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仮定法

Lesson 110

目次

1. 仮定法

2. 仮定法過去

3. 仮定法過去完了

4. 仮定法現在

5. 願望を表す仮定法

6. if を用いない仮定法

7. 仮定法を用いた重要構文

仮定法

   実際にはない事、またはありそうもないことを仮にあるものとして考え、それを述べる時の動詞の形式を 仮定法 という。 話し手の想像・願望・助言・後悔を表すことが多い。反対に、ただ事実を述べる時の動詞の形式は 直説法 といい、命令や依頼を表す時の動詞の形式は 命令法 という。仮定法には現在・過去・過去完了の3つの形があります。

仮定法過去

現在の事実に反する仮定や実現の可能性が限りなく少ない未来の仮定を表します。

2 - 1.  仮定法過去の基本形

従節 ( if 節 / 条件節 )主節 ( 帰結節 )
( もし ~ ならば )( ~ するのだが )
if 主語

were

was

did

主語

would

should

could

might

動詞の原形

If I were you,

I wouldn't do it.

( もし僕が君だったら、そんなことはしないよ。 )

   仮定法過去は現在のことについて述べますが、if 節の動詞は過去形、主節には助動詞の過去形が用いられます。 if 節の be 動詞は基本的に were が用いられますが、口語で主語が 1 人称・ 3 人称単数の場合には was になることが多い。

2 - 2.  現在の事実と反対の仮定を表す場合

if I were you 」 は助言を与えるときに用いられることが多い。

If I were you, I would trust her.

( もし私があなたの立場なら、彼女を信用する。 )

If he knew the truth, he would tell us.

( 仮に彼が事実を知っていたら、私たちに話すだろう。 )

If it were not the sun, we could not live at all.

( 太陽がなければ、我々は生きてゆけないだろう。 )

2 - 3.  可能性の少ない未来の仮定を表す場合

   「 if + 主語 + should + 動詞の原形 ~ 」 という形で 「 万一 ~ なら 」という意味を表します。 主節の助動詞には現在形も用いられます。また命令形もよく用いられます。

If we should miss the train, we'll go by bus.

( 万一列車に乗り遅れたら、バスでいきます。 )

Don't get discouraged if you should fail.

( 万一失敗してもくじけるな。 )

If you should meet him, tell him to call me up.

( 万一彼に会ったら、私に電話をするように言ってください。 )

2 - 4.  未来の純粋な仮定を表す場合

   「 if + 主語 + were to + 動詞の原形 ~ 」 という形で、「 万一 」の should よりも実現の可能性が低い未来の純粋な仮定を表します。

If I were to live again, I would like to be a musician.

( もう1度人生をやり直すとすれば音楽家になりたい。 )

What would you do if the world were to come to an end tomorrow

( もし万一この世が明日終わるとしたら、どうしますか。 )

If you were to win the lottery, what would you buy with the money?

( 仮に宝くじに当たったとしたら、そのお金で何を買いますか。 )

仮定法過去完了

過去の事実に反する仮定を表します。

3 - 1.  仮定法過去完了の基本形

従節 ( if 節 / 条件節 )主節 ( 帰結節 )
( あの時もし ~ だったら )( ~ だったのだが )
if 主語 had 過去分詞 主語

would

should

could

might

have 過去分詞

   仮定法過去完了も、過去のことについて述べますが、if 節には過去完了形の動詞、主節には 「 過去形の助動詞 + have + 過去分詞 」が用いられます。

3 - 2.  過去の事実と反対の仮定を表す場合

   「 もし ~ だったら、… だったのに 」 という意味で、過去の事実と反対の仮定によって導き出される結果や結論を表します。

If he had studied harder, he would have passed the exam.

( 彼がもっと熱心に勉強していたら試験にパスしただろう。 )

If he had been a little more careful, he would have succeeded.

( 彼がもう少し慎重だったら成功したろうに。 )

If he had known, he might have come earlier.

( 知っていたら、彼はもっと早く来たかもしれない。 )

仮定法現在

   仮定法現在は that 節に導かれる名詞節の中で用いられ、 that 節内では、主語の人称・数、時制にかかわらず必ず 動詞の原形 を用います。つまり be 動詞は be を用います。 またイギリス英語の場合は、that 節内に 「 should + 動詞の原形 」 が用いられます。いずれも文語的表現。

4 - 1.  提案などを表す動詞 + that + 主語 + 仮定法現在 ~

 主節に 提案・要求・命令・主張・決定・助言・願望 などを表す動詞が用いられます。この用法で用いられる主な動詞は次のとおり。

advise ( 忠告する ) decide ( 決定する )
desire ( 望む ) demand ( 要求する )
insist ( 主張する ) order ( 命令する )
request ( 懇願する ) suggest ( 提案する )
prohibit ( 禁止する ) propose ( 提案する ) など

I suggest that the meeting be postponed.

( 私は会を延期することを提案します。 )

I advised him that he stay.

( 私は彼にとどまるように忠告した。 )

I proposed that she come with me.

( 私は、彼女も一緒に来れば、と提案した。 )

4 - 2.  it is + 必要などを表す形容詞 + that + 主語 + 仮定法現在 ~

   必要・感情・判断・妥当・驚き などを表す形容詞が 「 it isthat 」構文の補語になるとき、that 節中に仮定法現在を用います。 この用法で用いられる主な形容詞は次のとおり。

advisable ( 賢明な ) desirable ( 望ましい )
essential ( 不可欠な ) important ( 重要な )
necessary ( 必要な ) proper ( 適当な )
right ( 正しい ) など

It is important that you should be punctual.

( 時間を守ることは大事である。 )

It is necessary that he prepare for the worst.

( 彼は最悪の事態に備えておく必要がある。 )

It is essential that everyone should obey the rules.

( 全員がルールを守ることが絶対に必要だ。 )

願望を表す仮定法

   願望を表す仮定法は wish, would などの目的語となる that 節の中で用いられますが、ふつう that は省略されます。また口語では were よりも was が用いられます。

5 - 1.  主語 + wish + 仮定法過去 : 「 ~ であればいいのに 」

   現在の実現不可能なことの願望を表します。wish の後の節には 「 動詞の過去形 」、または 「 助動詞の過去形 + 動詞の原形 」 が用いられます。

I wish I were a prince.

( 私が王子様だったらいいのに。 )

I wish spring were here.

( 早く春になればいいのになあ。 )

I wish I could speak English.

( 英語が話せたらいいのだが。 )

I wish I knew where he was

( 彼の居場所が分かっていればなあ。 )

5 - 2.  主語 + wish + 仮定法過去完了 : 「 ~ であったらよかったのに 」

   過去に関する実現不可能なことの願望を表します。wish の後の節には、 「 had + 過去分詞 」、または 「 過去形の助動詞 + have + 過去分詞 」 が用いられます。

I wish I had seen her.

( 彼女に会えたらよかったのに。 )

I wish you had told me the truth then.

( 君はあのとき本当のことを話してくれたらよかったのに。 )

He wishes he had studied harder when he was young.

( 彼は、若いころもっと勉強しておけばよかったなあと思っている。 )

5 - 3.  would that + 仮定法 : 「 ~ であればよかったのに 」「 ~ であったらよかったのに 」

文語的表現。通常、主語を省略し that 節には仮定法過去や仮定法過去完了が用いられます。

Would that I were young again

( もう一度若くなれるといいなあ。 )

Would that my father had lived longer.

( 父がもっと長生きしていたらなあ。 )

Would that I had married her

( 私が彼女と結婚していたらよかったのに。 )

5 - 4.  if only + 仮定法 : 「 ~ でさえあればよいのだが 」

   I wish より強い願望や驚きを表します。帰結の主節を省略し、文末に感嘆符を付けます。

If only I could speak English

( 英語が話せたらなあ。 )

If only you had told me the whole story at that time

( 君があの時一部始終を私に話してくれていたらよかったのに。 )

If only there were no wars in the world

( この世界に戦争なんてなければよいのに。 )

5 - 5.  仮定法現在

慣用句で用いられ古風で文語的な表現のものが多い。

God save the queen

( 神が女王を救わんことを願う。 )

God be with you

( 神のご加護があらんことを。 )

God bless you

( 神の祝福がありますように。 )

if を用いない仮定法

   条件節に if を用いない場合、仮定法であるかどうかは主節の ( 助 ) 動詞が 仮定法過去仮定法過去完了 であるかによって判断することができます。

6 - 1.  倒置による if 節の省略

   条件節の「 主語 + ( 助 ) 動詞 」 が 「 ( 助 ) 動詞 + 主語 」 のように倒置される場合 if は省略されることがあります。 疑問詞は付かない。また、この用法は主に文章体で用いられ口語ではあまり用いられない。

 ※ ( 助 ) 動詞は were, had, should, might, could のみ

Were I you, I wouldn't refuse her offer.

( 私があなたなら、彼女の申し出を断ったりしないだろう。 )

Had I known it, I would have told you.

( 知っていれば教えてあげたんだけど。 )

Could I but see her, I would have no regrets.

( 彼女に会えさえすれば、私は思い残すことがないのだが。 )

6 - 2.  不定詞を用いる場合

To see her smile, you would be charmed.

( 彼女の微笑を見れば、君は魅了されるだろうに。 )

To look at him, you could hardly believe it.

( 彼を見れば、君はそれをほとんど信じられないだろうに。 )

To hear him talk, you might take him for a girl.

( 彼の話すのを見たら、彼のことを女の子と思うかもしれません。 )

6 - 3.  副詞語句を用いる場合

With his support, she might have been elected mayor.

( もし彼の後押しがあったならば、彼女は市長に選ばれていただろう。 )

Without a dictionary, it would be hard to study English.

( 辞書がなかったら英語を学ぶのは難しいだろう。 )

I went at once; otherwise I should have missed him.

( 私はすぐに出かけていった。さもなければ彼に合えなかったろう。 )

But for his help, your success would be impossible.

( 彼の助けがなければ、あなたの成功は考えられないだろう。 )

Fifty years ago anyone could have bought the land.

( 50 年前だったら、だれでもその土地を買えただろう。 )

6 - 4.  主語に仮定の意味を含ませる場合

A good management would listen to reasonable demands.

( 良い経営陣なら正当な要求に耳を貸すものだ。 )

A true friend would not betray you.

( 本当の友達なら君を裏切ったりしないだろう。 )

This apartment would be fine for us.

( このアパートなら我々には快適だろう。 )

6 - 5.  分詞構文を用いる場合

Happening in a city, the accident would have caused a disaster.

( 町で起こっていたら、その事故は惨事を引き起こしていただろう。 )

Born in better times, he would have become famous.

( もっとよい時代に生まれていたら、彼は有名になっていただろう。 )

仮定法を用いた重要構文

7 - 1.  if it were not for ~ : 「 もし ~ がなければ 」

If it were not for books, life would be boring.

( もし本がなければ、人生は退屈だろう。 )

If it were not for television, the world would feel even larger.

( テレビがなければ、世界はもっと広く感じられるだろうに。 )

If it were not for your help, I could not have succeeded.

( あなたの助けがなかったなら私は成功することが出来ないでしょう。 )

7 - 2.  if it had not been for ~ : 「 もし ~ がなかったならば 」

If it had not been for your support, he would have failed in business.

( 君の援助がなかったら、彼は事業に失敗しただろうに。 )

If it had not been for the storm, I would have arrived earlier.

( 嵐がなかったら、私はもっと早く着いたのだが。 )

If it had not been for his timely hit, our team would have lost the game.

( もし彼のタイムリーヒットがなかったら、私たちのチームは試合に負けていただろう。 )

7 - 3.  it is ( high / about ) time + 主語 + 動詞の過去形 ~ : 「 もう ~ していい頃だ 」

   現在の事実に対する反対の気持ちを表します。この用法では、主語が 1 人称・ 3 人称単数の場合、 be 動詞は were ではなく was を用います。 また名詞節を導く that は通常省かれます。

It is time you left off your childish ways.

( 子どもっぽい癖はやめてもいい頃ですよ。 )

It is high time you went to bed.

( 君たちはもう寝なければいかない時間だ。 )

I think it is about time we changed our ways of disposing of waste.

( 私たちのごみの捨て方を変えてもよい頃である、と私は思う。 )

7 - 4.  as it were : 「 いわば 」

   文中または文末に置きます。やや古い慣用表現で、現代では so to speakso to say の方がよく用いられます。

He is, as it were, a stray sheep.

( 彼は、いわば迷える子羊だ。 )

He is a Japanese Edison, as it were.

( 彼はいわば日本のエジソンだ。 )

Our teacher is, as it were, a walking dictionary.

( 私たちの先生は、いわば、生き字引だ。 )

7 - 5.  as if [ though ] ~ : 「 まるで ~ のように 」「 あたかも ~ のように 」

   if 節中には原則的に仮定法を用いますが、話し手が現実的だと考えている場合は直説法を用います。 つまり wereishad beenwas となる場合があります。

She looks as beautiful as if she were as actress.

( 彼女はまるで女優のように美しく見える。 )

He speaks English as well as though he were an Englishman.

( 彼はまるで英国人であるかのように英語がうまい。 )

He looked as if he had seen a ghost.

( 彼は幽霊でも見たかのような顔をしていた。 )

It looks as if it is going to rain.

( ひと雨来そうだ。 )

He was looking around as if he was expecting someone.

( 彼は誰かを待っているかのようにあたりを見渡していた。 )

7 - 6.  would rather [ sooner ] ~ : 「 むしろ ~ するほうがよい 」

wish ~ 」 の意味でも用いられることがあります。

I would rather stay here.

( 私はむしろここにいたい。 )

She would rather listen to others than talk herself.

( 彼女は自分で話すよりも他の人の話を聞きたいと思っている。 )

I would sooner die than do it.

( それをするくらいなら死んだほうがましだ。 )

7 - 7.  had better + 動詞の原形 : 「 ~ するほうがよい 」

口語では had が省略されることもあります。

You had better go by tram.

( 電車で行った方がよい。 )

We had not better stay up too late tonight.

( 私たちは今晩はあまり遅くまで起きていない方がよい。 )

I'd better tell you the truth.

( 私はあなたに真実を話したほうがいいですね。 )