can we V ...?
バリエ: We can do it step by step.
I wasn't sure at first, but I fell for you little by little.
(最初は確信がなかったけど、少しずつ君を好きになった。)
語注: fall for you = あなたを好きになる(子ども向け: すきに なる)。
型: S wasn't ... , but S V ...(対比)。
ポイント: little by little は感情の変化にも自然。
The budget has been reduced by 10%.
(予算は10%削減されました。)
語注: budget = よさん(子ども向け: つかえる おかねの わく)。
型: 現在完了受動 has been Vpp by + %。
コロケ: reduce/cut by + % は超頻出。
The launch was pushed back by 3 minutes to fix a bug.
(バグ修正のため、公開は3分だけ後ろにずらされました。)
語注: push back = ひきのばす/おくらせる(子ども向け: あとに ずらす)。
型: 受動 be Vpp by + 時間(ずれの量)。
注意: “by 3 minutes” = 差 “3分だけ”。
We are improving our workflow step by step.
(私たちは業務の流れを一歩ずつ改善しています。)
語注: workflow = 仕事の流れ(子ども向け: しごとの すすみかた)。
型: 進行形 be improving ... step by step。
レジスター: 改善の説明でビジネス寄り。
The team didn't lose confidence; it grew little by little.
(チームは自信を失わず、少しずつ強くなりました。)
語注: confidence = じしん(子ども向け: できる きもち)。
型: S didn't V; S V(対比で強調)。
コツ: little by little は「ゆっくり増える」にぴったり。
My phone clock is fast by 3 minutes.
(私のスマホの時計は3分進んでいます。)
語注: fast = 進んでいる(子ども向け: とけいが はやい)。
型: be + 形容詞 by + 数字(ずれの量)。
使い分け: slow by 〜 も同じ型で使える。
How much did productivity improve by 10% after the training?
(研修のあと、生産性は10%どれだけ良くなりましたか?)
語注: productivity = せいさんせい(子ども向け: しごとの はやさ/うまさ)。
型: wh疑問 How much did S V by + % ...?
注意: “by 10%” は改善量=差の幅。
Because of the new plan, the project moved forward step by step.
(新しい計画のおかげで、プロジェクトは一歩ずつ前進しました。)
語注: move forward = 前に進む(子ども向け: すすむ)。
型: 前置句 Because of A, S V ...
ポイント: 接続/前置句入りで文が自然に長くなる。
We have built trust with clients little by little.
(私たちは少しずつ顧客との信頼を築いてきました。)
語注: trust = しんらい(子ども向け: しんじてもらう きもち)。
型: 現在完了 have built ... little by little(積み上げ)。
コロケ: build trust / build confidence が定番セット。
ミニ比較:Section 5(尺度・基準の by)との接点
同じ by でも、
Section 5 は「どの基準で見るか」、
Section 6 は「どれだけ差があるか」に注目します。
ここを分けると迷いが一気に減ります。
Section 5: 尺度・基準の by
「〜の基準で / 〜によれば」の by。 ものさし(評価軸・ルール・性質)を示す。
by my watch(私の時計では)by law(法律では)by nature(生まれつき)by appearance(見た目で言うと)
Section 6: 程度・差異の by
「〜だけ(差が)/ 〜ぶん(変わった)」の by。 差の幅や変化量を数字で貼る。
by 3 minutes(3分だけ差で)by 10%(10%ぶん)step by step(一歩ずつ)little by little(少しずつ)
似て見えるけど別物
by 5 minutes は「5分という差」。
「5分を基準に」ではありません。
超シンプル判定
- 「〜の基準で」→ Section 5
- 「〜だけ(差を)」→ Section 6
よくある誤り・曖昧ゾーン
誤り 1: 差の by を「基準の by」で読んでしまう
例: My phone is fast by 2 minutes.
正しい理解: 「2分“進んでいる”差」を表す by。 (子ども向け: 2分だけ ちがう、ということ)
誤り 2: 数字 by を期限の by と混同
誤: I finished the task by 3 minutes.
ポイント: by 3 minutes は「3分だけ差で」。
期限なら by 3:00 の形になる(Section 1)。
誤り 3: 「増減量 by + 数値」の語順ミス
誤: increased 10% by sales
正: Sales increased by 10%.
ミニ確認&モチベーション(次へのブリッジ)
1分ミニ確認
by + 数字は「差の幅」を表すby law / by natureは「基準(Section 5)」step by step / little by littleは「変化の幅の積み重ね」
次のセクションへ
差の by が使えると、 比較・増減・進み具合など「数で説明する英語」が一気に得意になります。 次はさらに応用的な by の使い分けに進み、 表現の幅をもう一段広げていきましょう。
by 3 minutes と by 10% を口から出せるようにするだけで十分。
積み上げれば、必ず大きな力になります。
7. 乗除や寸法を表す by
このセクションの by は、これまでの「期限・場所・手段」とはまったく別物。
「A と B をセットにして数字の関係を表す」ときに使います。
掛け算・割り算・縦×横のサイズ──いずれも A by B の形で
2つの数字を“ならべて1組にする”イメージが大切です。
(小学生向け:by は「数字と数字をくっつける のり」だと思ってOK!)
▮ 導入:数字どうしを「ひとまとめ」にする by
英語の by には、
数字 × 数字 や
縦 × 横 のように、
2つの要素をセットで表す役目があります。
- 4 multiplied
by2(4 と 2 を使った掛け算) - 400 divided
by80(400 を 80 で割る) - 12 feet
by24 feet(縦12、横24のサイズ)
毎日の仕事でも、部屋の寸法・書類サイズ・計算式など、
実はこの by が大活躍しています。
▮ コアイメージ(テキスト図解)
● 1) A と B を「数字のセット」として結びつける
A ── by ── B
「A と B を 1つのまとまりで見る」
小学生向け:by は「2つの数字をくっつけて意味を作るテープ」。
● 2) 掛け算(multiply A by B)
4 ── by ── 2 → 4 multiplied by 2 (4 と 2 をセットにして掛け算する)
※「A multiplied by B」で「A を B 倍にする」
● 3) 割り算(divide A by B)
400 ── by ── 80 → 400 divided by 80 (400 を 80 で割る)
※「A divided by B」で「A ÷ B」
● 4) 寸法(A by B = A × B のサイズ)
12 feet ── by ── 24 feet (縦12、横24)
※ 紙サイズや商品のサイズでも頻出:a 3-by-5 card
▮ 型(パターン)ミニ表:乗除・寸法の by
Section 7 の by は「数字と数字をセットにする」用法。
どの型も “A と B がペアで動く” のが共通ポイントです。
(小学生向け:by は「数字どうしをくっつける のり」)
| 用途 | 型(形) | 日本語の感覚 | 例(短いサンプル) |
|---|---|---|---|
| 掛け算 |
A multiplied by B/ multiply A by B |
A を B 倍する (子ども向け:A を B 回ぶんにする) |
Example:
4 multiplied by 2 is 8.
|
| 割り算 |
A divided by B/ divide A by B |
A を B で割る (子ども向け:A を B 人で分ける感じ) |
Example:
400 divided by 80 is 5.
|
| 寸法 |
A by B
|
縦A × 横B のサイズ (子ども向け:たてとよこのセット) |
Example:
The room is 12 feet by 24 feet.
|
| 規格サイズ |
A-by-B + noun(ハイフンで1語化) |
A×B の“決まったサイズ” (子ども向け:サイズの名前になる) |
Example:
a 3-by-5 card
|
| 数の関係 |
increase / decrease by A%(Section 6 と接点あり) |
A% ぶん増える/減る (子ども向け:A% だけ変わる) |
Example:
Sales increased by 10%.
|
✅ 覚え方:by の前後が「数字2つ」なら、Section 7 のセット by。
逆に、by + 数字 だけ(前が数字じゃない)なら、
Section 6 の「差の by」になりやすいです。
「乗除や寸法を表す by」例文集
Six multiplied by four is twenty-four.
(6 かける 4 は 24 です。)
語注: multiply = 掛け算する。「multiplied by」は「〜を…倍する」の形です。
型: A multiplied by B is C(A × B = C)という算数の言い方。
バリエーション: Seven multiplied by three is twenty-one.
If you multiply this budget by two, the total cost will be too high.
(もしこの予算を2倍にすると、総コストが高くなりすぎます。)
語注: budget = 予算。total cost = 総コスト。
型: If S multiply A by B, S + will ... の条件文。
使い分け: ビジネスでは「売上を2倍にする」など multiply A by B がよく使われます。
This number has been multiplied by three in the latest report.
(この数値は最新の報告書で3倍にされています。)
語注: latest report = 最新の報告書。number = 数値。
型: S has been multiplied by B で「S は B 倍にされてきた」(受動 + 現在完了)。
よくある誤り: × has multiplied by three だけだと「自分で自分を3倍にした」ような不自然な意味になります。
Three hundred divided by fifty is six.
(300 ÷ 50 は 6 です。)
語注: divide = 割る。「divided by」で「〜で割られて」。
型: A divided by B is C(A ÷ B = C)の基本パターン。
バリエーション: Forty divided by eight is five.
The bonus was divided by five members of the team.
(ボーナスはチームの5人のメンバーで分けられました。)
語注: bonus = ボーナス。member = メンバー。
型: S was divided by + 人 で「S は〜に分けられた」(受動)。
よくある誤り: × divided into five members とすると「5人に変身した」ような変な意味になります。
Why was the total divided by such a large number?
(なぜ合計がそんなに大きな数で割られたのですか。)
語注: total = 合計。such a large number = そんなに大きな数。
型: Why was S divided by O? の受動疑問文。
使い分け: 計算方法への不満・確認をするときに便利な聞き方です。
The hall is 10 meters by 20 meters, so it can hold many people.
(そのホールは縦10メートル横20メートルなので、多くの人を収容できます。)
語注: hall = ホール。hold many people = 多くの人を収容する。
型: A is X by Y で「A は縦X・横Yの大きさ」。
ポイント: 寸法では by は「×」のイメージで、「X by Y = X × Y」です。
Is your desk really two meters by one meter?
(あなたの机は本当に縦2メートル横1メートルもあるのですか。)
語注: desk = 机。really = 本当に。
型: Is A X by Y? の寸法をたずねる疑問文。
バリエーション: Is the screen 30 centimeters by 20 centimeters?
Please check whether the stage is at least eight meters by six meters.
(ステージが少なくとも縦8メートル横6メートルあるか確認してください。)
語注: stage = 舞台。at least = 少なくとも。
型: Please check whether S is X by Y. で「〜が X×Y のサイズか確認する」。
コロケーション: check は size, length, width などとよく一緒に使われます。
I bought a 3-by-5 notebook for my meeting notes.
(会議メモ用に 3×5 サイズのノートを買いました。)
語注: notebook = ノート。meeting notes = 会議メモ。
型: A 3-by-5 notebook のようにハイフンでつなぐと、「3×5 の〜」というサイズ名になります。
ポイント: 数字 + -by- + 数字 は「規格サイズ」としてとてもよく使われます。
She keeps a 3-by-5 photo of us on her desk.
(彼女は、私たちの 3×5 サイズの写真を机の上に飾っています。)
語注: keep = 持っている・置いておく。photo of us = 私たちの写真。
型: keep a 3-by-5 photo of + 人 で「〜の小さめの写真を持っている」。
ニュアンス: サイズまで言うと、写真を大事にしている感じが少し伝わります。
Our profit has increased by 15%, but it is not multiplied by two yet.
(私たちの利益は15%増えましたが、まだ2倍にはなっていません。)
語注: profit = 利益。increase by 15% = 15%増える。
型: has increased by A%(A%増えた)と、is not multiplied by two(まだ2倍ではない)を対比。
使い分け: 「何倍になったか」は multiplied by ...、「何%増えたか」は increased by ...% で表します。
The workload is not divided by days; it is divided by projects.
(仕事量は日数で分けられているのではなく、プロジェクトごとに分けられています。)
語注: workload = 仕事量。project = プロジェクト。
型: is not divided by A; it is divided by B. で「A ではなく B で分けられている」。
よくある誤り: × divided into days とすると「日数に変身した」ようなニュアンスになるので注意。
Was the room measured by length first or by width first?
(その部屋は、最初に長さで測られましたか、それとも幅で測られましたか。)
語注: measure = 測る。length = 長さ。width = 幅。
型: Was S measured by A or by B? の受動疑問文。
ポイント: ここでは「長さという基準で」「幅という基準で」という意味で、Section 5 の「基準の by」にもつながります。
Do not divide the total by ten unless you include the new data.
(新しいデータを含めないかぎり、合計を10で割らないでください。)
語注: divide the total by ten = 合計を10で割る。unless = 〜しないかぎり。
型: Do not divide A by B unless S ... で「S でないかぎり A を B で割るな」。
よくある誤り: × divide by ten the total のように語順を崩さないよう、divide the total by ten の順で覚えましょう。
The new poster is printed on paper that is 4 centimeters by 9 centimeters.
(新しいポスターは、4センチ×9センチの紙に印刷されています。)
語注: poster = ポスター。printed on paper = 紙に印刷されている。
型: paper that is X centimeters by Y centimeters で「X×Yセンチの紙」。
ポイント: 関係代名詞 that を使って「〜というサイズの紙」という説明を後ろからつけています。
1. 混同ポイント:他の by とどう区別する?
Section 7 の by は、数字と数字をペアにする「×(かける)」のイメージが中心です。
ほかのセクションの by と見分けるコツを、一覧で整理しておきましょう。
| セクション | 型(よくある形) | 見分けるキーワード | 感覚・イメージ |
|---|---|---|---|
|
Sec.3 経路・手段 |
by bus / by emailtravel by air
|
乗り物・道・方法の名詞 bus, train, air, mail など |
「〜という手段で」 道・交通手段・やり方を表す |
|
Sec.5 尺度・基準 |
by my watchjudge by appearance
|
人・時計・ルールなど watch, law, rule, appearance |
「〜を基準にして」 ものさし・物差しルールのイメージ |
|
Sec.6 程度・差 |
by 3 minutesby a little
|
1つだけの数字+時間・量・差 a lot, a little, 3 minutes... |
「〜だけ(差が)」「〜ぶん」 どれくらい変わるかのラベル |
|
Sec.7 乗除・寸法 |
A multiplied by BA divided by BX by Y(寸法)
|
数字 + by + 数字 two by three, 10 by 20 など |
「A × B」「縦A × 横B」 数字どうしをセットにするイメージ |
✅ 見分けのコツ:by の前後が「数字+数字」なら、ほぼ Section 7 の世界。
逆に、by + 人 / 時計 / 見た目 / 交通手段 などなら、他のセクション(手段・基準・程度)の by を疑ってください。
2. よくある誤り・曖昧ゾーン
(1) 寸法での語順ミス
寸法の表現では、数字 → 単位 → by → 数字 → 単位 の順番が基本です。
-
×
The room is 12 by feet 24.
○The room is 12 feet by 24 feet. -
小学生向けイメージ:「12(数)→ feet(単位)」を1セットにしてから
byをはさぐ。
(2) divide の前置詞ちがい
「〜で割る」は divide A by B。「〜に分ける」はふつう divide A into B parts のように into を使います。
-
×
We divided the money into five people.
○We divided the money by five.(5で割った)
○We divided the money into five parts.(5つに分けた) -
「人」で割るときも、
by fiveと数字で言う方が自然です。
(3) 「〜%増えた」と「〜倍になった」を混同
Section 6 の by(差)と Section 7 の by(何倍)を混同しやすいポイントです。
-
「20%増えた」
→Sales increased by 20%.(差は +20%) -
「2倍になった」
→Sales were multiplied by two.(2倍にされた) - 「%」が付いていれば Section 6(差)、「by two / by three」のように倍数だけなら Section 7(何倍)と考えると整理しやすくなります。
(4) 規格サイズのハイフンの有無
「3×5 のカード」のような決まったサイズ名を名詞の前で使うときは、
3-by-5 card のようにハイフンでつなぐことが多いです。
-
○
a 3-by-5 card(サイズ名として1まとまり)
○a card that is 3 by 5 inches(説明っぽく言う) -
「サイズのラベルっぽく」言いたいときは
3-by-5のようにハイフンを入れる、と覚えておくときれいです。
3. ミニ確認&モチベーション(次の by へ進む前に)
ミニ確認クイズ(頭の中でサッと答えてみよう)
-
「縦8メートル横3メートルのステージ」を英語で言うとき、
byの前後には何が来る?
→ 目安:8 meters by 3 metersのように「数+単位」が2回出てくれば OK。 -
「売り上げが 15% 増えた」と「売り上げが 2倍になった」。
どちらが Section 6(差)、どちらが Section 7(倍)?
→ 「%」があれば差(Sec.6)、「by two」なら倍(Sec.7)です。 -
「3×5 サイズの写真」を名詞の前で一言で言いたいとき、
a 3-by-5 photoと言う理由は?
→ ハイフンでつなぐと「サイズ名」として1語のようにまとまり、スッキリ伝わるからです。
次の一歩:Section 8「体・衣服の部分を表す by」へ
ここまでで、by が「数字どうしをつなぐ接着剤」になる世界をしっかり見てきました。 乗除・寸法のパターンが見えてきたなら、かなり「by 上級者」に近づいています。
次の Section 8 では、「人の体や服のどの部分をつかむ・さわるか」を表す by に進みます。
例えば、
take her by the hand
(彼女の手を取る)のように、接触している「ポイント」を示す by の使い方です。
数字の世界(Section 7)から、人の動きやしぐさの世界(Section 8)へ。
同じ by が、また違う表情を見せてくれます。今のうちに
「数字+by+数字」= 乗除・寸法
のイメージだけは、心のメモ帳にしっかり書き込んでおきましょう。
8. 動作を受ける体や衣服の部分を表す by
このセクションの by は、人や物そのものではなく「どの部分に触れているか」をズームインして示すときに使います。
例えば「彼女の手を取る」「えり首をつかむ」「腰に腕を回す」など、しぐさやスキンシップの細かい描写で大活躍する用法です。
ここでは、by + the hand / the arm / the collar / the waist などの形を通して、「体のどこを通じて相手に働きかけているか」というイメージをしっかりつかみます。
どの部分をつかんでいるかにズームイン
人は「全体」と「部分」で考えられる、というイメージからスタートしましょう。
him / her は人「全体」、the hand / the arm / the collar は「その一部」です。
by は、その人のどの部分を通して動作が働いているかを教えてくれる「ラベル」のような役割をします。
例1:手を取るしぐさ
He took her by the hand.
(彼は彼女の手を取った。)
ポイント:
her は「彼女という人全体」、by the hand は「手の部分をつかんでいる」ことを示します。
文型: take + 人 + by the + 体の部分
イメージ: 人形の「手のパーツ」をつかんで、その人全体を動かす感じです。
例2:えり首をつかんで止める
She grabbed him by the collar.
(彼女は彼のえり首をつかんだ。)
ポイント:
him は「彼全体」、by the collar は「えりの部分」を示します。
文型: grab + 人 + by the + 衣服の部分
イメージ: 服の一部(えり)をつかむことで、その人全体の動きを止めたり動かしたりしている感じです。
🔍 ここでの by は、これまで出てきた
by bus(手段)や by 5 o'clock(期限)とはちがい、
「体の接点ポイント」を示すマーカー として働いています。
「誰に?(him / her)」だけでなく、
「どこを通じて?」(by the hand / by the collar)まで描けるようになると、
映画や小説のシーンが一気に生き生きして見えてきます。
コアイメージ図解:体や服の「接点ポイント」にラベルを貼る by
「体や服の全体」と「その一部」を分けて考えると、by のイメージがクリアになります。
テキストの図で整理してみましょう。
図1:人全体と「手」の部分
HER(彼女全体)
├─ HEAD
├─ BODY
└─ HAND ← ここに「by the hand」というラベルが付く
文:He took her by the hand.
her= 「彼女」という人全体。the hand= その人の「手」という一部。by= 「どの部分をつかんでいるか」を示す接点マーカー。
図2:体全体と「えり」の部分
HIM(彼全体)
├─ BODY
│ └─ SHIRT(シャツ)
│ └─ COLLAR ← ここに「by the collar」というラベル
└─ LEGS
文:She grabbed him by the collar.
him= 「彼」という人全体。the collar= シャツの「えり」の部分。by= えりの部分を通して彼全体をコントロールしている感じ。
✅ まとめると、by + the + 体・衣服の部分 は「この部分を通して、その人全体に作用する」というイメージです。
- 物理的な接点: 手・腕・肩・えり・袖・腰 など、触れているポイントを表す。
-
動詞との相性:
take,hold,grab,pull,leadなど「つかむ・引く・導く」動きを表す動詞とよくセットで使われる。 - ストーリー性: 小説や映画の一場面で、距離感や感情(優しい・強引など)を細かく描写するための大事なツールになる。
このコアイメージを頭に入れておくと、これから出てくる「型(パターン)表」や「例文カード」が、ただの暗記ではなく、 「あ、ここをつかんでいるんだな」という絵として自然に思い浮かぶようになります。
小さな意味グループ分け:どの「部分」にラベルを貼っている?
「体や衣服のどの部分が動作を受けているか」という観点で、by を次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
1. 体の部分を表す by
人の体の一部(手・腕・肩・腰など)にラベルを貼るイメージです。
take her by the hand(彼女の手を取る)hold him by the arm(彼の腕をつかむ)pull him by the shoulder(肩をつかんで引く)
2. 衣服・持ち物の部分を表す by
えり・そで・バッグの持ち手など、「身につけている物」の一部をつかむイメージです。
grab him by the collar(えり首をつかむ)pull her by the sleeve(そでを引く)hold the bag by the handle(持ち手を持つ)
3. 比喩的・慣用表現(大人向け)
体の部分を使った「たとえ表現」で、人間関係や心理状態を表すタイプです。
lead him by the nose(手玉に取る)have her by the throat(弱みを握る)hold the team by the heart(みんなの心をつかんでいる)※やや比喩的
型(パターン)ミニ表:動詞 + 人 + by + 部分
具体的な「型」とセットで覚えると、例文を見たときにすぐ分解できるようになります。
よく使う動詞と一緒に、by + the + 体・衣服の部分 の組み合わせを表で整理しましょう。
| グループ | 基本型(構文) | 代表的なパターン | ニュアンス・覚え方 |
|---|---|---|---|
|
体の部分 手を取る・導く |
take + 人 + by the + 体の部分lead + 人 + by the + 体の部分
|
take her by the handlead him by the hand
|
優しく「手をつないで連れていく」イメージ。 相手に対してやさしい誘導を表すことが多く、恋愛シーンでもよく使われます。 |
|
体の部分 つかむ・押さえる |
hold + 人 + by the + 体の部分grab + 人 + by the + 体の部分
|
hold him by the armgrab her by the wrist
|
「腕・手首をつかんで、動きを止める/支える」イメージ。grab は hold よりグッと強くつかむ感じです。
|
|
衣服・持ち物 えり・そでをつかむ |
grab + 人 + by the + 衣服の部分pull + 人 + by the + 衣服の部分
|
grab him by the collarpull her by the sleeve
|
服の一部をつかんで、慌てて止める・引き寄せるイメージ。 マンガやドラマの「えりをつかむ」シーンそのものです。 |
|
衣服・持ち物 持ち手・ストラップ |
hold + 物 + by the + 部分carry + 物 + by the + 部分
|
hold the bag by the handlecarry it by the strap
|
物の一部(持ち手・ストラップなど)を指定して、 「どこを持っているか」を細かく言うときに使います。 |
|
体の部分 受動文(〜をつかまれる) |
S be Vpp by the + 体の部分( S = 人)
|
I was pulled by the arm.She was held by the shoulders.
|
誰に、ではなく「どの部分をつかまれたか」に焦点を当てるとき。 誰がやったかをあえて言わない文でも使えます。 |
|
比喩・慣用 操る・支配する |
lead + 人 + by the + 体の部分(比喩的) |
lead him by the nose
|
直訳は「鼻をつかんで引いていく」。 実際には「相手を思い通りに動かす」という意味の慣用表現です。 |
|
比喩・慣用 心をつかむ |
hold + 人 + by the + 心情を表す名詞(やや比喩的) |
hold them by the heart(文脈によっては比喩として使われる) |
「心をグッとつかんで離さない」イメージ。 実際の会話では win their hearts の方が一般的ですが、比喩としての by の使い方を意識する練習になります。
|
✅ 覚え方のコツ:まずは
take/lead/hold/grab + 人 + by the hand/arm/shoulder
の「体の部分」パターンに慣れてから、
「衣服」「比喩」と少しずつエリアを広げていくと、自然に使えるようになっていきます。
「誰に?」だけでなく「どこを通じて?」まで英語で描けるようになると、物語も会話も一段深く理解できるようになります。
「動作を受ける体や衣服の部分を表す by」の例文
He gently held her by the hand as they crossed the street.
(彼は彼女と横断歩道を渡るとき、そっと手を取っていた。)
語注: gently = やさしく。cross the street = 道を渡る。
型: hold + 人 + by the hand(人の「手」という部分を通して支える)
ニュアンス: 手をつなぐやさしいしぐさで、相手を守る・リードするイメージの恋愛表現です。
She led the child by the hand through the busy station.
(彼女は混み合った駅の中を、子どもの手を引いて歩いた。)
語注: lead = 導く。busy station = 人で混み合った駅。
型: lead + 人 + by the hand + 場所(手を通して安全に導く)
コロケーション: 子どもやお年寄りを言うときに lead ... by the hand がよく使われます。
Do not pull me by the arm ; just ask.
(腕をつかんで引っ張らないで、ちゃんと頼んでください。)
語注: pull = 引っ張る。just ask = ただ頼むだけでよい、のやわらかい言い方。
型: Do not + 動詞 + 人 + by the arm(〜するな、という否定の命令文)
よくある誤り: × pull my arm だけだと「からかう」という別のイディオムにもなるので、ここでは by the arm までセットで覚えると安心です。
Can I hold you by the hand when you feel nervous?
(きんちょうしたとき、あなたの手を握っていてもいいですか。)
語注: nervous = きんちょうして不安な。hold you by the hand = 手を握ってそばにいてあげる。
型: Can I + 動詞 + you by the hand ... ?(ていねいに許可をたずねる疑問文)
レジスター: とてもやさしい、支える感じの恋愛フレーズ。相手の気持ちに寄りそう表現です。
I was grabbed by the arm when the train started to move.
(電車が動き出したとき、私は腕をつかまれた。)
語注: grab = ぐっとつかむ。started to move = 動き始めた。
型: S be Vpp by the arm(受動態+腕の部分が動作を受けている)
ポイント: 「誰に」ではなく、「どこをつかまれたか」を強調したいときに便利な言い方です。
The nurse is leading the patient by the arm along the corridor.
(看護師は、患者さんの腕を支えながら廊下を歩いている。)
語注: corridor = 廊下。patient = 患者。
型: be V-ing + 人 + by the arm(今まさに腕を支えている進行中の動作)
コロケーション: 病院の場面では lead, support などと組み合わせてよく使われます。
The coach caught him by the collar when he tried to leave the field.
(コーチは、彼がグラウンドから出ようとしたとき、えり首をつかまえた。)
語注: coach = コーチ。field = グラウンド。
型: catch + 人 + by the collar(えりの部分をつかんで止める)
ニュアンス: 少しきつめに止めるイメージで、注意やしかりの場面でよく想像される動きです。
You must not drag small children by the collar in public.
(人前で幼い子どもをえり首で引きずってはいけません。)
語注: drag = 引きずる。in public = 人前で、公の場で。
型: must not + 動詞 + 人 + by the collar(〜してはいけないというルール)
使い分け: 注意やマナーの話では must not を使うと「強い禁止」になります。
Why are you holding him by the collar like that?
(なぜそんなふうに、彼のえり首をつかんでいるのですか。)
語注: like that = そんなふうに。
型: Why are you V-ing + 人 + by the collar ... ?(今している行動について理由をたずねる)
ポイント: 進行形+by the collar で、「今まさに」えりをつかんでいる場面がはっきり浮かびます。
She pulled me gently by the sleeve to get my attention.
(彼女は私の注意をひきたくて、そっと私のそでを引いた。)
語注: sleeve = そで。get my attention = 私の注意をひく。
型: pull + 人 + by the sleeve(そでの部分をそっと引くしぐさ)
ニュアンス: 声を出さずに合図するときの、少し照れたような恋愛シーンにもよく合います。
He never pulls people by the sleeve , because he thinks it is rude.
(彼は、そでを引っ張るのは失礼だと思っているので、人のそでを引いたりはしない。)
語注: never = 決して〜しない。rude = 失礼な。
型: never + 動詞 + 人 + by the sleeve(ふだんから絶対にしない習慣を表す)
ポイント: because 以下で理由を足して、理由付きのマナー表現になっています。
Is it okay if I pull you by the sleeve when it is your turn?
(あなたの番になったとき、そでを引いて知らせてもいいですか。)
語注: your turn = あなたの番。Is it okay if ... ? = 「〜してもいいですか」というくだけたていねい表現。
型: Is it okay if S V + 人 + by the sleeve ... ?(軽く許可をたずねる言い方)
よくある誤り: × Is it OK I pull you ... ? のように if を落とすと不自然になるので注意しましょう。
I was pulled by the sleeve and turned around.
(私はそでを引かれて、振り向いた。)
語注: turn around = 振り向く。
型: S be Vpp by the sleeve(「誰に」よりも「どこを引かれたか」を表す受動態)
ポイント: 引いた人を言わなくても、そっと合図された場面がイメージできます。
He has often guided new employees by the hand on their first day.
(彼は新入社員の初日に、よく手取り足取り教えてきた。)
語注: guide = 案内する・指導する。new employees = 新入社員。
型: have + Vpp + 人 + by the hand(今まで何度も、ていねいに導いてきた)
比喩: ビジネスでは実際に手を握るというより、「手取り足取り教える」というイメージの比喩表現になります。
The boy who was held by the arm looked very scared.
(腕をつかまれていたその少年は、とてもこわがった顔をしていた。)
語注: scared = おびえた。who was held ... = 「〜された少年」という関係代名詞の説明部分。
型: The boy who was Vpp by the arm ...(腕をつかまれていた少年、という説明付きの主語)
ポイント: 関係詞 who を使うことで、「どの少年か」を詳しく説明できます。
She has been helping her grandfather by the arm for years.
(彼女は何年も、祖父の腕を支えて歩くのを手伝ってきている。)
語注: for years = 何年もの間。help ... by the arm = 腕を支えることで手伝う。
型: have been V-ing + 人 + by the arm(ずっと続いている習慣的な助け方)
ニュアンス: 長い時間にわたるやさしい支え方が伝わる、あたたかい文章です。
ミニ比較・誤り注意の予定
このセクションの by は、「どの部分をつかんでいるか・支えているか」 にフォーカスする特別な用法です。
ほかの by と頭の中でごちゃ混ぜになりやすいので、あとで次のポイントを短く整理します。
1. 他の by とのミニ比較(ここでのゴールをはっきり)
| タイプ | イメージ | ざっくり例 |
|---|---|---|
このセクションby + 体・服の部分
|
「どこをつかむ? どこを支える?」 部分にズームインしている。 |
by the hand / by the arm / by the sleeve→ 手・腕・そで、といった「ポイント」に注目。 |
他セクションby + 手段・道具
|
「どうやって?」という手段のラベル。 |
by bus / by email / by hand→ バスで・メールで・手作業で。 |
|
他セクション 受動態の by + 人
|
「誰によって?」という動作主。 |
loved by him / built by my uncle→ 彼によって・おじによって。 |
|
他セクション 場所の by + 名詞
|
「そばにいる」という位置関係。 |
by the door / by the river→ ドアのそば・川のほとり。 |
まとめると、このセクションの by は
「どこを支えているか・つかんでいるかを示すラベル」 として見るのが目標です。
2. よくある誤り・曖昧ゾーン(ここをハッキリさせる予定)
-
NG:
*hold her hand by
→ 「手を by する」ではなく、「人を by the hand」 の形が基本になります。 OK:hold her by the hand -
withとの混同
with my handは「手を使って」という道具寄りの感じ、by the handは「手そのものをつかんでいる」イメージです。 -
by handとの区別
by hand(手作業で)は「手段」のセクションの話、by the hand(手を取って)は「部分」のセクションで扱う話、として分けて意識します。 -
語順ミス
×*hold by the hand herのようにby the handを人の前に置かないように注意します。
→ 基本形:hold + 人 + by the hand
本編では、上のポイントを「NG → OK」のペアでスッキリ整理し、クイズとも連動させる予定です。
ミニ確認&モチベーションボックス
「体・衣服のどこをつかんでいるか」を表す by のイメージはつかめましたか?
ここでは、3つの小さなチェックだけして、次のセクションへ進む準備をしましょう。
-
チェック1:だれを? どこを? の順で言えているか
頭の中で、日本語「彼女の手をとった」をhold her by the handのように、「人 → by the 部分」 の順番でイメージできれば合格ラインです。 -
チェック2:道具の by と区別できるか
「そでを引く」ならby the sleeve、「手作業で」ならby hand。 「部分」なのか「手段」なのかを、心の中で一言つぶやければ OK です。 -
チェック3:ひとつ好きなフレーズを持てたか
例えば、She pulled me by the sleeve.(そでをちょん、と引く)やCan I hold you by the hand?(手を握っていてもいい?)など、 自分の中で「ちょっと使ってみたい一文」がひとつあれば十分です。
次のセクションでは、「関係」を表す by に進みます。
例:by birth(生まれでは)、by trade(職業は)、by blood(血縁では)など、
「どんな関係で?」というラベルを貼る用法です。
ここまでで学んだ
時 /
場所 /
経路・手段 /
動作主 /
尺度・基準 /
程度・差 /
部分
に続いて、「関係の by」 を足せば、前置詞 by の世界地図が一気につながります。
学習の流れイメージ
- 「どこをつかむ?」の
by the hand / by the sleeve ... - → 人との関係ラベル
by birth / by trade / by blood - → クイズで小さなミスをつぶして「自然な by」を自分のものに
9. 関係を表す by
ここでの by は、「〜として」「〜の点では」 という
関係ラベル をペタッと貼るイメージで使われます。
例:Japanese by birth(生まれは日本人)、a carpenter by trade(職業は大工)、
shy by nature(性格は内気)など、人や物のプロフィール説明でよく登場します。
すでに学んだ「動作主の by」「基準の by」とは違い、
このセクションでは 「どんな立場・性質・つながりで?」 を静かに教えてくれる
ラベル用 by にしぼって整理していきます。
▮
関係ラベル by をざっくりつかむ
関係を表す by は、「1人の人」や「1つの物」に、いろいろなラベルを貼る感じ で使います。
-
出自
by birth= 生まれではどうか? (出身・国籍など) -
仕事
by trade / by profession / by training= 職業・専門としては? -
性格
by nature / by character= 生まれつき・性格としては? -
つながり
by blood / by marriage= 血縁・婚姻のつながりでは?
こうした表現をまとめて覚えておくと、自己紹介・履歴書・SNSプロフィール などで 「自分や人のことを、短くカッコよく説明する」力がぐっと上がります。
ひと目で分かるイメージ
例:He is...
-
出自
Japanese
by birth -
仕事
a teacher
by profession -
性格
very calm
by nature -
つながり
my cousin
by blood
同じ人でも、見る角度(birth / profession / nature / blood) ごとに、
by ~ でラベルを貼りかえるイメージです。
by birth / by profession / by nature
を使ったミニ自己紹介を1つ作ってみると、記憶に残りやすくなります。
▮ コアイメージ図解:1人の人に「関係ラベル」をペタペタ貼る
中心にいる「その人」
He
(1人の同じ人)
出自のラベル
He is Japanese by birth.
「生まれでは日本人」という、出身に関するラベル。
仕事のラベル
He is a designer by profession.
「職業としてはデザイナー」という仕事のラベル。
性格のラベル
He is shy by nature.
「性格としては内気」という気質のラベル。
つながりのラベル
We are related by blood.
「血のつながりがある」という関係のラベル。
図の読み方:
- 真ん中の He は、同じ1人の人です。
-
まわりにある
by birth / by profession / by nature / by bloodは、 「どんな面からその人を見るか」 を表すラベルです。 -
ラベルが変わっても、本人は同じ。
見る角度だけを
by ~で言い分けている、と考えるとスッキリします。
他の by とどう違う?
-
動作主の by(
built by my uncleなど)は 「誰がしたか?」=行動の主役。 -
尺度・基準の by(
judge by appearanceなど)は 「何をものさしにするか?」=評価の基準。 - 関係の by(このセクション)は 「どんな関係でそう言っているか?」=プロフィールのラベル。
by が使えると、
「どんな人か」を一言で説明する英語
がぐっと自然になります。
自己紹介・面接・SNS など、リアルに使う場面を意識しながら 例文を読んでいきましょう。
▮
小さな意味グループ分け:関係ラベル by の3タイプ
関係を表す by は、ぜんぶ同じ意味に見えても、実は
「どんな関係のラベルか」 で細かくタイプが分かれます。
ここでは A / B / C の3グループ に整理して、
スマホでも一目でイメージがつかめるようにしておきましょう。
「どこ生まれ? もともとの出自は?」といった、
スタート地点 を説明するときの by です。
主に人の「出身・国籍」などを一言で言い表します。
-
by birth= 生まれは〜 例:Japaneseby birth(生まれは日本人) -
by nationality= 国籍は〜 例:Frenchby nationality(国籍はフランス) -
by origin= 出自・ルーツは〜
小学生向けに言うと、「生まれたときの設定」に ラベルを貼るイメージです。 テストや自己紹介文で、「出身」をさらっと言いたいときに便利です。
「仕事としては? 専門としては?」という、
職業や専門スキルのラベル を貼る by です。
履歴書・プロフィール・ビジネストークでよく使います。
-
by trade= 職業・本業としては〜 例:a carpenterby trade(職業は大工) -
by profession= 専門職としては〜 例:a lawyerby profession -
by training= 訓練・教育を受けた専門は〜 例:an engineerby training
「普段の仕事・専門分野」を一言でまとめる役割です。 ビジネス英語では、名刺の肩書きのような感覚で覚えておくとスムーズです。
「どんな性格? どんな関係?」という
性質・人間関係のラベル を表す by です。
人柄紹介や家族構成の説明で活躍します。
-
by nature= 性格・気質としては〜 例:shyby nature(性格は内気) -
by character= 性格上は〜 -
by blood= 血縁関係としては〜 例:relatedby blood(血のつながりがある) -
by marriage= 婚姻関係としては〜 例:sistersby marriage(結婚による姻戚関係の姉妹)
「どんな人柄か」「どういう家族のつながりか」を、 まとめてラベル化するイメージです。 物語やドラマの人物紹介文にもよく出てくるので、読書好きの人は要チェックです。
▮ 型(パターン)を整理するミニ表:関係ラベルの by
関係を表す by は、基本的に
S be ~ by + 名詞 のかたちで使われ、
「その人を、どんな面から見ているか」のラベルを貼ります。
代表的なパターンを、スマホでも見やすい表で整理しておきましょう。
| 用法グループ | 基本パターン | 代表例 | ニュアンス・ポイント |
|---|---|---|---|
| A 生まれ・出自 |
S be + N + by birth / nationality / origin
|
He is Japanese
by birth.
(彼は生まれは日本人だ。)
|
|
| B 仕事・専門 |
S be + N + by trade / profession / training
|
She is a carpenter
by trade.
(彼女は職業は大工だ。)
|
|
| C 性質・つながり |
S be + adj / related + by nature / blood / marriage
|
He is shy
by nature.
We are related
by blood.
(彼は性格は内気だ。/私たちは血のつながりがある。)
|
|
| 応用 |
S be + N/adj + by birth / profession / nature ...
|
I am Japanese
by birth,
a teacher
by profession,
and curious
by nature.
(私は生まれは日本人で、職業は教師で、性格は好奇心が強いです。)
|
|
学習のコツ:
まずは A・B・C それぞれについて、I am ~ by ... のパターンで
自分のことを1文ずつ書いてみると、型が体に入りやすくなります。
▮
他の by との比較・誤り注意
関係を表す by は、「動作主の by」「尺度・基準の by」と形が似ているため、
意味を取り違えやすいポイントです。
スマホでも見やすい比較表で、「何をラベルにしているのか」を意識して区別できるようにしましょう。
| 用法 | 意味の軸 | 基本パターン | 例文(日本語訳) | 紛らわしいポイント |
|---|---|---|---|---|
| 関係の by |
「どんな出自・仕事・性質か」という プロフィール情報 |
S be + N/adj + by ~
|
He is Japanese
by birth.
(彼は生まれは日本人だ。)
|
|
| 動作主の by |
「誰がその動作をしたか」という 行為の主語 |
S be + p.p. + by 人
|
The cake was baked
by my mother.
(そのケーキは母によって焼かれた。)
|
|
| 尺度・基準の by |
「何を基準に判断するか」という ものさし |
judge / measure + O + by ~
|
Do not judge people
by appearance.
(人を外見で判断してはいけない。)
|
|
| 曖昧ゾーン |
文脈で「関係」か 「単なる場所」かが決まる |
S be + by + 名詞
|
He is
by the door.
He is a designer
by profession.
(彼はドアのそばにいる。/彼は職業はデザイナーだ。)
|
|
よくある誤り・曖昧ゾーンのチェックポイント
-
受動態と混同:
He is loved by everyone.は「みんなに愛されている」(動作主のby)。He is a doctor by profession.は「職業は医者」(関係のby)。 「be + 過去分詞があるか?」をまず確認。 -
場所の by との取り違え:
He is by the window.は「窓のそばにいる」だけで、関係ラベルではない。 関係のbyはbirth / trade / nature / bloodなどの「抽象名詞」とセットになりやすい。 -
名詞なしの誤用:
*He is a carpenter by.のようにbyで止めてしまうのは誤り。 必ずby + 名詞までセットで覚える(by tradeなど「熟語」として記憶)。 -
日本語訳に引きずられすぎない:
「職業は〜です」を全部
He is a ~.だけで訳してしまうと、 関係のbyを練習する機会が減ってしまう。 プロフィールっぽく言いたいときは、意識的にby ~を使ってみる。
ミニ確認:
自分・友だち・好きなキャラクターなど3人を決めて、
「by birth / by profession / by nature」を使ったプロフィール文をそれぞれ1文ずつ作ってみましょう。
少しだけ手を動かすだけで、「読むだけの知識」から「使える表現」 に一段ステップアップできます。
「関係を表す by」
He has been a lawyer by profession for over twenty years.
彼は仕事としては、20年以上ずっと弁護士をしています。
語注: profession = 職業(とくに専門的な仕事)。lawyer = 弁護士。
型: S have/has been + 職業 + by profession + for ~ で「ずっと~を本職としている」。
ポイント: 「by work」ではなく、職業のラベルには決まった言い方 by profession を使う。
My uncle is a mechanic by trade, but he manages a team now.
私のおじは、本職は整備士ですが、今はチームの管理をしています。
語注: mechanic = 整備士。manage = 管理する。
型: S be + 職業 + by trade で「本職は~だ」を表す。
ポイント: trade は「手に職系」の仕事に多く使われる。IT系なら engineer by profession などが自然。
My manager is German by birth, but she speaks Japanese fluently.
私の上司は生まれはドイツ人ですが、日本語をとても流ちょうに話します。
語注: manager = 上司・マネージャー。fluently = 流ちょうに。
型: S be + 国籍 + by birth で「生まれは~人だ」を表す。
ポイント: 「国籍は」のニュアンスなら by nationality なども使えるが、まずはよく使う by birth を優先して覚える。
She is calm by nature, even in a crisis.
彼女は生まれつき落ち着いた性格で、危機のときでも冷静です。
語注: calm = 落ち着いた。crisis = 危機。
型: S be + 形容詞 + by nature で「生まれつき~だ(性格)」を表す。
ポイント: 一時的な気分ではなく、「もともとの性格」を言いたいときに by nature を使う。
I am not a designer by profession, but I often help with layouts.
私は本職はデザイナーではありませんが、レイアウトを手伝うことはよくあります。
語注: designer = デザイナー。layout = レイアウト、配置。
型: S be not + 職業 + by profession, but ... で「本職ではないが…」と続ける。
よくある誤り: *I am not by profession a designer. のように by profession を文頭近くに移動すると不自然になりやすい。
He is not a chef by trade; he just cooks as a hobby.
彼は本職はシェフではなくて、趣味で料理しているだけです。
語注: chef = シェフ。hobby = 趣味。
型: S be not + 職業 + by trade; S + ... として、「本職ではない」とはっきり区別する。
ポイント: 仕事としての料理人なら chef by trade、趣味なら as a hobby のように言い分ける。
I am not brave by nature, but I want to stand by your side.
私は生まれつき勇気があるタイプではないけれど、あなたのそばには立っていたいです。
語注: brave = 勇敢な。stand by your side = あなたのそばに立つ、支える。
型: I am not + 形容詞 + by nature, but ... で「性格は違うけれど…」と気持ちを続ける。
ポイント: 恋愛フレーズでは、「性格+by nature」+「行動」をセットにすると気持ちが伝わりやすい。
Are you British by birth or only by passport?
あなたは生まれがイギリスなのですか、それともパスポートだけイギリスですか。
語注: British = イギリス人。passport = パスポート。
型: Are you + 国籍 + by birth or by ~? で「生まれか、それとも別の理由か」をたずねる。
ポイント: ビジネスの自己紹介でも、軽く出自をたずねるときに使えるが、デリケートな話題なので相手との距離感に注意。
Who in your family is a doctor by profession?
あなたの家族の中で、本職が医者の人はだれですか。
語注: doctor = 医者。in your family = 家族の中で。
型: Who in your family is + 職業 + by profession? で家族の中の専門職をたずねる。
ポイント: 単に「医者として働いている人」を聞くより、「本職としての職業」をはっきりさせたいときに便利。
Is he shy by nature, or just today?
彼は生まれつき内気なのですか、それとも今日はたまたまですか。
語注: shy = 内気な、恥ずかしがり屋の。just today = 今日はたまたま。
型: Is S + 形容詞 + by nature, or ...? で「性格か、一時的か」をたずねる。
ポイント: 性格をたずねる表現なので、親しい相手との会話向き。ビジネスでは言い方に気をつける。
In your profile, write one clear line: I am an engineer by profession.
プロフィールには、「私は本職はエンジニアです」と一文をはっきり書きましょう。
語注: profile = プロフィール、自己紹介文。clear line = 分かりやすい一文。
型: Write ...: I am + 職業 + by profession. と命令文で指示する形。
ポイント: 自己紹介で「何をしている人なのか」を一言で示すときに by profession が役立つ。
He is often described as a leader by nature in the company newsletter.
社内ニュースでは、彼はよく「生まれつきリーダー気質だ」と書かれます。
語注: describe = 描写する。newsletter = 社内報などのニュースレター。
型: S be often described as + 名詞 + by nature. で「生まれつき~な人だとよく言われる」。
ポイント: described は受動態なので、「人からそう言われている」というニュアンスが出る。
She is widely respected by clients and known as a consultant by profession.
彼女は顧客から広く尊敬されていて、本職はコンサルタントとして知られています。
語注: respected = 尊敬されている。consultant = コンサルタント。
型: S be respected by 人 and known as + 職業 + by profession. と受動態が2つ続く形。
ポイント: 「人にどう見られているか(受動)」+「本職は何か(by profession)」を同時にまとめて言える便利な型。
Right now, he is working as a teacher by profession and a musician by passion.
今のところ、彼は本職は教師として働き、情熱のほうは音楽家として活動しています。
語注: passion = 情熱。musician = 音楽家。
型: be working as + 職業 + by profession and + 役割 + by passion で本職と好きな活動を対比。
ポイント: by passion は「情熱として」のやや比喩的な言い方。カジュアルな自己紹介でよく使われる。
They have always been curious by nature, asking questions about everything.
彼らは生まれつきいつも好奇心が強く、何にでも質問してきました。
語注: curious = 好奇心が強い。have always been = ずっと~であり続けている。
型: have always been + 形容詞 + by nature で、今までずっとの性格を表す。
ポイント: 後ろの asking ... は現在分詞で、「その性格から来る行動」を補足している。
My sister, who is a scientist by profession, loves teaching children.
私の姉は、本職は科学者ですが、子どもに教えることが大好きです。
語注: scientist = 科学者。teach = 教える。
型: 名詞, who is + 職業 + by profession, ... で関係節の中に職業ラベルを入れる。
ポイント: 「仕事はこれだけど、実は別のことも好き」という情報を、スマートに1文で伝えられる形。
ミニ確認:関係ラベルの by、ここまででつかめた?
1. 3つのラベルを「日本語一言」で言える?
- ▸ by birth = 「生まれは?」のラベル 例: Japanese by birth(生まれは日本人)
- ▸ by profession / by trade = 「仕事は?」のラベル 例: an engineer by profession(本職はエンジニア)
- ▸ by nature = 「性格は?」のラベル 例: calm by nature(生まれつき落ち着いている)
2. 自分や身近な人で文を作れる?
-
「自分の生まれ」にラベルを貼ってみる
例: I am Japanese
by birth. -
「自分の本職」にラベルを貼ってみる
例: I am a call center operator
by profession. -
「自分の性格」にラベルを貼ってみる
例: I am shy
by nature.
ここまでの by が「つながる」と、英文プロフィールが一気に楽になる
時間・場所・手段・動作主・基準・程度・乗除・体の部分、そしてこのセクションの 「関係ラベルの by」。 これらを組み合わせると、 「自分はどんな人か」「どんな関係か」 をコンパクトに表現できるようになります。
次のセクションでは、ここまで学んだ by を振り返りつつ、 プロフィルや自己紹介で「使える by」をまとめて整理していきましょう。
10. 名前や標示を表す by
このセクションでは、人やことばに「ラベル(名札)」をつけるときの
by をまとめて学びます。
例:She goes by the name of Amy.(エイミーという名前で通っている)や
What do you mean by "coward"?("coward" という言葉で何を言いたいの?)のように、
「〜という名前で」「〜という意味で」というニュアンスになります。
ここまで学んだ「時の期限」「場所」「動作主」の by が
時間・位置・行為者のラベルだったのに対して、
このセクションは 名前・意味・肩書きのラベルにフォーカスします。
▮
「ラベルづけ by」のストーリー
by には、これまで見てきた
「〜までに」「〜のそばで」「〜によって」といった意味のほかに、
人やことばにラベル(名札)を貼るイメージがあります。
- 人に貼るラベル:「〜という名前で」「〜という職業で」
- ことばに貼るラベル:「〜という意味で」「〜というつもりで」
たとえば、次のようなイメージです。
呼び名ラベルの by
She goes by the name of Amy.
(彼女は「エイミー」という名前で通っています。)
イメージ: 本名とは別に、「Amy」という 名前ラベルをペタッと貼っている感じ。
型: go by the name of + 名前(〜という名前で知られている)
意味ラベルの by
What do you mean by "coward"?
(「臆病者」と言って、どういう意味なのですか。)
イメージ: "coward" という
ことばラベルに、どんな意味をくっつけているの?と質問している。
型: What do you mean by + 「ことば」?(「〜」とはどういう意味ですか)
名前や意味の by をマスターすると、
「自分はこういう人です」「その言葉ではこういうつもりです」
を英語でスムーズに説明できるようになります。
学習のコツ:このセクションでは 「何にどんなラベルを貼っているのか」 を意識しながら、例文を声に出してなぞると、記憶にぐっと残りやすくなります。
▮
コアイメージ図解:by は「名前・意味のラベルをつなぐ線」
1. 人に名前ラベルを貼るイメージ
[Person] ← by ← [Name tag]
「彼女」 「Amy」
by が、名前の札 と
本人 をむすぶ「線」の役割をしています。
go by the name of ...(〜という名前で通っている)be known by ...(〜の名で知られている)
2. ことばに意味ラベルを貼るイメージ
[Word] ← by ← [Meaning / Intention]
"coward" 「どんな人をイメージ?」
mean by ... は、
その言葉ラベルで、どんな意味・気持ちを伝えようとしているか
をたずねる表現です。
What do you mean by ...?(「〜」とはどういう意味ですか)What he meant by that joke was ...(あの冗談で彼が言いたかったのは〜)
ポイントは、by の前後にあるものを見て、
「これは名前ラベル? ことばラベル? それとも他セクションで学んだ時間・場所・動作主?」
と考えるクセをつけることです。
こうやって ラベルの種類ごとに整理 していくと、
by の多彩な意味も、バラバラではなく「一本のストーリー」として頭に残ります。
▮
名前・標示の by を 3 つのグループで整理しよう
「名前や標示を表す by」は、どんなラベルを貼るのか によって、次の 3 グループに整理できます。
スマホでも 1 枚ずつカードを見る感覚で、ゆっくり確認してみましょう。
生まれ・出自のラベル by
人が「どんな生まれか」「どこの出身か」という
背景のラベルを貼るときの by です。
-
by birth(生まれは〜) 例: Japanese by birth -
by origin(出自・ルーツは〜) -
by nationality(国籍は〜)
「パスポートの情報」や「生まれつきの属性」を静かに説明するときによく使われます。
学習TIP:「生まれの名札」と思えば、 「〜に育てられた」や「〜に住んでいる」とは別だと整理しやすくなります。
仕事・専門のラベル by
人が「どんな仕事・専門家としての顔を持っているか」という
職業ラベルを貼るときの by です。
-
by profession(職業は〜) 例: a lawyer by profession -
by trade(本職は〜) 例: a carpenter by trade -
by training(訓練を受けた専門は〜)
「ふだんの仕事」「専門分野」を一言でまとめるときに使うラベルです。 名刺の肩書きのようなイメージで覚えるとスッと入ります。
学習TIP:「仕事の名札」をイメージして、
自分なら by profession をどう言うか考えてみると、英語が自分ごとになります。
性質・つながりのラベル by
人や物に「どんな性質か」「どんなつながりがあるか」という
関係ラベルを貼るときの by です。
-
by nature(生まれつき〜な性格) 例: shy by nature -
by blood(血縁関係で) 例: related by blood -
by marriage(結婚によって)
「この人とはどういうつながり?」「どんなタイプ?」といった 性格・関係の名札を説明するときに活躍します。
学習TIP:性格・家族・人間関係を表す英語が増えると、
自己紹介や人の紹介がぐっと豊かになります。
少しずつ自分のことも by nature で言えるようにしていきましょう。
▮ 型(パターン)ミニ表:名前・標示の by(go by / mean by など)
「名前・標示を表す by」では、名前で通っているのか、
言葉の意味を聞いているのか、などによって型が変わります。
スマホでも横スクロールしやすいよう、主な型をコンパクトに整理しました。
| カテゴリ | 型(パターン) | 意味・使い方のイメージ | ミニ例文 |
|---|---|---|---|
|
通称・芸名 go by |
S go by the name of 名S go by 名(省略形)
|
「〜という名前で通っている」という意味。 「日常のラベル(よく呼ばれる名前)」を貼るイメージ。 |
He goes by the name of Max.
Online, she goes by Luna. |
|
名前・記号で知られる be known by |
S be known by 名 / 記号
|
「〜という名前・記号で知られている」という意味。 自分で名乗るというより、「世間からの呼び名」のラベルを表す。 |
The singer is known by her initials, A.K.
This symbol is known by many students. |
|
あだ名・呼び名 be called ... by ... |
S be called 名 by 人 / グループ
|
「B に A と呼ばれている」という意味。
「友達にはこう呼ばれている」「家族にはこう呼ばれている」のように、 |
He is called Ken by his friends.
I am called Sensei by my students. |
|
言葉の意味をたずねる mean by |
What do you mean by 「語」?What did S mean by 「語」?(過去)
|
「〜とはどういう意味ですか」「〜と言って何を言いたかったのですか」。
|
What do you mean by "simple"?
What did she mean by that joke? |
|
一般的な定義 be meant by |
What is meant by 「語」?
|
「『〜』とは一般にどういう意味ですか」と、 主語が「人」ではなく、「意味そのもの」が主語になる丁寧な言い方。 |
What is meant by "brand image"?
What is meant by this sign? |
|
ラベル・基準に従う go by |
S go by 名 / 基準
|
「〜で判断する / 〜を基準にする」という意味。 「名札どおりに扱う」「ラベルどおりに決める」のイメージ。 |
We should not judge people only by their titles, but many companies go by them.
Please go by the list on the wall. |
学習のコツ:
go by は「その名前・基準で動く」、
mean by は「その言葉で何を言いたいか」、と役割を分けて覚えるとスッキリ整理できます。
「これは名前ラベルの話? それとも意味の中身の話?」と自分に問いかけながら読むと、
実際の会話で by のイメージがぶれにくくなります。
「名前や標示を表す by」例文セクション
In the game, our team goes by the name of Dragons.
(ゲームの中で、私たちのチームは「ドラゴンズ」という名前で通っています。)
語注: go by the name of = ~という名前で通っている。team = チーム。
型: In 場所, S go by the name of 名(「場所」での呼ばれ方を説明する形。)
ポイント: 「普段そう呼ばれている」というニュアンスで、本名かどうかは関係ありません。
What do you mean by 'simple' in this report?
(この報告書で、あなたは「simple」と言ってどんな意味を表しているのですか。)
語注: mean by ~ = ~と言って何を言いたいか。report = 報告書。
型: What do you mean by 「語」 in 場所?(ビジネス文書の中の言葉の意味を確認する定番の形。)
ポイント: 「意味を教えてください」という丁寧な聞き方で、相手を責めるニュアンスは弱めです。
At work, we usually go by first names in meetings.
(職場では、会議中はたいてい下の名前で呼び合います。)
語注: go by first names = 下の名前で呼び合う。at work = 職場で。
型: At 場所, S go by 名(どんな場面で、どんな名前を使うかを説明する。)
ポイント: フォーマルな会社でも、チーム内は first name でフレンドリーに呼ぶことがよくあります。
He is called Ken by his friends at school.
(彼は学校で、友だちからケンと呼ばれています。)
語注: be called ~ by 人 = 人に~と呼ばれる。friends = 友だち。
型: S be called 名 by 人(誰がどんな名前で呼ぶのかを表す受動文。)
ポイント: 「by his friends」で「誰からそう呼ばれているのか」をはっきりさせています。
What do you mean by 'just friends' when you talk about us?
(私たちのことを話すとき、「友だちでしょ」と言って、あなたはどんな意味で言っているの?)
語注: just friends = ただの友だち。talk about us = 私たちの関係の話をする。
型: What do you mean by 「語」 when S V?(恋愛の「関係のラベル」の本当の意味を確認する形。)
ポイント: 気持ちをはっきりさせたいときに使える、少しドキッとする質問です。
He does not go by his full name on social media.
(彼はSNS上では、本名そのままでは名乗っていません。)
語注: full name = フルネーム、本名。social media = SNS。
型: S do not go by 名 on 場所(その場所では、その名前を使っていないという否定の形。)
よくある誤り: ×he is not go by としない。do not go の形に注意。
What is meant by 'brand story' in this slide?
(このスライドで「ブランドストーリー」とは、一般にどんな意味ですか。)
語注: be meant by ~ = ~によって意味される。brand story = ブランドの物語・背景。
型: What is meant by 「語」?(辞書的・一般的な定義をたずねる受動の形。)
ポイント: 個人の気持ちというより、「この言葉は一般にどう理解されているか」を聞くときに便利です。
Please be clear about what you mean by this phrase in the contract.
(この契約書で、この表現をどんな意味で使っているのか、はっきりさせてください。)
語注: be clear about ~ = ~をあいまいにせず、はっきりさせる。contract = 契約書。
型: Please be clear about what you mean by 名 in 書類.
ポイント: ビジネスメールや会議で、表現のあいまいさを指摘するときにとても使いやすいフレーズです。
She is being called 'hero' by the local media these days.
(彼女は最近、地元のメディアから「ヒーロー」と呼ばれています。)
語注: be being called = ちょうど今、そう呼ばれている最中。local media = 地元メディア。
型: S is being called 名 by 人(進行形+受動で、最近の評判を表す形。)
ポイント: 「このごろ、そう呼ばれている」と、期間をふくんだニュアンスになります。
In my phone, you have always gone by the name of 'My Love'.
(私のスマホの中で、あなたはずっと「My Love」という名前で登録されています。)
語注: have always gone by ~ = いつも~という名前で通っている。in my phone = 自分のスマホの中で。
型: In 場所, you have always gone by the name of 愛称
ポイント: 恋人や大切な人を、特別な愛称で呼んでいることをロマンチックに伝えるフレーズです。
Many writers who go by pen names want to protect their privacy.
(ペンネームで活動している多くの作家は、自分のプライバシーを守りたいと思っています。)
語注: pen name = ペンネーム。privacy = プライバシー、個人情報。
型: writers who go by 名(関係代名詞を使って、「~という名前で通る作家たち」と説明。)
ポイント: 名前の話と、「なぜそうしているか(理由)」をセットで説明すると、文が自然に長くなります。
Our team is not called 'support staff' by the company anymore.
(私たちのチームは、会社からはもう「サポートスタッフ」とは呼ばれていません。)
語注: anymore = もはや~ない。support staff = サポートスタッフ。
型: S is not called 名 by 人 anymore(以前はそう呼ばれていたが、今は違うというニュアンス。)
ポイント: 「呼び名の変更」や「部署名の変更」を説明するときに便利なパターンです。
The artist does not go by the name of James when he performs.
(そのアーティストは、ステージでは「ジェームズ」という名前では名乗りません。)
語注: artist = アーティスト、芸能人。perform = 演じる、出演する。
型: S do not go by the name of 名 when S V
よくある誤り: ×does not goes by ではなく、does not go by と動詞の原形に戻します。
What she meant by that message was just a friendly reminder.
(彼女があのメッセージで言いたかったのは、ただのやさしい「念押し」だったのです。)
語注: meant = mean の過去形。friendly reminder = やわらかい注意・念押し。
型: What S meant by 名 was ~(「その言葉で言いたかったことは~だった」と説明する形。)
ポイント: 「怒っていたわけではないよ」など、意図の誤解をほどくときに使える表現です。
ミニ比較&誤り注意: agent by / 基準 by / 名前・標示 by
「誰が?」「どんなルールで?」「なんて呼ぶ?」――どの質問に答えているかで、使う
by を整理しておきましょう。
1. agent by(動作主) 受動態の定番
「誰がその動作をしたか」をくっつける by。
-
例:
The song was written by her.(その歌は彼女によって書かれた。) - 質問ワード:Who?(誰によって?)
-
チェック:
by 人に書き換えて自然なら agent by。
2. 基準 by(ルール・物差し) Section 5
「どんな基準・ルールでそう言うか」を示す by。
-
例:
By law, the data must be protected.
(法律上、そのデータは守られなければならない。) - 質問ワード:According to what?(何によると?)
-
チェック:
according to ~に置き換えられたら「基準 by」。
3. 名前・標示 by(ラベルづけ) Section 10
「なんという名前・言葉で呼ぶ/意味づけするか」を示す by。
-
例:
We go by the name of Dragons.
(私たちは「ドラゴンズ」という名前で通っています。) - 質問ワード:By what name / word?(なんという名前・言葉で?)
-
チェック:
call / name / label / meanと相性が良いときは「名前 by」。
よくある誤り・曖昧ゾーン
-
NG:
*He is called hero by him.
「by him」は「誰が呼ぶのか」なので OK に見えますが、ふつうはby everyone/by the mediaのように 「多くの人/集団」が来る方が自然です。 -
NG混同:
*By law, we are called 'heroes'.
「法律によって『ヒーロー』と呼ばれる」は不自然です。 「法律で決められている」のか「人がそう呼んでいる」のかを分けましょう。
→ 基準:By law, we must help them.
→ ラベル:We are called 'heroes' by the media. -
意味のズレ:
What do you mean by us?は 「私たちをどういう意味で?」と変な感じになります。
→ 言葉の意味を聞くときはWhat do you mean by 'us'?のように「語・フレーズ」を置く。 -
チェックのコツ: その
by ~をwho / according to what / by what name or wordのどれで質問できるかを考えると、タイプの取り違えを防げます。
ミニ確認&モチベーション: プロフィール英語の準備運動
次のゴールは、「SNSプロフィール」「ビジネスプロフィール」「自己紹介ページ」などで
自分を英語でラベルづけできること。ここで学んだ
go by ~ / be called ~ by ... / mean by ~
を使って、自分の「呼ばれ方」「意味づけ」を表現できるか確認してみましょう。
Step 1:3つの質問に英語で答えられる?
-
「オンラインで、なんという名前で通っている?」
例:Online, I go by the name of ___. -
「職場では、同僚からどう呼ばれている?」
例:At work, I am called ___ by my colleagues. -
「自分の肩書きやタグを、どんな意味で使っている?」
例:By 'creator', I mean someone who loves making content.
Step 2:プロフィール文に組み込んでみよう
下の「ひな形」に自分の情報を入れれば、そのまま プロフィール英語の1~2文になります。
-
Online, I go by the name of ___, but my friends call me ___. -
At work, I am called ___ by my team, and by '___' I mean ___. -
In our community, I go by ___, which is what I mean by '___' in my profile.
次のセクションでは、これらのフレーズをベースに、
実際のプロフィール文を組み立てていきます。
「私はどんな名前で、どんな意味のラベルをつけたいか」を
日本語でメモしておくと、英語化がスムーズになります。
✔ 「誰が呼ぶか」は agent by、
✔ 「何の基準でそう言うか」は 基準 by、
✔ 「どんな名前・言葉でラベルづけするか」は
このセクションの 名前・標示 by。
この3つを押さえておけば、プロフィール英語で
自分をどう「見せるか」を、ぐっと自由にコントロールできるようになります。
11. 誓言や祈願を表す by
このセクションでは、誓い・祈り・強い願いを表すときの
by をまとめて学びます。
例:By my honor, I will protect you.(名誉にかけて君を守る)や
By God, I hope you are safe.(神にかけて、あなたの無事を祈る)のように、
「〜にかけて」「〜を前に誓って」というニュアンスになります。
これまで学んだ「時の期限」「場所」「動作主」「関係ラベル」の by が
時間・位置・行為者・属性のラベルだったのに対して、
このセクションは 心の強さ・誓い・祈りのラベル にフォーカスします。
物語やスピーチ・決意表明の英語を読むときに、ニュアンスがぐっとつかみやすくなります。
導入:誓い・祈り by のストーリー
シーン1:裁判・ドラマの世界
裁判ドラマで、証言台に立った人がこう言います:
I swear by God that I will tell the truth.
(神にかけて、真実だけを話すことを誓います)
swear= 誓うby God= 「神にかけて」=神を「証人」にするイメージ- とても重い約束なので、ふつうの世間話ではあまり使わない
シーン2:個人的な強い約束・祈り
大事な人を思って、こんなふうに言うこともあります:
I swear by my life that I will protect you.
(自分の命にかけて、あなたを守ると誓うよ)
by my life= 自分の「命」をかけて誓う、というとても強い表現- 「家族にかけて」「名誉にかけて」など、自分が大切にするものを置くことも多い
- 現実の会話では重くなりやすいので、主に映画・小説でよく出てくる表現として理解しておく
by God などは宗教的な背景が強い表現です。現実の会話で自分から使うときは、
相手の文化や場面に十分気をつけましょう。まずは「聞いて意味が分かる」「ドラマで聞き取れる」状態を目指すのがおすすめです。
コアイメージ図解:『証人を背中に立たせる by』
イメージ図:誰が何に「証人になってもらう」のか?
例文をパーツに分けてみると…
I swear by God that I will tell the truth.
- I swear = 「私は誓います」
- by God = 「神にかけて(神を証人にして)」
- that 以下 = 「これから言う内容が本当だよ」という中身
誓言 vs 祈願:どんな気持ちの by ?
「私はこうします!」と自分の行動を強く約束するときの by。
例:I swear by my life that I will never lie to you.
「どうか○○でありますように」という強い願いや感情をこめる by。
例:By God, I hope she is safe.
by は、ここでは「証人・後ろ盾の名前」をくっつけて、
言葉に本気度のラベルを貼る働きをしている、と考えると分かりやすいです。
小さな意味グループ分け:誓い・祈りの by を整理しよう
ここでは、誓い・祈り系の by を
3つの意味グループ に分けて整理します。スマホでも見やすいように、
1つずつカードで確認できる形にしました。
神や聖なるものの名前を出して、とても重い約束をするときの by。
宗教・文化と強く結びついているため、実生活では慎重に扱う表現です。
I swear by God that ...
神にかけて、〜と誓います。He swore by Almighty God that ...
全能の神にかけて、〜と誓った。They swore by the Bible.
彼らは聖書に手を置いて誓った。
場面: 裁判、宗教儀式、ドラマ・映画の厳粛なシーンなど。
ポイント:
「だれを証人にしているか」を by のあとに置くイメージで読むと分かりやすくなります。
神のかわりに、自分が大切にしているものを使って誓うパターンです。 宗教色は弱めですが、気持ちの重さはかなり強めです。
I swear by my life that ...
自分の命にかけて、〜と誓います。He swore by his honor.
彼は自分の名誉にかけて誓った。She swore by her family that ...
彼女は家族にかけて、〜と誓った。
場面: 映画・小説の真剣な告白、ドラマチックな再会シーンなど。
ポイント:
by + my life / my honor / my family など、
「それほど大事なものを賭けるくらい本気だよ」というニュアンスになります。
文の先頭などで、びっくり・感情・祈りを強く表す by。
多くは少し古風で、今はドラマや小説で見ることが多い表現です。
By God, that was close.
神よ、危ないところだった。By heaven, I did not know.
天に誓って、知らなかったのです。By all that is holy, ...
神聖なすべてのものに誓って、〜。
場面: 古風な英語、小説のセリフ、強い感情のこもった言い回し。
ポイント:
自分から多用するというより、「聞いて意味が分かる」レベルで OK。
現代の日常会話では、代わりに Oh my God. など別の感嘆表現がよく使われます。
by + 名詞 の名詞が、
「何を証人・後ろ盾にしているか」を表しています。
まずは、意味を聞き取れる・読んで理解できることを目標にしましょう。
型(パターン)ミニ表:誓い・祈りの by を一気に整理
誓言・祈願の by は、ほとんどが
「swear(誓う)」+ by か、
文頭の感嘆表現 として使われます。よく出る型だけサッと押さえておきましょう。
| ラベル | 型(パターン) | 例 | ニュアンス・注意 |
|---|---|---|---|
| 厳粛な誓い |
I swear by + 神聖なもの + that S V
|
I swear by God that I am innocent.神にかけて、私は無実だと誓います。 |
・法廷・宗教など、とても重い場面向き。 ・ swear by のあとは、
God / Almighty God / the Bible などがよく来る。・日常会話ではほとんど使わず、ドラマやニュースで見るレベル。 |
| 個人的な誓い |
I swear by + 自分の大事なもの + (that) S V
|
I swear by my life that I'll protect you.自分の命にかけて、君を守ると誓うよ。 |
・my life / my honor / my family など、
「大切さ」を強く感じる名詞が来る。 ・恋愛ドラマや小説でよく出る、とても感情の強い表現。 ・現実の会話では、言い過ぎになりやすいので使う場面を選ぶ。 |
| 文頭の感嘆 |
By + 神聖な名詞, S V ...
|
By God, that was dangerous.神よ、あれは危なかった。 |
・文頭でびっくり・恐怖・安堵を強く表す。 ・ By God, ... / By heaven, ... などは
やや古風で、今は本・映画向き。・現代の会話では Oh my God. などがもっとよく使われる。
|
| 短い誓い・感嘆 |
By + 名詞!(単独で感嘆文)
|
By heaven!天にかけて!(なんてことだ) |
・短く叫ぶタイプの誓い・感嘆。 ・かなり古風で、現代の日常会話ではほとんど自分からは使わない。 ・「出てきたときに意味が分かればOK」という読み取り用の知識。 |
| 応用的な誓い |
swear by + 名詞(目的語のみ)
|
She swears by this medicine.彼女はこの薬が絶対効くと信じている。 |
・ここでは by は「誓言」から派生して、「強く信じている」「絶対にいいと信頼している」の意味。 ・「この方法なら間違いないよ」という、強いおすすめニュアンス。 ・誓言 by の仲間だが、日常会話でもわりと使える便利表現。 |
by は、どの型でも
「何を証人や後ろ盾にしているか」 を表しています。
実際に自分で多用する必要はありませんが、
映画・ドラマのセリフを聞き取るための「読める・聞ける」ストック
として覚えておくと十分です。
「誓言や祈願を表す by」例文集
I swear by my life that I will always be by your side.
自分の命にかけて、いつもあなたのそばにいると誓います。
語注: swear = 誓う。by my life = 自分の命にかけて。by your side = あなたのそばに。
型: I swear by my life that S will ... の形で、「命にかけて~すると誓う」を表します。
レジスター: とてもドラマチックで、恋愛ドラマや小説でよく合う言い方。ふだんの会話では多用しない方が自然です。
バリエーション: I swear by my family that I will protect you.
Our CEO will always swear by this method when making big decisions.
うちのCEOは、大きな決断をするときは、いつもこの方法が一番だと信じています。
語注: CEO = 最高経営責任者。swear by = 「絶対にいいと信じている」という強い信頼。
型: S will (always) swear by + 方法 + when ... で「~というやり方を強く信じている」。
コロケーション: swear by this method / this book / this brand など、よくすすめる物と一緒に使います。
よくある誤り: *swear this method のように by を抜かさないように注意。
I do not swear by God in casual conversations.
ふだんの会話で、「神にかけて」といった誓い方はしません。
語注: casual conversations = くだけた会話。swear by God = 神にかけて誓う。
使い分け: 日常の軽い場面では、強すぎる誓いは避けて I promise などを使う方が自然です。
よくある誤り: 英語でも文化的に重い表現なので、冗談半分で多用しないよう注意と説明してあげると安心です。
Do you really swear by God that this story is true?
この話が本当だと、ほんとうに神にかけて誓えますか。
語注: really = 本当に。story = 話。true = 本当の。
型: Do you really swear by God that S is ... ? で、「本気でそう誓えるの?」という強い確認になります。
よくある誤り: くだけた場面では、相手を責めているように聞こえることがあるので、使う相手と場面に注意が必要です。
Can you swear by your honor that you will keep this secret?
この秘密を守ると、自分の名誉にかけて誓えますか。
語注: honor = 名誉。keep this secret = この秘密を守る。
レジスター: とても固い表現で、法廷ドラマや重い場面で合います。ふつうの友だち同士ではほとんど使いません。
バリエーション: Can you swear by your honor that you told the truth?
He is always saying he will swear by this method when he trains new staff.
彼は新しいスタッフを教えるときは、いつも「この方法にかける」と言っています。
語注: is always saying = いつも~と言っている(うんざり気味の感じも出せる)。train new staff = 新人を指導する。
型: He is always saying he will swear by this method when ... で、「いつも~だと言い張っている」というニュアンス。
使い分け: 進行形 + always で「しょっちゅうそうしている」という軽い不満・驚きの気持ちも表せます。
The old phrase 'By God' is still remembered by many elders.
古い表現「By God」は、今でも多くの年配の人たちに覚えられています。
語注: phrase = 決まり文句。elder = 年配の人。is remembered = 覚えられている(受動)。
型: The old phrase 'By God' is remembered by ... のように、表現そのものを主語にして説明しています。
使い分け: By God はやや古風で強いので、自分で使うより「出てきたときに意味を理解できる」レベルで押さえると安心です。
The promise was sealed, so to speak, by his words 'I swear by my life.'
その約束は、ある意味「I swear by my life.(命にかけて)」という彼の言葉で固められました。
語注: promise = 約束。was sealed = 固められた。so to speak = いわば。
型: The promise was sealed by his words ... のように、受動態で「約束が~によって固められた」と表現しています。
コロケーション: the promise was sealed / the deal was sealed など、話の決着がついたイメージでよく使います。
You should not swear by God lightly.
「神にかけて」とは、軽い気持ちで言うべきではありません。
語注: should not = ~すべきではない。lightly = 軽い気持ちで。
使い分け: 強い誓いの表現は、相手や文化によって不快に感じる人もいるので、控えめに使うのが安全です。
バリエーション: You should not swear by God just to win a small argument.
Why do people in movies swear by God so often?
映画の中の人たちは、どうしてそんなに「神にかけて」とよく誓うのでしょうか。
語注: in movies = 映画の中で。so often = とても頻繁に。
型: Why do people in movies swear by God so often? で、「なぜ~なの?」と理由をたずねています。
使い分け: 実生活では言い過ぎでも、映画やドラマでは感情を強く見せるために誇張して使われることが多いと説明できます。
Do not swear by your family just to win an argument.
口げんかに勝つためだけに、家族にかけて誓うようなことはしてはいけません。
語注: argument = 口げんか、言い合い。just to win = 勝つためだけに。
型: Do not + V ... で否定の命令文。「~してはいけません」という強い注意になります。
よくある誤り: 大事な家族や友人を軽い誓いに使うと、相手に重く感じられることが多い点も一緒に伝えると親切です。
He has always sworn by this remedy since he was young.
彼は若いころから、ずっとこの薬が一番効くと信じています。
語注: remedy = 薬・治療法。has always sworn = ずっと信じ続けてきた。
型: He has always sworn by ... since ... で、「~以来ずっと~を信じている」という現在完了の継続。
コロケーション: swear by this remedy / this cream / this teacher など、「これが一番だ」と長年すすめている物に使われます。
By God, I will finish this project on time.
神にかけて、このプロジェクトを期限どおりに終わらせます。
語注: project = プロジェクト。on time = 期限どおりに。
型: By God, S will ... で、文頭の感嘆+誓いの形。強い決意をドラマチックに表します。
使い分け: 現代のビジネスでは、宗教的な表現を避ける会社も多いので、実務では I will definitely finish ... などの方が無難です。
By God, I hope our love will last forever.
神にかけて、私たちの愛がずっと続くように願っています。
語注: hope = 願う。last forever = 永遠に続く。
レジスター: ロマンチックで少し古風な雰囲気。小説や映画のセリフとしてぴったりです。
バリエーション: By God, I hope our friendship will last forever.
「誓い・祈り by」は他の by とどう違う?
まずは全体イメージ
同じ by でも、「誰がやったか」 を言うときと、
「どんな人・性質か」 を言うとき、そして
「何にかけて誓うか」 を言うときでは、頭の中のイメージが少しずつ違います。
ここでは、Section 4 の 動作主 by、Section 9 の 関係ラベル by、そして今回の 誓言・祈願の by の 「役割のちがい」にサッと目印をつけておきましょう。
Section 4: 動作主 by
受動態
Who did it?
「誰によって 行われたか」をくっつける by。
文は受動態(be + 過去分詞)になるのがポイントです。
- 質問の形: 「誰がその行動をしたの?」
- よくある形:
be + Vpp + by + 人 - 例:
The report was written by Tom.
by の前が be + 過去分詞 になっているか?
・「誰がしたか?」を答えているか? → なら動作主 by。
Section 9: 関係ラベル by
ラベルづけ
In what way?
「どんな立場・性質として 見ているか」のラベルをつける by。
- 質問の形: 「どういう人・性質として?」
- よくある形:
be ... by birth / by profession / by nature - 例:
He is a doctor by profession.
Section 11: 誓言・祈願の by
誓い・祈り
On what?
「何にかけて その言葉を保証するか」を表す by。
神・命・家族・大事な価値などが右にきます。
- 質問の形: 「何をかけてそう言っているの?」
- よくある形:
swear by ... / By God, S ... - 例:
I swear by my life that I will protect you.
swear / promise / hope など「誓う・願う」動詞とセットか?
・右側が「神・命・名誉・家族」などの大事なものなら誓言 by。
ミニ比較カード:どの by を使う?
迷ったときは、「by の右側」と「文の質問」をチェックすると判断しやすくなります。
| シチュエーション | 正解の by | 考え方のヒント |
|---|---|---|
| レポートが「誰によって」書かれたかを言いたい。 | 動作主 by |
The report was written by Tom.「誰がしたか?」に答えているので Section 4。 |
| 彼が「職業として」医者だと言いたい。 | 関係ラベル by |
He is a doctor by profession.「どんな立場として?」なので Section 9。 |
| 彼が「命にかけて」約束していると言いたい。 | 誓言・祈願 by |
He swears by his life.「何をかけて?」の答えが右側に来るので Section 11。 |
| 「彼は生まれつき楽観的だ」と言いたい。 | 関係ラベル by |
He is optimistic by nature.性質ラベルなので Section 9。誓いではない点に注意。 |
| 「神にかけて、彼はうそをついていない」と強く言いたい。 | 誓言・祈願 by |
By God, he is not lying.文頭の By God, ... で強い誓い・感嘆を表す Section 11 の用法。
|
- 誰がした? → 受動態 +
by + 人(動作主) - どんな人? →
by birth / by profession / by nature(関係ラベル) - 何にかけて? →
swear by ... / By ...(誓言・祈願)
ミニ確認&モチベーション
下の 3つの質問に「はい」と答えられれば、誓言・祈願の by はほぼマスターできています。
- ① 受動態の
byと、誓いのbyの見分けがつく。 - ②
by profession / by natureのような「ラベル by」と、誓いのbyを混同しない。 - ③
swear by ...やBy God, ...を見たとき、「何をかけて?」というイメージが浮かぶ。
ここまで来たあなたへ:次のステップ
これで 「誓い・祈り」という、一番感情の強い by の使い方 まで一気にたどり着きました。 ここまでで、by の大きな意味グループをほぼ一周したことになります。
次のセクションでは、ここまでに出てきた by のパターンをまたいで、 会話や文章でよく使う表現をまとめて整理していく予定です。
「これは動作主?ラベル?誓い?」と、自分でラベルをつけながら読み進めると、 by の世界が一気にクリアに見えてきます。
12. 「〜から生まれた」を表す by
このセクションでは、あるアイデアや結果が「何から生まれたのか」を表す
by を学びます。
たとえば、This plan was inspired by your story.
(この計画はあなたの話から着想を得た)や
The rule was shaped by past failures.
(そのルールは過去の失敗から生まれた)のように、
背景にある経験・原因・きっかけを「by ~」でラベルづけします。
これまで学んだ「動作主」「基準」「関係ラベル」の by が
誰がしたか・何をもとにしたか・どんな関係か
を示していたのに対して、ここでは
どんな経験・出来事から、そのアイデアや結果が「生まれてきたか」
にズームインします。
何から生まれた?にズームインする by
会議やプレゼンで、こんなフレーズを聞いたことはありませんか?
This idea was inspired by customer feedback.Our policy is based on data collected by the team.The design was born by trial and error.
どれも、「今ここにあるアイデア・ルール・デザイン」が、
「どんな背景・経験・きっかけ」から生まれたのかを
by でていねいに説明しています。
このセクションでは、背景(過去のモヤモヤ)と
目の前の結果(はっきりした形)をつなぐ
by の使い方を、ストーリー仕立てで整理していきます。
コアイメージ:背景の「モヤモヤ」から前に出てきた「アイデア・結果」へ
Step 1 ─ 背景の「モヤモヤ」
- 失敗、悩み、不満
- アンケート結果・データ
- 現場の声・経験談
まだ形になっていない「材料」たち。 ここから何かが生まれてくるイメージです。
by = 背景を通すレンズ
「このアイデアは、何から生まれたのか?」
by + 経験・原因・きっかけ で、
背景と結果を一本の線でつなぐ。
Step 2 ─ 前に出てきた「アイデア・結果」
- 新しい企画・サービス
- 決まったルール・方針
- 洗練されたデザイン・方法
目の前にある「形」が、どんな背景から生まれたのかを
by で説明します。
例:
This concept was inspired by user complaints.
(このコンセプトは、ユーザーの不満から生まれたものです。)
「ユーザーの不満」という背景(モヤモヤ)を、
by でアイデアと結びつけている、とイメージしてください。
小さな意味グループ:「何から生まれた?」を 3 つに分けて見る
アイデア・作品が「~から生まれた」
プレゼンや企画書でよく使う、
「このアイデアは〇〇から生まれました」
タイプの by。
-
inspired by~
(~にインスパイアされて) -
influenced by~
(~に影響を受けて) -
shaped by~
(~によって形づくられて)
例:The concept was inspired by user stories.
(そのコンセプトはユーザーの話から生まれた。)
「背景の材料(user stories)」が、 前に出てきたアイデア(concept)を生んだイメージ。
変化・行動・流れが「~によって生じた」
「どんなきっかけで、その変化・流れが起きたか」を説明する
by。
-
driven by~
(~に後押しされて / ~に動かされて) -
caused by~
(~が原因で) -
triggered by~
(~をきっかけとして起こり)
例:The change was driven by customer needs.
(その変化は顧客のニーズによって生まれた。)
「顧客のニーズ」という 力・きっかけが、 変化の流れを生み出しているイメージ。
感情・関係が「~から生まれた」
人と人のつながりや、心の動きが
「どんな経験から生まれたか」
を説明する by。
-
strengthened by~
(~によって強くなり) -
deepened by~
(~によって深まり) -
bonded by~
(~によって結ばれ)
例:Their friendship was strengthened by hard times.
(ふたりの友情はつらい時期を通して生まれ直した。)
「hard times」という 共有した経験から、 感情や関係が育っていくイメージです。
スマホで見るときは、カードが上下に並びます。
「アイデア・作品」「変化の流れ」「感情・関係」の
どれを説明している by なのかを意識して読むと、
例文の理解がぐっと楽になります。
図解1:「背景 → 産物」のフロー
「『~から生まれた』を表す by」は、
背景(Background) にあるものが
前に出てくる結果(Result) を生むイメージです。
例:ユーザーの声、つらい経験、長年の研究 など
inspired by, driven by,
caused by, shaped by など
「~によって」「~に動かされて」「~からヒントを得て」
例:The concept was inspired by user stories.
(コンセプトはユーザーの声から生まれた)
ポイント:結果(Result)を主語にして、
「それは by ~ によって生まれた」と言う形が基本です。
図解2:「動作主 by」との対比ミニ図
だれがその行動をしたか?
「行動の実行者」 にフォーカスする by。
例:The cake was baked by my mother.
「ケーキ」という結果はあるが、 注目点は「誰が作ったか」= my mother。
- 主語:行為を受けるもの(ケーキ)
- by:行為者(my mother)
- 質問のイメージ:「誰がやったの?」
何からその結果が生まれたか?
「背景・きっかけ・材料」 にフォーカスする by。
例:The idea was inspired by her story.
注目点は 「アイデアは何から生まれたか」 = her story。
行為者そのものではなく、アイデアの源を説明。
- 主語:生まれたもの(idea, change, plan など)
- by:きっかけ・材料(her story など)
- 質問のイメージ:「何がきっかけで?」
型(パターン)ミニ表:「○○は、△△によって生まれた」
| イメージ | 基本パターン | 例文(短め) | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 💡 アイデア・コンセプト |
A is inspired by B
|
The idea was inspired by a question.
|
B = きっかけ・ヒント。質問があったから「アイデア」が生まれた。 |
| 🧱 形・方針・デザイン |
A is shaped by B
|
Our policy is shaped by feedback.
|
B = フィードバックが「形作る材料」。方針は意見から生まれている。 |
| 🔁 変化・流れ |
A is driven by B
|
The change is driven by data.
|
B = 動かす力。データがあるから、その変化が起きている。 |
| ⚠ 原因・結果 |
A is caused by B
|
Delays were caused by a bug.
|
B = 原因。バグがあったから遅れという結果が生まれた。 |
| 🤝 関係・絆 |
A is strengthened by B
|
Their bond was strengthened by the project.
|
B = 共有した経験。プロジェクトから、強い絆が生まれたイメージ。 |
| ❤️ 感情 |
A is filled by B / A is moved by B
|
Her heart was moved by his words.
|
B = きっかけとなる言葉や出来事。そこから感情が生まれた。 |
比較・誤り注意:『~から生まれた』を表す by の使いどころ
because of / from との違い
どれも「原因・理由」を言いますが、どこにフォーカスするかが少し違います。 イメージを分けておくと迷いにくくなります。
| 表現 | ざっくりイメージ | ミニ例 |
|---|---|---|
⚠ because of
|
「直接的な理由」にスポット |
The event was canceled because of the storm.(中止の理由は「嵐」という事実) |
📍 from
|
「出どころ・出発点」にスポット |
I got the idea from a movie.(アイデアの出どころは「映画」) |
💡 『生まれた』by
|
「背景から生まれた結果」にスポット |
The concept was inspired by a movie.(映画という「背景」からコンセプトが生まれた) |
NG / OK で比べてみよう
NG 気をつけて
The idea was born because of her story.
文法的に絶対ダメではありませんが、 やや日本語訳っぽく重い言い方で、自然さに欠けます。
OK 自然
The idea was inspired by her story.
「ストーリー」が背景にあって、そこからアイデアがスッと浮かび上がったイメージ。 「『~から生まれた』by」のコアイメージに合っています。
よくある迷いポイント
-
「身近な経験」=
fromでも表せるが、 「結果としてのアイデア・方針」に光を当てたいときはinspired by,shaped byが便利。 -
悪い結果・トラブル には
caused by/because ofの両方が使えるが、
「原因⇔結果」をはっきり言いたいときはcaused byの方が英作文では分かりやすい。
動作主 by との誤用
受け身の文では、人を表す by がよく出てきます。
これと「背景から生まれた by」を混同しないようにしましょう。
1) 動作主 by(Section 4)
The logo was designed by our team.
「だれが作業したか」にフォーカス。
チーム=行為者 を表す by。
2) 『~から生まれた』by(Section 12)
The logo was inspired by traditional art.
「ロゴのデザインが何から生まれたか」にフォーカス。
traditional art は行為者ではなく背景・源。
NG になりがちなパターン
NG
The change was inspired by the manager.
「マネージャーという人」そのものがインスピレーションの源という、 すこし曖昧な言い方になります(完全な誤りではないが伝わりにくい)。
Better
The change was inspired by the manager's feedback.
何がきっかけかを 具体的に(feedback, idea, story など) 言うと、 「『~から生まれた』by」のニュアンスがはっきりします。
チェックポイント(迷ったときの質問)
-
「この
by ~は、 『だれがやったか』 を言いたい?
→ はい → 動作主 by(Section 4) の可能性大。 -
「この
by ~は、 『どこから生まれたか・何がきっかけか』 を言いたい?
→ はい → 『~から生まれた』by(Section 12)。
英作文のときは、by のあとに来る名詞が
「人そのもの」なら動作主、
「ストーリー・経験・アイデア・フィードバック」なら背景、
という目安で仕分けると整理しやすくなります。
「『〜から生まれた』を表す by」の例文
Our new service was inspired by customer feedback.
私たちの新しいサービスは、お客様からのフィードバックから生まれました。
語注: inspired = 「〜からヒントを得た・影響を受けた」。feedback = 感想・意見。
型: S + be + inspired by + 名詞(〜は…から生まれた)。受動態+by の形。
レジスター: ビジネスで「このサービスの発想源」を説明するときによく使える表現。
バリエーション: Our new plan was inspired by customer questions.
Our company culture has been shaped by many small choices.
私たちの会社の文化は、たくさんの小さな選択から形づくられてきました。
語注: culture = 社風・文化。shaped = shape(形づける)の過去分詞。
型: S + has been shaped by + 名詞(現在完了受動:これまでずっと〜によって形づくられてきた)。
使い方: 「一度きりの原因」ではなく、「積み重ねの結果」を言うときに合います。
バリエーション: Our values have been shaped by our history.
The delay was not caused by the design team.
その遅れは、デザインチームが原因で起きたのではありません。
語注: delay = 遅れ。cause = 引き起こす。
型: S + be not caused by + 名詞(〜は…によって起きたのではない)。原因の否定。
使い分け: ミスの責任をはっきりさせるときに便利。because of より「原因⇔結果」を強く意識。
バリエーション: The problem was not caused by a single person.
Was the problem caused by a system error?
その問題は、システムエラーが原因で起きたのですか。
語注: system error = システムのエラー、不具合。
型: Was + S + caused by + 名詞?(〜は…が原因で起きたのですか)。受動態の疑問文。
コロケーション: caused by a bug / by human error / by a typo などとよく組み合わせる。
バリエーション: Was the crash caused by heavy traffic on the server?
A quiet change is being brought about by younger staff.
静かな変化が、若いスタッフたちによって少しずつ生まれつつあります。
語注: bring about = 引き起こす、生み出す。quiet change = 目立たない変化。
型: S + is being brought about by + 名詞(進行形の受動:今まさに〜によって生まれている)。
レジスター: 社内レポートなど、少し落ち着いた文体でよく使える表現。
バリエーション: A big shift is being brought about by new technology.
His latest song was inspired by his love for her.
彼の最新の歌は、彼女への愛から生まれた曲です。
語注: latest = 最新の。love for her = 彼女への愛情。
型: S + was inspired by + 名詞。ラブソングの由来を説明するときによく合う形。
使い方: 詩・歌・物語などの「元になった気持ち」や「モデル」を話すときに便利。
バリエーション: The story was inspired by their first date.
Which part of your life was this novel inspired by ?
この小説は、あなたの人生のどの部分から生まれたのですか。
語注: novel = 小説。which part of your life = 人生のどの部分。
型: Which part of ... was S inspired by?(どの部分から〜が生まれたの?)という聞き方。
レジスター: インタビューや友人同士の会話で、作品の「元ネタ」を聞くときにぴったり。
バリエーション: Which experience was this painting inspired by?
Our success was not brought about by luck alone.
私たちの成功は、運だけから生まれたものではありません。
語注: success = 成功。luck alone = ただ運だけ。
型: S + was not brought about by + 名詞(〜は…だけから生まれたのではない)。
使い方: 「努力も大きかった」と伝えたいときに便利な言い回し。
バリエーション: Our progress was not brought about by chance alone.
Please judge this plan by the changes that were brought about by your team.
この計画は、あなたのチームが生み出した変化によって判断してください。
語注: judge = 評価する。changes = 変化。plan = 計画。
型: Please + V + O by the changes that were brought about by + 名詞。
ポイント: by が 2 回出てくるが、前半は「判断基準」、後半は「変化を生んだ背景」を表している。
バリエーション: Please judge this project by the results that were brought about by our efforts.
Has your career been shaped by any mentor in particular?
あなたのキャリアは、特に誰かの指導から生まれたものですか。
語注: career = 経歴・キャリア。mentor = 指導者。in particular = 特に。
型: Has + S + been shaped by + 名詞 ... ?(現在完了受動の疑問文)。
使い方: 「今の自分がどこから生まれたか」を、丁寧に尋ねる表現として使える。
バリエーション: Has your style been shaped by any writer?
My decision was not shaped by fear but by facts.
私の決断は、恐れから生まれたのではなく、事実から生まれたものです。
語注: decision = 決断。fear = 恐れ。facts = 事実。
型: S + was not shaped by A but by B(A ではなく B から生まれた)。対比の表現。
使い方: 感情ではなく、データや事実にもとづいて決めたことを強調したいときに便利。
バリエーション: The policy was not shaped by pressure but by careful discussion.
The sudden boom was caused by a short video that went viral.
その急なブームは、バズった短い動画から生まれました。
語注: boom = ブーム。go viral = ネットで爆発的に広がる。
型: S + was caused by + 名詞節。後ろに that ... と説明を続けている。
使い分け: 「はっきりした原因」を説明したいときは caused by が分かりやすい。
バリエーション: The traffic spike was caused by a single post.
The calm atmosphere in this office was brought about by small rules that everyone follows.
このオフィスの落ち着いた雰囲気は、みんなが守っている小さなルールから生まれました。
語注: calm atmosphere = 落ち着いた雰囲気。rule = 規則。follow = 守る。
型: S + was brought about by + 名詞節。後ろに that 節でルールの説明。
ポイント: 「目に見える雰囲気」が「目に見えにくいルール」から生まれているイメージ。
バリエーション: The friendly mood was brought about by simple greetings.
To what extent was the policy shaped by public opinion?
その方針は、どの程度まで世論から生まれたものなのですか。
語注: policy = 方針。public opinion = 世論。to what extent = どの程度まで。
型: To what extent was S shaped by + 名詞?(どのくらい〜は…から生まれた?)。
レジスター: ニュース解説や会議で、影響の強さをたずねるときに使える少しフォーマルな表現。
バリエーション: To what extent was the plan shaped by customer needs?
ミニ確認&モチベーション:『〜から生まれた by』を自分ごとにする
「何からこの結果・アイデアが生まれたか」を英語でラベルづけできれば、説明力が一気にアップします。
Check ✅ 3つのポイントをサッと確認
-
① 「何から生まれた?」を
byで言えているか?例:アイデア・作品・変化・感情が どこから生まれたのか を、inspired by / shaped by / caused by / brought about byの形で言えますか? -
② 「だれがやった?」の
byと区別できるか?The book was written by her.は「彼女が書いた」= 動作主。
The idea was inspired by her story.は「彼女の話から生まれた」= 背景・きっかけ に注目しています。 -
③
because of / fromに置きかえたとき、ニュアンスの差を感じられるか?because ofは「理由をポンと言う」感じ、
byは「そこから生まれてきた結果」にフォーカス、
fromは「出発点・材料」寄り、というイメージを持てればOKです。
Motivation 💡 今日からすぐ使える「由来トーク」
面接・自己紹介・ポートフォリオ説明などで、
「この選択・作品・考え方は、何から生まれたのか?」を
by で言えると、
説得力のあるストーリー
になります。
-
Career:
My career was partly shaped by a failure in my twenties. -
Project:
This project was inspired by a small customer complaint. -
Relationship:
Our trust was brought about by many honest talks.
✏️ 30秒セルフワーク(紙やメモアプリに書いてみよう)
- 自分の「今の仕事・趣味・人間関係」から1つテーマを選ぶ。
- 「それは何から生まれた?」を日本語でざっくり書く。 (例:先輩の一言、昔の失敗、小さな成功体験…)
-
それを英語で
inspired by / shaped by / caused by / brought about byを使って1文にしてみる。
最初はぎこちなくてOKです。
「自分のストーリーを英語で語れるようになる第一歩」として、
このセクションの by を少しずつ自分の表現に混ぜていきましょう。
13. 「〜に対して」を表す by
人・ルール・結果などに対する「スタンス」「態度」をラベルづけする by
このセクションでは、「誰に」「どのルールに」「どんな結果に」対して行動するかを表す
by をまとめて学びます。
たとえば、
stand by you(あなたの味方でいる)や
abide by the rules(ルールに従う)、
judge by results(結果で判断する)など、
「何に対してそうしているのか」という矢印を表すイメージです。
by との違い
-
尺度・基準の
by(Section 5)…
by age / by size / by my watch
👉 「どんなものさしで見るか」のラベル -
関係ラベルの
by(Section 9)…
by birth / by profession
👉 「生まれ・職業などの属性ラベル」 -
『〜から生まれた』の
by(Section 12)…
👉 「何が原因でその結果が生まれたか」
by
- 人に対して:stand by you(あなたの味方でいる)
- ルール・価値観に対して: abide by the rules(ルールに従う)
- 結果・データに対して: judge by results(結果で判断する)
人に対する態度・立場を表す by
「誰の側に立つか」をラベルづけする by
ここでの by は、
「誰に対して」「誰の側に立って」その行動をしているか
を示すラベルです。
-
stand by you= あなたのそばに立つ・味方でいる -
be by his side= 彼のそばにいて支える -
stick by her= 彼女の味方であり続ける
物理的に「そばにいる」イメージから、 心のスタンス(味方・サポート) まで広がるのがポイントです。
コアイメージ図解:「誰のそばに立つか」の矢印
ざっくり言うと、
「主語がどの人の横に立っているか」
を by + 人 でラベルづけしているイメージです。
-
I will stand by you.
👉 「私はあなたの味方としてそばにいるよ」 -
She stayed by his side.
👉 「彼女は彼のそばにい続けた」
よく使う「態度・立場 by」パターン
stand by + 人
「〜の味方でいる」「〜を支える」の基本パターン。
I will stand by you.
- 人間関係・恋愛シーンでもよく使う
- 「離れない」「見捨てない」ニュアンス
be / stay by + 人('s side)
「〜のそばにいる」「〜の側にとどまる」。物理的な「そば」から、気持ちの「そば」まで表現可能。
- stay by his side = 彼のそばにいる
- 病気・つらい時の支えを表す場面にも多い
side with + 人, stick by + 人
対立がある中で「どちら側につくか」を表現。「〜の味方でい続ける」「〜の側につく」ニュアンス。
- side with her = 彼女の側につく
- stick by them = 彼らを見捨てない
by + 人 で表す
物理的な「そば」→ 心の「そば」へイメージ拡張
「〜に対してどういうスタンスか」を意識して読む
規則・方針・価値観に対する姿勢を表す by
「どんなルール・価値観に従っているか」をラベルづけする by
ここでの by は、
「どんな規則・方針・価値観にしたがって行動しているか」
を表すラベルです。
-
play by the rules= ルールにしたがって行動する -
go by company policy= 会社の方針にしたがって動く -
live by your values= 自分の価値観にしたがって生きる
つまり、「行動」に
「どんな基準に対してまじめか/反発しているか」
のタグを貼るのが、この by の役割です。
コアイメージ図解:「行動」+「どのルールに対して?」
イメージとしては、
「行動」というボールに、横から by + ルール でラベルを貼る
感じです。
-
We must play by the rules.
👉 「ルールに対してきちんとまじめに行動しよう」 -
She lives by her own values.
👉 「彼女は自分の価値観に対して正直に生きている」
規則・方針・価値観に対する by の代表パターン
play by + the rules
abide by + the law
「〜に従って行動する」「〜を守る」の代表パターン。
- play by the rules = ルールを守る
- abide by the law = 法律を守る
go by + policy / rule
judge by + standard
「〜にしたがって決める/判断する」。ビジネス文脈でよく使う型です。
- go by company policy = 社内方針に従う
- judge by results = 結果を基準に評価する
live by + values / principles
go by + belief
「〜という価値観を大事にして生きる」「〜という信念に沿って動く」パターン。
- live by your principles = 信念にしたがって生きる
- go by her belief = 彼女の信念を基準にする
by は「何というルール・価値観に対してまじめか」のラベル
play / go / live / abide などと相性がよい
「何に対して?」を by + 名詞 で必ずセットで意識する
判断・評価の「基準に対して」の by
「何を基準にして評価しているか」を表す by
ここでの by は、
「どんな物差し(基準)に対して人や物を評価しているか」
を示します。
-
judge people by their looks
= 人を見た目という基準に対して評価する -
measure success by profit
= 成功を利益という基準に対してはかる
イメージとしては、
人・行動・結果 に
「何を物差しにしているか」というタグを
by + 基準 で貼る感じです。
コアイメージ図解:「評価の対象」+「どんな物差しで?」
「対象」をじっと見ているだけでなく、 どんな物差し(score, numbers, appearance など) を横から当てているイメージです。
-
Don't judge yourself by others' success.
👉 「ほかの人の成功という物差しに対して自分を測らないで。」 -
We are evaluated by our performance.
👉 「私たちは業績という基準に対して評価されている。」
判断・評価の「基準に対して」の by 代表パターン
judge A by B
evaluate A by B
A(人・行動)を、B(基準)で評価する型。
- judge people by their looks
- evaluate students by their effort
measure A by B
rate / score A by B
A(成果・成功)を、B(数字・結果)で測る・採点する型。
- measure success by profit
- rate staff by customer feedback
rank A by B
sort A by B
A(リスト・候補)を、B(基準)で並べる・順番を決める型。
- rank candidates by experience
- sort files by date
judge / measure / rank など評価系動詞と相性がよい
by の後ろには「点数・数字・基準」を置くイメージ
「〜に対して」を表す by の例文
She is kind by nature to children.
彼女は、もともとの性格として子どもたちに優しい人です。
語注: by nature = 生まれつき・性格として。kind = 優しい。
型: S be + 形容詞 + by nature + to 人
使い分け: 一時的な気分ではなく、長く続く性格・気質を説明するときに使う。
The system blocks new requests by default during maintenance.
そのシステムは、メンテナンス中は初期設定として新しいリクエストをブロックします。
語注: by default = 初期設定では。maintenance = メンテナンス。
型: S V O + by default + 副詞句
使い分け: 「人の性格」ではなく、「設定やルールとしてそうなっている」ときに使う。
All complaints are handled by the rules, not by personal mood.
すべてのクレームは、個人の気分ではなく、規則に従って対応されます。
語注: complaint = クレーム・苦情。personal mood = 個人の気分。
型: All A are handled by the rules, not by B.
使い分け: 「誰が」ではなく、「どんなルールに対して動いているか」を示す by。
The delay is acceptable by our standards for long projects.
その遅れは、長期プロジェクトについては、私たちの基準に対しては許容範囲です。
語注: acceptable = 許容できる。standards = 基準。
型: S be + 形容詞 + by our standards + for 用途
使い分け: 「絶対的にOK」ではなく、「私たちの物差しに対してOK」というニュアンスになる。
He is not aggressive by nature, even when he argues.
彼は、口げんかをするときでさえ、もともとの性格として攻撃的な人ではありません。
語注: aggressive = 攻撃的な。argue = 言い争う。
型: S be not + 形容詞 + by nature, even when S V
よくある誤り: × He is by nature not aggressive. のように by nature を間にはさむと、やや不自然になりやすい。
Is this option turned on by default for new users?
このオプションは、新規ユーザーに対しては初期設定でオンになっていますか。
語注: option = 設定項目。turn on = オンにする。
型: Is this option Vpp by default for A?
使い分け: 「自分で変えた結果」ではなく、「最初の状態として」そうなっているかをたずねる表現。
Please do not measure yourself by others' success.
どうか自分を、ほかの人の成功という物差しに対して測らないでください。
語注: measure = 測る。success = 成功。
型: Do not measure yourself by A.
使い分け: 「何に対して」自分を見るか、という基準を表す by。心理的な「物差し」もOK。
You are doing well by our standards, so please relax.
あなたは、私たちの基準に対してはよくやれているので、少し気持ちを楽にしてください。
語注: be doing well = うまくやっている。relax = 気を楽にする。
型: You are doing well by our standards, so S V.
レジスター: 上司や先輩が部下・後輩にかける、少しやさしいビジネス表現。
I have always been curious by nature about how things work.
私は、物事がどう動くのかについて、生まれつきずっと好奇心の強い人です。
語注: curious = 好奇心が強い。how things work = 物事がどう動くか。
型: I have always been 形容詞 by nature about ~.
よくある誤り: × curious by のあとに「人」を入れてしまうと「その人に好奇心を向けている」になり、性格の話からズレる。
How are bonuses decided by the rules in this company?
この会社では、ボーナスは規則に対してどのように決められていますか。
語注: bonus = ボーナス。decide = 決める。
型: How are A decided by the rules in 場所?
使い分け: 「誰が決めるか」ではなく、「どんなルールに対して決められるか」をたずねるときの by。
This shortcut is not allowed by the rules, even if it saves time.
この近道は、時間の節約になるとしても、規則に対しては許されていません。
語注: shortcut = 近道・ショートカット。allow = 許す。
型: S be not allowed by the rules, even if S V.
よくある誤り: × by law と言うと「法律に対して」で、社内ルールの話からズレることがある。
Our love looks unusual by others' standards, but it makes us happy.
私たちの愛は、ほかの人たちの基準に対しては変わって見えるかもしれませんが、私たちを幸せにしてくれます。
語注: unusual = ふつうと違う。standards = 基準。
型: Our love looks 形容詞 by others' standards, but S V.
使い分け: 「世間の物差しに対しては変でも、自分たちにとってはOK」という対比をやさしく表現できる。
Performance is judged by our standards, not by outside rankings.
成績は、外部のランキングではなく、私たちの基準に対して評価されます。
語注: performance = 成績・業績。ranking = ランキング。
型: A is judged by our standards, not by B.
コロケーション: judge A by standards, judge A by results など「judge + by + 基準」がよく使われる。
Do you think she is cold by nature, or just shy with strangers?
彼女は、生まれつきよそよそしい性格に対してそう見えるのか、それとも単に知らない人に対して恥ずかしがり屋なだけだと思いますか。
語注: cold = 冷たい感じの。stranger = 知らない人。
型: Do you think S be 形容詞 by nature, or just 形容詞?
使い分け: 「性格としてそうか」「状況に対してそう見えるだけか」を対比させる便利な聞き方。
Please act by the rules toward every customer, even when you are tired.
疲れているときでも、すべてのお客様に対して規則に従って行動してください。
語注: act = 行動する。customer = 顧客・お客様。
型: Please act by the rules toward A, even when S be 形容詞.
よくある誤り: × act to the rules とは言わず、act by the rules または follow the rules を使う。
Are we being fair by our standards to part-time staff?
私たちは、パートタイムスタッフに対して、自分たちの基準から見て公平にふるまえているでしょうか。
語注: fair = 公平な。part-time staff = パートタイムのスタッフ。
型: Are we being 形容詞 by our standards to A?
使い分け: 進行形 are being fair で、「今この場面に対して、公平にふるまっているか」をやわらかく問いかける。
⚖️比較・誤り注意コーナー
「〜に対して」を表す by は、性質・姿勢・基準という「見えない物差し」を表すのが役割です。
「人に向ける態度」「原因・理由」「行為者」を表すときは、to / toward / for / because of など別の前置詞がふさわしい場面も多いので、ざっくり整理しておきましょう。
🧭1. 「〜に対して」の候補たちを整理
「もともとの性格・気質」のラベルを貼るイメージ。
✓
She is patient by nature with children.
✗
She is patient to nature with children.
「誰に向けて」の矢印そのものを表すときは to / toward。
✓
He is kind to everyone.
✗
He is kind by everyone.
「〜のために良い/やさしい」は、for で「利益の対象」にフォーカス。
✓
This rule is good for users.
✗
This rule is good by users.
「〜が原因で」は基本的に because of や from を使う。
✓
The delay happened because of bad weather.
✗
The delay happened by bad weather.
🚦2. 他の by との区別ポイント
-
動作主 by 「誰がしたか」にフォーカス
The report was written by Tom.
→ 「トムによって書かれた」=行為者。一方、
by our standardsは「どんな物差しに対して評価するか」の話で、誰がしたか とは別物。 -
基準 by 法律・規則・社内基準など
by law / by the rules / by our standardsは、「どの基準に対して」OKかNGか を言うとき。✓ This is legal
by law.
✓ This is acceptableby our standards.
✗ This is acceptableby us.(行為者っぽくなり不自然) -
誤用あるある サクッとチェック
-
✗
He is kind by me.
→ 人に向けるならkind to me。 -
✗
We judged him by us.
→ 「基準」にしたいのでby our standardsが自然。 -
✗
He is tired by nature today.
→ 「今日は疲れている」は性格ではないのでHe is tired today.やHe is tired because of work.がよい。
-
✗
✅ミニ確認&モチベーション
「〜に対して」の by が見えるようになると、評価・方針・性格の話がぐっと自然になります。
1分だけ、自分に問いかけてみましょう。
「生まれつき」「もともとそういう人」という話なら by nature が候補。
例:
She is calm by nature in a crisis.
「社内ルールに対してOKか」「自分たちの物差しに対してどうか」を言いたいときは by + 基準。
例:
The result is fine by our standards.
「雨のせいで」「病気から」は、ふつう because of や from。
by を使うなら「基準」「性質」「ルール」に注目しているかどうかを確認。
例:
The delay happened because of traffic, not by traffic.
🌱今日の「ちょっとだけ背伸び」
自分のことや仕事のことを説明するときに、
ひと言だけ by を足してみましょう。
-
「私は〜な性格で」→ I am …
by nature. -
「うちの会社としては」→
By our standards, … -
「ルール上は」→
By the rules, …
Lesson 094 まとめ:by の用法マップ
このまとめでは、レッスン全体で学んできた
by の 13 の顔を
「地図」として整理します。
「いつまで」「どこに沿って」「誰によって」「どんな基準で」「どこから生まれて」など、バラバラに見えていた
by を、ひと目でイメージできる形にしていきましょう。
ここまでの各セクションで見てきた by は、
①時間・空間・ルート、
②人・態度・関係、
③基準・ラベル・出自・誓い
の 3 つの大きなエリアにまとめることができます。
🗺️ 「by の地図」:3 つのエリアで整理しよう
どの by も、どこかの「エリア」に属しています。迷ったら、この地図に戻ってきましょう。
エリア A:時間・場所・ルートの by
「いつまで」「どこで・どこに沿って」「どのルートで」「どのくらいの大きさで」など、
物理的な位置や道すじにくっつく by。
-
1. 時の期限を表す
by時間 -
2. 位置・近接(そば・隣)を表す
by場所 -
3. 経路や手段を表す
byルート -
7. 乗除や寸法を表す
by寸法・倍率
エリア B:人・態度・関係の by
「誰によって」「どの部分をつかんで」「誰に対して」「どんな関係で」など、
人と人とのつながりにくっつく by。
-
4. 動作主(〜によって)を表す
by行為者 -
8. 動作を受ける体や衣服の部分を表す
by体の一部 -
9. 関係を表す
by関係ラベル -
13. 「〜に対して」を表す
by態度・姿勢
エリア C:基準・ラベル・出自・誓いの by
「どんな基準で」「どんな名前で」「どこから生まれて」「何にかけて誓うか」など、
見えない基準や背景にラベルをつける by。
-
5. 尺度・基準を表す
by基準 -
6. 程度や差異を表す
by差の大きさ -
10. 名前や標示を表す
by名前・意味 -
11. 誓言や祈願を表す
by誓い -
12. 「〜から生まれた」を表す
by出自・原因
迷ったら、まず「この by は
A:場所・ルート /
B:人・関係 /
C:基準・ラベル・出自
のどれ?」と自分に質問してみましょう。
エリアが決まると、近いセクションどうしも思い出しやすくなります。
🧩 コアイメージの再確認:by = 「何かにくっついて、その目線で見る」
レッスン全体で見てきた by は、どれも
「あるものにピタッと寄りそって、その立場・ラインから見る」
というイメージでつながります。
by
「この立場から」「このラインに沿って」
何にくっつくのか? を考えます。
- ⏰ 時間(by 6 p.m.)
- 📍 場所・ルート(by the river)
- 👤 人・立場(by my parents)
- 📏 基準・ルール(by law / by size)
by でピタッと「接点」を作る
土台に by がくっついて、
そのライン上から見た世界 を作ります。
- ラインに沿う → by train / by email
- その人によって → by the team
- その基準で → by weight / by age
最後に、その by が
何のラベルをつけているのか を意識します。
- 期限ラベル → 「その時までに」
- 動作主ラベル → 「〜によって」
- 基準ラベル → 「〜という基準で」
- 出自ラベル → 「〜から生まれた」
🔍 どのセクションの by も、この 3 ステップで説明できます。
by + 時間・場所・ルート → 「いつ・どこ・どの道すじから見るか」
by + 人・関係 → 「誰の手・どの関係から見るか」
by + 基準・名前・出自 → 「どんな基準・背景から見るか」
✅ 総復習のときは、例文を見て
「この by は何にくっついている?」「どんなラベルを貼っている?」
と自分に問いかけてみましょう。コアイメージがぶれなくなるほど、知らない表現に出会っても
「あ、この by はこのエリアだな」
と自信を持って判断できるようになります。
⚠️ 混同ポイント・誤り注意まとめ
Lesson 094 で学んだ by の中でも、特に
入れ替えやすい表現・文法ポイント をまとめてチェックします。
「あれ?ここは by だったかな?」となったときの
最後の確認リストとして使ってください。
by + 時刻 / 日付 は
「その時までに(完了)」、
until + 時刻 / 日付 は
「その時までずっと(継続)」
を表します。
-
I will finish this report by 5 p.m.
(5時までに終わらせる:締め切り) -
I worked until 5 p.m. yesterday.
(昨日は5時までずっと働いていた:継続)
✕ I worked by 5 p.m. yesterday.
「5時まで働いていた」と言いたいなら
until を使います。
「その時までに終える」なら by です。
さらに、by the time ... は
「…するまでに(その時点までに)」 の意味で、
By the time I got home, it was dark. のように、
「ある時点までに完了したこと」をまとめるときに使います。
場所の by は
「すぐそば・真横」「そのラインにくっついて」
のイメージです。
似た表現とニュアンスを整理しておきましょう。
by the window:窓ぎわ、窓のすぐ横near the window:窓の近く(少し距離アリ)next to / beside the window:ぴったり隣at the window:窓のところにいて、そこに「立って/いて」いる感じ
✕ He is by our company.
「彼はうちの会社の所属です」と言いたいなら
→ He is with our company. / He works for our company.
by を「所属」の意味では使いません。
📌 ポイント:「位置」なら by / near / next to、
「所属」なら with / for というように、
何を表したいのかで前置詞を切り替えましょう。
手段・道具の by は
「手段の種類」 をざっくり言うときに使い、
冠詞(a / the / my など)をつけない のが基本です。
-
I go to work by train.
(電車という手段で) -
We talked by phone.
(電話という手段で) -
She paid by credit card.
(クレジットカードという手段で)
-
✕ I go to work by my car.
→I go to work by car.(手段として)
→I go to work in my car.(車の中に乗って) -
✕ I came by the bus.(ふつうは言わない)
→I came by bus./I came on the bus. -
オンラインやルートを強調したい時は
via:
We met via Zoom.
✅ 合言葉:
by + 手段の種類(無冠詞) /
with + 道具 /
in / on + 具体的な乗り物
Lesson 12 で学んだ「~から生まれた」を表す by と、
受動態の動作主 by や
because of / from は
混同しやすいポイントです。
-
Her idea was inspired by a small mistake.
(小さなミスから生まれた) -
The project started by chance.
(偶然から始まった)
-
The window was broken by a boy.
→ 「少年が壊した」(動作主) -
The game was canceled because of the rain.
→ 「雨が原因で中止になった」
※✕ by the rainはふつう使わない -
He got sick from stress.
→ 「ストレスが原因で」:健康・病気はfromが多い
🔑 まとめ:
誰か・何かが「積極的にやった」なら動作主の by、
単なる原因なら because of / from、
背景から「結果やアイデアが生まれた」なら Lesson 12 の by
と考えると整理しやすくなります。
基準・評価の by は
「どんな物差しで見るか」 にフォーカスします。
for や in terms of と整理しておきましょう。
-
By Japanese standards, this room is small.
(「日本の基準で見ると」小さい) -
We sorted the files by date.
(日付という基準で並べ替えた)
-
For Japanese people, this room is small.
→ 「日本人にとっては小さい」:人にフォーカス -
In terms of price, this is the best option.
→ 「価格という点で」:少しフォーマル -
✕ It is cheap by me.は誤り。
「私の感覚では安い」はIt is cheap for me.などを使います。
✅ 覚え方:
物差し・基準 → by /
人の感じ方 → for /
「〜の点で」きちんと言いたい → in terms of
by / 継続なら until」
と言い分けられていますか?
by に冠詞をつけていないか、
最後にもう一度チェックしてみましょう。
by は
「動作主」なのか「原因」なのか「基準」なのか、
どのラベルかを自分の言葉で説明できますか?
🔁 迷ったときは、このボックスに戻って
「何と何を言い分けるための by なのか」
を確認すれば、文法書の細かい説明に振り回されずにすみます。
次におすすめのレッスン
このレッスンで by の世界を一周しました。
次は、同じ前置詞グループの仲間たちをたどって、理解をさらに立体的にしていきましょう。