否定 |
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Lesson 112 |
目次
1. 否定
2. 否定の種類
3. 全否定
3 - 1.no + 名詞 : 「 ひとつも ~ ない 」
3 - 2.not a ( single ) + 名詞 : 「 ただひとつの ~ も … でない 」
3 - 3.neither : 「 ( 二者のうちの ) どちらも ~ ない 」
3 - 4.never : 「 いまだかつて ~ ない 」
3 - 5.特定の動詞の前に little を置いて : 「 まったく ~ しない 」
3 - 6.その他、全否定を表す慣用表現
4. 部分否定
5. 準否定
6. 否定の転移
7. 二重否定
7 - 1.「 not / no / never 」 + 「 but / without 」
7 - 2.二重否定の慣用表現
8. 否定を表す慣用表現
8 - 1.否定語を含まない否定の慣用表現
8 - 2.否定語を含む慣用表現
否定
「 ~ ではない 」という打ち消しの意味を表します。日本語は文の最後になるまで否定文であることが分かりませんが、英語の否定は文頭や文頭付近で早めに示す傾向があります。また英語には日本語と違って多種多様な否定語句があります。否定を表す主な語句の品詞は次のとおり。
形容詞 |
no, neither など |
---|---|
副詞 |
not, never, nowhere, no, neither など |
代名詞 |
none, nobody, nothing, neither など |
接続詞 | unless, neither, nor など |
否定の種類
2 - 1. 文否定
be 動詞や助動詞の直後に置いて文の内容を否定します。一般動詞の場合は do を用いて否定文を作ります。 しばしば 「 n't 」 と短縮されます
He is not a doctor.
( 彼は医者ではありません。 )
Don't wanna regret.
( 後悔したくない。 )
He will not [ won't ] abandon all hope.
( 彼は望みを捨てようとしない。 )
We cannot control the tongues of other.
( 人の口に戸は立てられぬ。 )
2 - 2. 語句否定
否定したい語・句・節の直前に not を置きます。
This house is mine, not yours.
( この家は私のもので、あなたのものではない。 ) - [ 語の否定 ]
This trip is for pleasure, not for work.
( 今度の旅行は仕事じゃなくて遊びです。 ) - [ 句の否定 ]
It is a shame not to keep your promise.
( 約束を守らないのは恥だ。 ) - [ 不定詞句の否定 ]
A man's worth depends on what he is, and not what he has.
( 人間の価値は、その人の人柄に在るのであって、その人の財産にあるのではない。 ) - [ 節の否定 ]
Not knowing her telephone number, I couldn't call her.
( 彼女の電話番号を知らなかったので、私は電話をかけられなかった。 ) - [ 現在分詞の否定 ]
Thank you for not smoking.
( 禁煙、ご協力ありがとうございます。 ) - [ 動名詞の否定 ]
全否定
全否定は次のような語句を用いて 強い否定 を表現します。
3 - 1. no + 名詞 : 「 ひとつも ~ ない 」
be 動詞の補語として名詞の前に置くと、「 決して ~ でない 」という非常に強い否定を表します。
No man is without his faults.
( どんな人でも欠点のない人はいない。 )
She is no stranger to me.
( 彼女は決して見ず知らずの人ではない。 )
There're no clouds in the sky.
( 空には一片の雲もない。 )
3 - 2. not a ( single ) + 名詞 : 「 ただひとつの ~ も … でない 」
no の強調形。主語の前や「 There ~ 」文で be 動詞の後に用いられ、not に強勢を置きます。 「 not a single + 名詞 」 だと更に強い否定を表します。
Not a sound was heard.
( 物音一つ聞こえなかった。 )
Not a single person arrived late.
( 誰一人遅刻しなかった。 )
There was not a soul there.
( そこには人っ子ひとりいなかった。 )
There was not a single word of gratitude from them.
( 彼らから感謝の一言もなかった。 )
3 - 3. neither : 「 ( 二者のうちの ) どちらも ~ ない 」
「 ( 二者のうちの ) どちらも ~ ない 」という意味で、形容詞・副詞・代名詞として用いられます。
Neither story is true.
( どちらの話も本当ではない。 ) - [ 形容詞 ]
He neither smokes nor drinks.
( 彼はタバコも酒もやらない。 ) - [ 副詞 ]
I like neither of the pictures.
( その絵のどちらも好きではない。 ) - [ 代名詞 ]
3 - 4. never : 「 いまだかつて ~ ない 」
「 いまだかつて ~ ない 」という意味で副詞として用いられますが、not よりも強い否定で 「 決して ~ でない 」 という意味としても用いられます。 また、強調のため never が文頭に置かれる場合は「 主語 + ( 助 ) 動詞 」→「 ( 助 ) 動詞 + 主語 」 というように語順が倒置されます。
She has never fallen in love.
( 彼女は一度も恋をした事がない。 )
He never loses hope.
( 彼は決して希望を失わない。 )
Never have I seen such a beautiful sight.
( こんなに美しい景色を、今まで見たことがありません。 )
3 - 5. 特定の動詞の前に little を置いて : 「 まったく ~ しない 」
文語的な表現で、次のような動詞を little の後に置くと 「 まったく ~ しない 」 という意味で 強い否定 を表します。 また、強調のため little が文頭に置かれる場合は「 主語 + ( 助 ) 動詞 」→「 ( 助 ) 動詞 + 主語 」 というように語順が倒置されます。
believe ( 信じる )
care ( 心配する )
dream ( 夢を見る )
expect ( 予期する )
imagine ( 想像する )
know ( 知る )
realize ( 悟る )
suspect ( 感づく )
think ( 思う ) など
I little knew.
( 少しも知らなかった。 )
Little did I dream that I would see you here.
( ここであなたに会うなんて夢にも思わなかった。 )
Little did they imagine that they would lose the game.
( 彼らは自分たちが試合に負けるとはまったく思っていなかった。 )
3 - 6. その他、全否定を表す慣用表現
全否定を表す主な慣用表現は次のとおり。
not ~ at all ( 決して ~ ない )
not ~ in the least ( 少しも ~ ない )
no ~ whatever ( 少しも ~ ない )
not ~ by any means ( 決して ~ ない )
by no means ( 決して ~ ない )
never ~ in all one's life ( 一度も ~ ない )
not ~ in any way ( 決して ~ ない )
in no way ( 決して ~ ない ) など
At first he could not speak English at all.
( 最初、彼は全然英語が話せなかった。 )
I am not in the least anxious about it.
( 私は全然そのことについては心配していない。 )
She is by no means selfish.
( 彼女は決してわがままではない。 )
部分否定
部分否定は、次のような語と共に否定語を用いて表現します。
all ( すべての [ の ] )
always ( いつも )
absolutely ( 完全に )
altogether ( まったく )
both ( 両方 [ の ] )
completely ( 完全に )
each ( 両方の )
every ( すべての )
everything ( すべてのもの )
everybody ( みんな )
everyone ( みんな )
everywhere ( あらゆるところに )
entirely ( まったく )
exactly ( まさに )
generally ( 大体、概して )
necessarily ( 必ず )
quite ( まったく )
whole ( 全体の )
wholly ( まったく ) など
Not all the books are worth reading.
( すべての本が読む価値があるわけではない。 )
Both of my parents are not strict with me.
( 両親がふたりとも私に厳しいわけではない。 )
Money is not everything.
( お金がすべてではない。 )
The law is not always fair.
( 法が常に公平であるとは限らない。 )
I'm not absolutely sure.
( 絶対に確信があるというわけではありません。 )
準否定
否定語を使用せずに「 ほとんど ~ ない 」「 めったに ~ ない 」という意味で 弱い否定 を表すものを 準否定 といいます。 few, little, hardly, rarely, scarcely, seldom など否定語に準じる語を用いて否定の意味を表します。
I meet very few people here.
( ここではめったに人に会わない。 )
There is little time left.
( 残り時間はほとんどない。 )
He rarely drinks.
( 彼が酒を飲むことはめったにない。 )
否定の転移
従属節や不定詞句の否定を表す場合、従属節内や不定詞句の直前に not を置くよりも、主節の動詞を否定することが多い。この用法で主節にくる主な動詞には、 appear, think, believe, expect, guess, imagine, seem, suppose などがあります。
I don't think it will rain tomorrow.
= I think it will not rain tomorrow.
( 明日、雨は降らないと思う。 )
He doesn't seem to know his real self.
= He seems not to know his real self.
( 彼は本当の自分をしらないようだ。 )
I can't believe that he is that depressed.
( 彼がそれほど落ち込んでいるとは思えないな。 )
二重否定
否定の意味を表す語句が二重に使用されると、互いに打ち消しあい、強い肯定の意味になります。これを二重否定といいます。
7 - 1. 「 no / not / never 」 + 「 but / without 」
No man is so old but that he may learn.
( どんなに年をとっても学べないことはない )
Please do not enter the room without knocking.
( 部屋にはノックなしで入らないでください。 )
I never see her but I want to kiss her.
( 会えば必ずキスしたくなる。 )
7 - 2. 二重否定の慣用表現
nothing but 「 ただ ~ のみ 」「 ~ にほかならない 」
not a little 「 すくなからず 」「 かなり 」
not a few 「 かなり多数の 」「 相当数の 」
I think of nothing but your return.
( 私はあなたが帰ってくることばかりを思っている。 )
He has not a little interest in music.
( 彼は少なからず音楽に興味をもっている。 )
She has not a few friends in America.
( 彼女はアメリカにかなり多くの友人がいる。 )
否定を表す慣用表現
8 - 1. 否定語を含まない否定の慣用表現
anything but ( 決して ~ ではない )
He is anything but a liar.
( 彼は決してうそつきではない。 )
fail to ( ~ し損なう )
I fail to understand his true aim.
( 私は彼の真のねらいを理解することはできない。 )
far from ( 少しも ~ でない )
She is far from a fool.
( 彼女は馬鹿ではない。 )
free from ( ~ がなくて )
He is free from money worry.
( 彼はお金の心配がない。 )
in vain ( 無駄に、効果なく )
She tried in vail not to cry.
( 彼女は泣かないようにしたがだめだった。 )
be yet to ( まだ ~ していない )
The time is yet to come.
( まだその時はきていない。 )
the last + 名詞 + to 不定詞 ( 決して ~ しない )
He is the last man to steal.
( 彼は盗みなどする人ではない。 )
too ~ to ( あまりに ~ なので … できない )
I was too happy to sleep.
( 私は幸福すぎて眠れなかった。 )
It is not too much to say that he is a genius.
( 彼は天才と言っても過言ではない。 )
prevent ~ from ( ~ が … できないようにする )
Nothing can prevent her from marrying him.
( 何事も彼女が彼と結婚することを妨げる事はできない。 )
remain to be + 過去分詞 ( まだ ~ されていない )
There remains nothing to be desired.
( 望むべきことは何もない。 )
8 - 2. 否定語を含む慣用表現
cannot help + 動名詞 ( ~ せざるを得ない )
I cannot help laughing at the joke.
( その冗談に笑わざるを得ない。 )
We cannot help admiring their effort.
( 彼らの努力には賞賛しないわけにはいけません。 )
cannot ~ too … ( いくら ~ しても … しすぎることはない )
You cannot be too diligent.
( 勉強はいくらしてもしすぎるということはない。 )
You cannot be too careful.
( 石橋をたたいて渡る。 )
no longer / not ~ any longer ( もう ~ ではない )
He is no longer a child.
( 彼はもう子供ではありません。 )
I can't wait any longer.
( もうこれ以上待てません。 )
have nothing to do with ~ ( ~ とは関係がない )
I have nothing to do with them.
( 私は彼らと全く関係がない。 )
There is no + 動名詞 ( ~ することはできない )
There is no accounting for tastes.
( 人の好みは説明できないものだ。 )
There is no knowing what may happen.
( 何が起こるか知る由もない。 )
no sooner ~ than … / hardly ~ when … ( ~ するとすぐに … )
No sooner had she found him than she burst into tears.
( 彼女は彼を見つけるやいなや、わっと泣き出した。 )
Hardly had I met her when I fell in love with her.
( 私は彼女に会ったとたんに恋に落ちてしまった。 )
It will not be long before ~ ( 間もなく ~ だろう )
It will not be long before your dream comes true.
( 君の夢が実現する日も遠くないだろう。 )