倒置構文 |
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Lesson 116 |
目次
1. 倒置構文
2. 文法上の倒置
2 - 1.疑問文による倒置
2 - 2.祈願文による倒置
2 - 3.if の省略による倒置
2 - 4.so, neither, nor が文頭にくる場合
2 - 5.直接話法で被伝達部が伝達部の前にくる場合
2 - 6.譲歩を表す副詞節が動詞で始まる場合
3. 強調のための倒置
3 - 1.補語が文頭にくる場合
3 - 2.目的語が文頭にくる場合
3 - 3.否定の副詞語句が文頭にくる場合
3 - 4.場所を表す副詞語句が文頭にくる場合
3 - 5.程度を表す副詞語句が文頭にくる場合
倒置構文
英語の一般的な語順である 「 主語 + ( 助 ) 動詞 」 の語順が、語句の強調や文法上の理由で 「 ( 助 ) 動詞 + 主語 」 の語順になることを 倒置 といいます。
文法上の倒置
2 - 1. 疑問文による倒置
疑問詞が主語でない場合、主語と動詞の語順は 「 ( 助 ) 動詞 + 主語 」 になり、疑問詞が主語の場合は 「 主語 + ( 助 ) 動詞 」 となります。
Are you Mr.Parrish?
( あなたがパリッシュさんですか。 ) - 「 動詞 + 主語 」
Who is she?
( 彼女は 誰 ですか。 ) - 「 動詞 + 主語 」
When did you graduate from high school?
( いつ高校を卒業したの。 ) - 「 助動詞 + 主語 」
What happened to him?
( 彼に何が起こったのですか。 ) - 「 主語 + 動詞 」
2 - 2. 祈願文による倒置
「 May + 主語 」の語順で用います。
May you always be happy and healthy!
( あなたがいつも幸せで健康でありますように。 )
May God bless you!
( あなたに神のご加護がありますように。 )
2 - 3. if の省略による倒置
仮定を表す副詞節で if が省略された場合は語順が倒置されます。
Were I you, I wouldn't refuse her offer.
( 私があなたなら、彼女の申し出を断ったりしないだろう。 )
Had I known it, I would have told you.
( 知っていれば教えてあげたんだけど。 )
Could I but see her, I would have no regrets.
( 彼女に会えさえすれば、私は思い残すことがないのだが。 )
2 - 4. so, neither, nor が文頭にくる場合
先行する文や節の内容を受けて so ( ~ もまたそうである ) や neither, nor ( … もまた ~ でない ) が文頭に置かれる場合は倒置が起こります。
You are fond of it? So am I.
( 君も好きか、僕もやはり好きだ。 )
He doesn't speak French, neither do I.
( 彼はフランス語を話さないし、私もまた話さない。 )
You can not do it? Nor can I.
( 君にもできないか、僕にもやはりできないよ。 )
2 - 5. 直接話法で被伝達部が伝達部の前にくる場合
直接話法で被伝達部が伝達部の前にくる場合、倒置されることが多い。
”Take care, Susan!” answered Bill.
( 「 スーザン、気をつけてな 」 とビルは答えた。 )
”I will soon retire,” said the player.
( 「 近いうちに引退するつもりだ 」 とその選手は言った。 )
”Are you being attended to?” asked the shopkeeper.
( 店主は私に 「 御用は承っておりますか 」 と尋ねた。 )
2 - 6. 譲歩を表す副詞節が動詞で始まる場合
譲歩を表す副詞節が動詞で始まる場合、「 動詞 + as + 主語 + 助動詞 」 「 動詞 + what + 主語 + 助動詞 」 の語順となります。
Try as you may, we can't master English in a few months.
( いくらやってみても、2、3ヶ月で英語を習得することはできない。 )
Say what you will, I think he is honest.
( 君がなんと言おうとも、彼は正直だと思う。 )
Come what may, I'm ready for it.
( 何が起ころうとも、その覚悟はできています。 )
強調のための倒置
3 - 1. 補語が文頭にくる場合
補語の形容詞が強調のため文頭に置かれ、主語が名詞の場合は倒置が起こります。主語が代名詞の場合には倒置されず普通の語順となります。
Happy is a man who marries a good wife.
( よき妻をめとる人は幸せです。 )
More impressive is her confession.
( もっと印象的なのは彼女の告白だ。 )
Happy are those who are contented.
( 幸せなのは満足している者だ。 )
3 - 2. 否定語を伴う目的語が文頭にくる場合
否定語を伴う目的語が強調のため文頭にくる場合は倒置が起こりますが、それ以外の場合は文頭に目的語を置いても倒置は起きません。
Not a letter did I receive from her.
( 私は彼女から 1 通も手紙を受け取らなかった。 )
Nothing could we find anywhere.
( どこにも何も見つけられなかった。 )
3 - 3. 否定の副詞語句が文頭にくる場合
否定の意味を強調するため否定の副詞語句が文頭にくる場合は必ず倒置が起こります。
No sooner had she found him than she burst into tears.
( 彼女は彼を見つけるやいなや、わっと泣き出した。 )
Seldom does he get angry.
( 彼はめったに腹を立てない。 )
Not until this morning did I learn the truth.
( 私は今朝になって初めて真実を知った。 )
Little help did I get.
( 少しの援助も私にはなかった。 )
Hardly ever have we seen such a night!
( そのような光景を目にするのは、まずまれだ。 )
Only then did I realize what he meant.
( その時やっと、私は彼の言いたいことが解った。 )
Never again did I see you.
( 二度とあなたに会うことはない。 )
3 - 4. 場所を表す副詞語句が文頭にくる場合
場所や運動の方向を表す副詞語句が強調のため文頭にくると倒置されることが多い。この用法では主語が人称代名詞のときは倒置が起きない。
Here comes the bus.
( ほら、バスが来る。 )
There goes the siren.
( ほら、サイレンが鳴っている。 )
Down came the shower in torrents.
( 夕立ちが、ザァ~ と降ってきた。 )
On his left sat his mother.
( 彼の左側には彼の母親が座っていた。 )
3 - 5. 程度を表す副詞語句が文頭にくる場合
程度を表す副詞語句が強調のため文頭にくる場合、倒置が起こります。
So kind was she that everyone liked her.
( 彼女はとても親切だったのでみなに好かれた。 )
Such was her delight that she began to dance.
( 彼女は非常にうれしかったので、踊り出した。 )
Well do I remember the scene.
( 私はその光景を良く覚えている。 )